昨日は運転中にじゃがいもの花を見かけました。きれいでした。
久しぶりに連休でのんびりしていたのですが、10時過ぎに職場から電話。
呼び出しかなと思っていたのですが、指示だけで済み、その後何度か電話でやり取りし、先ほど一件落着しました。
今日は米原万里さんのことについて書きましょう。
『パンツの面目 ふんどしの沽券』の作者です。
3月からこっち、にわかに身辺整理を開始したところ、蔵書の中から米原万里さんの本が何冊か出てきました。『パンツの面目 ふんどしの沽券』もその中の一冊。表紙のイラストは南伸坊さんです。
パンツとふんどしに関することが書いてあります。吹き出しそうになったり、感心したり。この本は小説のように読み進めることは難しいですが、エッセイのようでもあり、パンツとふんどしに関する一考察のようでもあります。
感心したことはたくさんありますが、その中の1点だけ。
米原万里さんが通っていた、在プラハ・ソビエト学校では、「4年生になると、女の子は家庭科を履修するのだが、その裁縫の授業で、最初に教わったのが、スカートでもエプロンでもなく、下着のパンツの作り方だった。」
「二次元の布で複雑に入り組んだ三次元体(しかも動くから四次元体)を包まなくてはならない。型紙造りも、そのための採寸も、やる前に気が萎えてしまうほど面倒なのである(ちなみに日本の学校で最初に習うのは、立体とは無縁の雑巾の作り方)。」
本の中にはソビエトの型紙も載ってます。
おもしろおかしい本です。
米原万里さんは幼少期は日本で過ごしますが、父親の仕事の関係でチェコ、プラハのソビエト学校で学びます。高校入学前には日本に帰国しています。
プラハでの試験は論述式のものばかりだったので、帰国して受けた試験が○×式のものだったのでカルチャーショックを受けたと本に書いてあります。
その後、高校、大学、大学院と日本で学問を修め、ロシア語会議通訳者となられました。同時通訳もなさっていたようです。
コメンテーターとしてマスコミにも登場されていたのでご存知の方は多いと思います。
『終生ヒトのオスは飼わず』という本がありますが、結婚はされていなかったようです。
残念なのは56歳で卵巣がんのための亡くなられたこと。
もっと、彼女の本を読みたかったと思っています。
米原万里さんの本は、人間を視る視点の鋭さが表れているように思います。
その他の著書としては
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
『不実な美女か 貞淑な醜女(ブス)か』
『魔女の1ダース』
等があります。
なぜ、私が米原万里さんの本に関心を持ったかというと、夫の仕事の関係で寒い寒い北の土地に住んでいたことがあり、周りにウィーシカといったかロシア帽を被ったロシア人もちらほら見かけ、寒い土地ならではのエピソードにもうなずくことができたからです。
結婚して、北の土地に住み始めたのですが、私には、寒さは辛さとしてしか残っていません。
朝の雪投げ(除雪)、雪道の運転、手先の凍え。冬場、ビール瓶は毛布で包み、暖め、凍結を予防しました。
今は、あの頃を思うと天国です。