今日のニュースに、懐かしい地名を見つけました。石田純一さんと東尾理子さんが、アメリカ・カリフォルニア州ナパ・バレーのワイナリーで結婚式を挙げたそうです。さすがに石田純一さんのやることは気障、否、お洒落ですね。
 ナパ・バレーは、カリフォルニア・ワインの産地として有名で、サン・フランシスコから北東方向へ車で約40分、州都サクラメントとのほぼ中間に位置する渓谷です。内陸性の暑い気候に、サン・フランシスコ湾からアラスカ海流の冷たい海風が流れ込んで、寒暖の差が激しくなり、この土地の起伏の変化と相俟って、葡萄の果実に複雑な味わいを増すのに上手く作用しているようです。HPによると、最初に住みついたのはインディアンのワポ族で、「ナパ」は「豊潤の地」を意味し、河川には産卵のために上ってきた鮭が溢れ、(中略)、平地にはワイルドキャット、エルク、黒熊、グリズリーベアーが自由奔放に動き回り、野生の葡萄も豊かに実っていたそうです(http://www.napawine.jp/home/index.aspx)。そして、商業ベースの葡萄栽培が始まったのは1836年のことで、今では一帯に325ものワイナリーが散在します。実はナパは、カリフォルニア・ワインの耕作面積で10%、生産量で4%程を占めるに過ぎないと、今日、初めて知りましたが、私のイメージの中でカリフォルニア・ワイン=ナパなだけでなく、一般にナパが有名なのは、生産量が少ないながらも優良プレミアムワインの宝庫だからです。
 私もかつてワインのテイスティングのツアーを楽しんだことがあり(つまりワイナリーをハシゴしてワインを試飲します)、カリフォルニア・ワインで最上位クラスに挙げられるOpus Oneは、今なお、私がこれまで飲んだワインの中で最上位クラスに位置します(日本ではフランス・ワインが圧倒的に有名で、美味しいワインも圧倒的に多いはずですが、値段も圧倒的に高いので、私自身が敬遠しているせいもあります)。そのほか、アメリカ滞在中は、カリフォルニア・ワインの元祖ともいうべきRobert Mondaviや、最も古い歴史を誇るSIMI、当時は設立されて15年にしかならなかったFrog’s Leap(今では一番人気らしい)を楽しんだものでした。
 ナパが文字通り渓谷であるのは、11年前に彼の地で行われたマラソン大会を走ってみて分かりました。マラソン・コースは、当時も今も、北の端、カリストガという山際の街から、幹線29号と並行する裏街道のシルベラド通りを、南の端、ナパ市街に至る、短路42キロの緩やかな下りで、これら幹線29号やシルベラド通りはまさに山あいを縫うように走ります。ゴール付近には、喉が渇いたランナーのために、土地柄、ワインの試飲コーナーがあって驚かされましたが、私の身体はひたすら甘いジュースを欲しがったのを、今でも恨めしく思い出します。当時の完走者1600名、今年3月に行われた32回大会でも完走者も1700名余りと、11年経った今なお変わらず小ぢんまりとしたローカルな大会ですが、観光がてら走ってみるのも面白いのではないでしょうか(http://www.napavalleymarathon.org/)。
 石田純一さんたちの結婚の話に戻ります。テレビで、石田さんの、幸せさでだらしないくらいにふやけた様子を見ていると、いくつになっても「恋は盲目」ということを思い知らされます。因みに、この言葉を調べてみると、シェイクスピアの「ベニスの商人」が出所のようです。
 ・・・But love is blind, and lovers cannot see the pretty follies that themselves commit.(しかし、恋は盲目であり、恋人たちは自分たちが犯す愚行に気づかない。)
 オメデタイなあ、と半ば白けつつ、もう半分では羨ましくもあった、というのが大方の見方だったのではないでしょうか。なにはともあれ、オメデトウゴザイマス・・・