08.11.25そして、私たちは家に帰る
満 足 度:★★★★★★★
   (★×10=満点)



監  督:ファティ・アキン
キャスト:バーキ・ダヴラク
      トゥンジェル・クルティズ
      ヌルギュル・イェシルチャイ
      ハンナ・シグラ
      ヌルセル・キョセ
      パトリシア・ジオクロースカ、他






■内容■


  一人暮らしの老人アリ(トゥンジェル・クルティズ)は、
トルコ人娼婦のイェテル(ヌルセル・キョセ)
と一緒に暮らし始める。
彼女はアリの息子ネジャット(バーキ・ダヴラク)に、
娼婦になった理由やトルコに残した一人娘のことを話すが、
ある日アリとの口論から死んでしまう。


 トルコへ渡ったネジャットは、
イェテルの娘(ヌルギュル・イェシルチャイ)を捜すことにする。
                   (シネマトゥデイ より)



■感想■


 話は全体的に繋がっていますが、3部構成で
「イェテルの死」「ロッテの死」「天国のほとりで」
から成っています。
トルコと西欧諸国の関係、
ドイツに暮らすトルコ系移民の問題がベースで
3組の親子のすれ違いと愛が描かれていました。


 1,2章のタイトルに「死」とあるので
その人が亡くなるのは最初からわかっているんですが
あまりにもあっけなくてショッキング。。。
特にロッテの死は、トルコの現状を教えているようでした。


 2年ほど前、友人が旅行でイスタンブールへ行ったとき、
後ろから歩いてきた老人にウエストポーチを
盗られそうになったことを思い出したよ。
トルコだけではないのでしょうが、
パンフレットで観る美しい景色だけが
その国ではないんですね。。。


 イェテルの娘・アイテンは政治活動家ですが
それがトルコ国内でどういう立場なのか、
また、ロッテの死で活動家を止めたので
どの程度の活動だったのか、私の知識がないのが残念。
知識を入れてから観るとこの映画で描かれている背景が
深く理解できるのだと思います。
また、ドイツへの政治的亡命が許可されなかった理由も
私には正当なものなのか否かが判断できなかったので
EUに加盟していないトルコの立場を
知りたいなと思いました。


 ラストでネジャットが船が戻ってくるのを待つ映像は
波が荒れ始める前のようだけど、

静かすぎてちょっと怖い。。。 これが天国なのかとちょっと複雑。


 神への忠誠と子供を天秤にかけた犠牲祭にまつわる話と

犠牲祭を盛大に行いつつも、

実際には親の子供への愛は何にも変えがたいものだという話が

印象的でした。
「死」によって「愛」がわかった皮肉な結末が
なんとも哀しかったです。