俺の本棚~面白いッ書 第772回

令和7年11月2日(日)

文庫本6冊を購入。 数えると今回でたった11回目だった。 もっと買っていると思っていたが・・・。 図書館は30回を超えているのに・・・。 ただ、冊数は同じ位かも知れない。 

上田健次「銀座四宝堂文房具店 Ⅵ」(書き下ろし)、中山裕次郎「最後の外科医 楽園からの救命依頼」(書き下ろし)、雲井脩介「犯人に告ぐ③ 紅の影」(単行本は2019年)、吉田修一「ミス・サンシャイン」(単行本は2022年)、川上未映子「春のこわいもの」(単行本は2022年)、恩田陸「なんとかしなくちゃ」(単行本は2022年)である。 ・・・さて、どれから読もうか?

 

鮭漁の北海道のピークは5,000万匹で、最近は2,000万匹以下というテレビを見た。 どうして産まれた川に戻ってくるのか?を調査する為に、昔は孵化させた稚魚の一匹・一匹に標識を付けていたらしいが、近代は、孵化途中の発眼卵となった時に、水温を変化させて、自動的に耳石温度標識を付ける技術を成功させて放流している、とのことだった。 これによって、どのような所を回遊をするのか? 判った事は、オホーツク海からアリューシャン列島、更にアラスカ湾を経由して北海道に戻って来る事が解析されているとの事。 しかし、最近は温暖化の海水温の上昇によって北海道回帰が少なくなっているらしい。 家内は毎年、生イクラを購入して醤油漬けイクラを作り、静岡の娘にも送っていたが、今年は行きつけのデパートの魚売り場でも置いていないとの事。 バイヤーが、とても一般の方が手を出せるような価格じゃない、と仕入れそのものが無いそうだ。 昔は、g/200円を記憶しているが、今はg/2,000円でも品物が無い、というのは尋常じゃない。 平民がイクラを口に出来ない時代になった、と嘆くしかあるめェ。

 

 

米野球ワールドチャンピオン戦、ドジャースとブルージェイズが、1勝1敗を受けての第3戦、5対5で延長戦に入り、何と! 延長18回まで続いた死闘! アナウンサーは、6時間39分と言ってたけれど、わが身は朝9時から16時過ぎまでテレビに噛り付きッきり! ドジャースのサヨナラ勝ちに興奮、この上もない。 大谷は4打数4安打(内、本塁打2本、二塁打2本)の後、走者が無いのに4打席連続の申告敬遠、更に9打席目は、警戒の余り、一球のストライクもないフォアボールで、9打席全て、100%の出塁率だった。 これって、凄くね? 恐らく前代未聞の世界記録だろう! おまけにリリーフピッチャーが底をついて、山本由伸が自ら志願して投球練習を始めた。 二日前に完投勝利し、カナダ・トロントから、西海岸のロサンゼルスまで飛行6時間で大陸横断し、朝4時に着いて、実質の休みは1日だけだったのに・・・。 チームメートの誰もが、素晴らしい心意気! 山本を誇りに思っている、と賞賛していた。 大谷翔平も佐々木郎希も、結局、出番が無かった山本に、深謝の奇麗なお辞儀をしていた。  

・・・ワールドチャンピオン、第4戦以降、益々楽しみな観戦が続く! 年金者が平日朝からお昼過ぎまで、世界最高なプレーを観戦出来る、贅沢な、最高の楽しみである。 現役世代には羨ましい限りだと思う。 ・・・この日、初雪が朝から夜迄、間段無く続いた。 何か、早くね?と、冬将軍の到来を思う。 翌朝は、我がマンションの隣の低層アパートの屋根に雪が残っていたが、道路には見当たらなかった。 

・・・ドジャースが地元ロサンゼルスで2連敗、いかにも力負けだった。 リーチをかけられて敵地トロントに戻り、さて、背水の陣でどうなるか? 見応え充分である。 ・・・第6戦、崖っぷちだったドジャースが勝って3勝3敗とした。 山本由伸が先発し、佐々木郎希がリリーフして、大谷翔平は二塁打と申告敬遠、日本人3人とも見事に勝利に貢献した。 ・・・第7戦、大興奮した。 ドジャースが昨年に続いての連覇を成し遂げた! 先発の大谷がスリーランホームランで先制されたが、8・9回にホームランを打ち返し、4対4の同点となって延長戦にもつれ込んだ。 10回から、昨日先発した山本が連投、11回表にホームランで勝ち越したが、その裏にワンアウト、1塁・3塁のピンチになり、サヨナラ負けの危機に冷や汗を掻いたが、何と、山本がゲッツーで抑え、見事な逆転勝利! 昨年最下位だったブルージェイズの、32年振りの偉業のワールドチャンピオンの夢を砕いた。 相手には気の毒ではあるが、ドジャースに天晴れ! ドジャースメンバーの不屈の魂と、ロバート監督の随所の采配に感服である。 今回は本当の野球の面白さ・興奮と、怖さを思い知った。 大谷の活躍があればこその、去年までは観なかった米野球のテレビ観戦であった。 

 

日本シリーズはS・Bホークスが優勝した。 だから、日ハムは日本二の実力がある、と思っておこう。 どちらも応援していないので、一戦もテレビ観戦、しなかった。 ・・・2030年完成を目指して、日ハムの二軍球場の誘致合戦が激しさを増している。 建設期間を考慮すると、恐らく、2026年度上期辺りで決まるのだろうが、やはり、北広島・エスコンフイールドに一番近い方がイイと思うが、さて? 

 

 

先週のPGAは、金谷33位、大西51位だった。

LPGAはマレーシアで。 予選落ち無しの78人、日本人は9人。 ・・・山下美夢有がプレーオフで優勝!(45万$)、米ツアー2勝目である。 凄い! 岩井明愛4位、古江彩佳9位、岩井千怜16位、アトは、畑岡33位以下、竹田、吉田、勝、馬場は下位に沈んだ。  

 

日本女子は埼玉県で。 道産子は阿部、吉本、内田、政田の4人。 ・・・阿部未悠、政田夢乃、吉本ここねが予選通過した。 ・・・仲村果乃・24才が初優勝!(1,800万円)、阿部2位、政田10位、吉本13位だった。 

 

男子は千葉県で。 道産子は片岡、植竹の2人。 植竹勇太が予選通過。 ・・・32才・佐藤大平が初優勝!((3,000万円)、植竹は51位だった。

 

 

阿部暁子「パラ・スター(side宝良)」(2020年書き下ろし文庫)

(第764回にUPした、パラ・スター(Side百花)の続き・・・)

君島宝良(たから)は、「SCCトレーデイング」に出社した。 脊髄を損傷してから、車イステニスの雇用サポートをしている会社だった。 出迎えてくれた広報担当の諌見(いさみ)氏は53才で、宝良の母親・紗栄子と同い年であり、大学生の娘と高校生の双子の男の子がいるという。 この会社に就職したのは、奇しくも山路百花が「藤沢製作所」に就職したのと同時期だった。  ・・・オーストラリア遠征から帰国して間もなく、「スカイウオーク」誌の取材依頼があった。 自分の運転で乗ってきた自動車から車イスを下し、乗り換える。 都内で移動する時には公共交通機関を利用したことはない。 宝良より4~5才上という感じの女性ライター・佐々木さんからの取材である。 高校時代の車イス以前の活躍を確認したアト、「昭島テニスクラブ」の雪代和章コーチに師事した理由を訊かれた。 母がテニス経験者だったので、小四の時から入部し、事故に遭った以降もそのまま続けて貰ったが、コーチは車イステニスは未経験だったのに快く引き受けてくれたのだった。 これから7カ月後に迫る東京パラリンピック、取材はそっちの方が本命である。 世間では女子の代表候補の2番手の評判が高いが、実は最近の戦績はズタボロだった。 佐々木さんには、これからの練習課題を告知して、取材終わりとした。 エレベーターに乗ると広報部長も乗り込んで来て、→パラリンピックは金メダル確実の選手がいるから、君島さんはせめて銀メダルを狙って下さいね、期待しています、と無神経に言う。 正直、ムカッとしたが作り笑顔で応えておいた。 諌見氏は怒っていた、→何て事言うんだ! あなたはとっくに給料に見合う働きをしている、会社の為じゃない、自分の為に腕を磨いて下さい。 宝良は、宣言した。 →私は東京パラリンピックに絶対出るし、出た以上は金メダルを狙います。 諌見氏は、目をまん丸にして、→それでこそ、君島宝良!と大声を挙げてくれた。 

 

その足で八王子のカフェへ向かった。 雪代コーチが待っていた。 去年の初冬、肺癌に侵されて、これから手術や化学療法にかかる事、アトは志摩に頼んであるから、と告げられた。 頭が真っ白になった儘、車で家に送られて、「達者でナ」と去って行ってから、今、初めて会っている。 →途中、百花ちゃんが落語をたんまりダウンロードしたUSBを持ってきてくれた、ホントに気立てのイイ子だナ。 →私の連絡は無視していたのに、モモには会うんですね、贔屓過ぎます、とむくれる。 →何を言ってるか、お前みたいな気難しい娘を、世界で一番の親友、と言ってくれる子には、俺は最大の敬意を払っているのサ、とモモには優しい言葉である。 宝良は志摩コーチと相容れなかった。 雪代コーチと比べてその一言に納得できない自分がいた。 だから、絶望した。

(宝良は、百花が働く「藤沢製作所」の車イスを採用する。 そしてジャパンオープンに臨み、東京オリンピック代表選手へ挑戦する。 果たして?)

 

(ここまで、3,800字超え)

 

令和7年(2025)11月2日(日)