『初恋』(06年・日本)

監督:塙幸成

原作:中原みすず

出演:宮﨑あおい、小出恵介、宮崎将、小嶺麗奈、柄本佑、藤村俊二

上映時間:114分

評価点:★★★☆☆

コメント:

宮﨑あおいが原作に惚れ込み、10代最後の映画として出演を熱望したといわれる意欲作。

当初、ミニシアターでの上映のみとの噂でしたが、多くのシネコンでも観られるとのこと。

確かに、作品規模に比べてプロモーション活動に力がはいっている気がしなくもないですね。

今回は、初日の舞台挨拶があるということで、「あおいファン」の友達にチケットGETをお願いしての参加となりました☆


<ストーリー>

家にも学校にも馴染めない高校生みすずは、ジャズ喫茶で出会った東大生・岸に恋心を抱くようになる。ある日、岸から現金強奪計画を打ち明けられたみすずは、一抹の不安を抱きながらも計画にのめり込んでいく。


この作品を一言で表すならば、「純愛」でしょうか。

60年代~70年代という時間の流れ、登場人物、新宿という空間。

純愛を語るには程遠い世界であるだけに違和感を持ってしまうけれど、この作品には間違いなく「初恋」というタイトル通り、温かい想いが詰まっています。

主人公が3億円強奪をやることになったのは岸への想いのためだし、「自分を必要としてくれるのであればやる。」というみすずのセリフが単純だけど純粋で良いですよね。
普段、誰からもあまり必要とされていない僕には共感と言ったら変ですが、すごく分かる気がしました。
それにしても、時代設定も被っていたこともあり、岸役を演じていた小出恵介がどうも『パッチギ!』の紀男にしか見えないんですよ・・・。

オックスの『スワンの涙』が流れた時なんて「もしや、ねらってる?!」なんて思ってしまいました。

あと、小嶺麗奈の身体をはった演技には驚きましたね。

『金八』や『音無し可憐さん』での印象が強かったもんですから・・・。

まぁ、相変らずのセリフ回しでしたが。。

他にもみすずの兄リョウ役を宮﨑将という実の兄が演じているのも見所ですかね。

個人的には、初恋の淡い想い以上にラストに紹介された若者たちのその後に衝撃を受けたというか、変な恐怖に駆られてしまいました。

そして、何よりも元ちとせが唄う主題歌『青のレクイエム』が見事に作品にあっていて、余計にその謎の恐怖を引き立てられました。

普通に考えて、この作品を観て恐怖を感じる心配はないので「純愛」物語を楽しみに鑑賞しに行くことをオススメします。