俺の本棚~面白いッ書 第773回
令和7年11月6日(木)
図書館から借用した文庫本、桜木紫乃「孤蝶の城」(単行本は2022年)は、作者と同じ故郷・釧路出身のカルセール・麻紀をモデルにした「緋の河」の続編である。 秀男はモロッコで陰茎の切除・造膣の手術を終えて「女の身体」を手に入れたが、帰国後、身体の異常さに悩まされながらも、股間を気にしないで、薄いパンティとホルモン注射で造った豊満な乳房で、踊り続けられる幸せを綴る物語であるが、女として、初めての膣入れの男の事とか、手術痕が膿んで女トイレに駆け込むとか、生々しい描写が続いて、結構、辟易した。 夜の世界、ヤクザとの接触、芸能事務所の悪辣マネージャー等々、一人で生き抜く、主人公のカーニバル真子(秀男)の強さが際立つ。 ・・・最終章は俳優としての旅立ちを思わせる内容だったが、何と、今年2025年1月に、毎日映画コンクールで、カルセール・麻紀が助演俳優賞(男女の別を無くして、これまでの男優助演賞、女優助演賞を一本化した)に輝いたという受賞は、3年前にこの小説を発表した作者の先見の明があったのだろうか? この文庫化に素晴らしいタイミングで花を添えた、としか言いようが無い。 ただ、自分は何とか読了したが、余りにも、性描写が多い内容だった。
同じく借用した文庫本、小路幸也「小説家の姉と」(単行本は2016年)、小金井に住む竹内明人の5才上の姉・美笑が小説家になったのは21才、明人が高一になった時だった。 徹夜等の執筆時に家族に迷惑が掛からないように、と一年後に都内の地下鉄「江戸川橋」駅近くのマンションに移り住んだ。 ・・・明人は大学生になっても実家から通っていたが、二年生になった時、姉から電話があって、こっちのマンションに一緒に住んでほしい、男がいれば安心だから、という理由だった。 作家になって5年、単行本6冊、文庫本2冊の実績もあって、少しは顔も名前も売れてきていた。 両親からは、結婚するような相手が出来ていれば知らせてくれ、とスパイ擬きの使命を受けて、大学へ通うのも近くなったし、要望通り移り住んだのだった。 ・・・姉と一緒に買い物をして帰宅途中、明人の携帯が鳴った。 →やァ、後ろを見ろよ、という声があって、振り向くと千葉がいた。 実家の2軒隣だった小・中・高一緒だった幼馴染。 大学は違うけれど、最近、捨て猫を拾って、この近くの猫O・Kのマンションに引っ越してきた、という。 そういえば昔から心優しい奴だったナ、と思い返した。 リードを付けたトラ猫を抱いていた。 姉さんにも、→ご無沙汰してます、と頭を下げている。
(さて、この物語、どんな進展を見せるのか? 偶然に千葉と会ったのは、彼の策略だった、とアトから明人は知る事になる。 ・・・いつもの、驚きながらも穏やかな結末である。 小路幸也の本は肩が凝らなくてイイ)
今年10月始めの、山形「くら寿司」での、女子高生の、素手で回転中の寿司ネタ触りや、醤油差しをペロペロ事件がネットを騒がしている。 2023年1月に、岐阜の「スシロー」で、同じような悪ふざけした男子高校生(事件後、自主退学)に、数千万円の賠償事件があったが、それと同じ事が起こっている。 迷惑行為をした本人と、それを写メしてネットにUPした友人の、二人の実名や高校名がネットに晒されており、映した子の家は市内の古いお寺、実行犯の子は父親が運転手、母親がパート勤務だという。 恐らく、どちらの家庭も悲惨な状態だろう。 狂喜的な拡散状態が続いており、ネット社会の恐ろしさを実感する。 更に晒されたのは、ラーメン屋での悪ふざけである。 店主に注意されると、→どのように食べたって、こっちの勝手でしょ!と吠え返していた。 (店主は最近になって、正式に800万円の損害賠償を起こした) 二人とも高校を退学させられる可能性が大であり、だとすれば大学入試もままならず、今は、外にも出られず引き籠った儘だという。 更に数千万円の損害賠償を請求されたら、一家壊滅である。 軽々しい悪戯が、これほど大きな厳罰が返ってくるなど、想像もできなかったと思うが、それにしても「スシロー」の前例があるのに、本人達の自覚は勿論ながらも、学校も周囲の大人も、誰も、高校生に教育していない無責任さが悲しいと思う。
学歴詐称で職を解かれた伊東市長選挙にN党のT氏が立候補した。 彼は兵庫県知事選挙も参議院議員選挙、更に兵庫県・市長選挙、千葉県知事選挙等々、全てに連続で落選しているのに全然懲りない方である。 政治信条が何処にあるのか、まったく理解できない所業である。 伊東市民がどれだけ票を入れるのか、まさか、とも思うが兵庫県知事選挙の事もあるし・・・。 前市長を含め、多数の立候補者が出て、票が割れると前市長の当選の目も出てくるが・・・。 どうか、正常な政治判断がされるよう願って止まない次第である。
PGAはメキシコで。 金谷、久常、星野、大西の4人。
LPGAは日本と共同で滋賀県で。 道産子は内田一人。
欧州ツアーはアラブ首長国連邦で中島一人。
日本男子は兵庫県で。 道産子は片岡、植竹の二人。
野球が終って、昼間の好きなスポーツはゴルフだけとなった。 これから大相撲が始まるので、そちらの楽しみはあるが・・・。 読書以外に時間潰すのは録画を見るしかない。 ドジャースのワールドチャンピオン連覇の大谷、山本、佐々木の日本人の大活躍をもう一度堪能するか!
(ここまで、2,200字越え)
令和7年(2025)11月6日(木)