名古屋の金山駅近くにある、日本特殊陶業市民会館フォレストホールであった、ダニール・トリフォノフのリサイタルに行ってきました。

ここでクラシックを聴くのは初めてになるのかな…ここはもう古い建物です。

 

 

30年以上前、私が若かりし頃のコンサートといえば、ここ市民会館か名古屋市公会堂でした。

国際展示場というだだっ広い会場でのコンサートもよく行きました。

その頃はロックのコンサートでしたけどびっくり

 

クラシックの音の響きはどうなんでしょう。

愛知県芸術劇場コンサートホールは改装のため、来年までコンサートの予定が入ってません。

そのかわり、このフォレストホールが使われてます。

 

プログラム音譜

 

 

颯爽と現れたトリフォノフ君。長身でスマートな26歳おねがいキラキラ

あごひげを蓄えた精悍な顔つきですが、表情はとっても穏やかな笑顔。

1曲目はモンポウのショパンの主題による変奏曲。

明るいプレリュード7番の変奏曲なので、ほとんど終止幸せそうに微笑んでます。

短調の変奏になると、グッと苦しそうな顔になる…

今日は手元は見えないけれど、表情のよく見える席でした。

 

ピアノはFAZIOLI。

ファツィオリ…イタリアのピアニストが作った新しいピアノメーカーです。

トリフォノフ君は2010年ショパンコンクールでファツィオリを弾いて3位になりました。

 

 

 

静かな感動、静かな興奮、と言ったらよいでしょうか。

音の多彩さにビックリしました。

ファツィオリだからなのか…

ff はスタインウェイのように、派手に鳴り響かない。

でも音に奥深さがあるというか…一度弾いたら虜になるのもわかるなぁ。

 

前半はすべての曲がいろんな作曲家のショパンへのオマージュのプログラムになっています。

ショパン風だったり、変奏曲だったり。

シューマン以外聴いたことのない曲ばかりでした。

 

知らない曲なのに、胸が高なり、涙まで溢れそうになる。

ピアノの音の多彩さに感動してしまうんです。

ピアノって、こんなにいろんな音が出るの…

実際に「えっ、これピアノの音!?」という、場面が2回ほど…

高い音で、もう一度さっきの音聴きたい!と思ったけど、その部分だけだった。

この曲をCDで聴けば聴けるのかな…生でなきゃ聴けない音色だろうか…

どの曲のどの部分だったのか…もう思い出せないショックあせる

 

ファツィオリって不思議な音色がする。

いろんな楽器の音色というか、聴いたことのないような音までします。

音の表や裏…

トリフォノフ君だから操れるんでしょうけど。

絵筆でいろんな色を重ねて描くような…いろんな色の糸で織物をしているような…

そんなイメージが浮かんでしょうがなかったです。

知らない曲なのでなおさら…

 

トリフォノフ君、手は鍵盤を奏でながら、宙の一点をずっと睨み続けるなんていうことも何度かありました。

音だけの世界、音だけの異空間に入ってしまった彼。

それを見ている私たち…という感じです。

 

後半のショパン、ピアノソナタ第2番。

よく知る曲ではあるけれど、違って聴こえたなぁ。

心をえぐるような音がきたかと思うと、天国のお花畑で安らかに…という場面あり。

3楽章の葬送行進曲。静か~で暗い、重苦しい音色に、深い感動。

長調で奏でられる中間部は…ポツポツと止まりかけては動くような音色…

睡魔がきそうでしたすやすや笑

4楽章は吹きすさぶ風のごとく…音の渦がお腹のみぞおちあたりでうねってるようだった。

この音色は凄かった…Bravo!

 

アンコールは…幻想即興曲。

超速い右手!音のスターダストや~キラキラ笑

 

もう一曲はスクリャービンの左手のためのプレリュード。

 

お客さんの反応にご機嫌な笑顔のトリフォノフ君。

いや~凄いものを聴かせてもらいました~おねがい

ピアノというのは、まだまだいろんな可能性がある楽器なんだな、と思いました。

 

 

ずっと、追っていきたいピアニストさんが一人ふえましたラブラブ