07.01.11それでもボクはやってない
満 足 度:★★★★★★★★★★ 
      (★×10=満点)
 
監  督:周防正行
キャスト:加瀬亮 、
      瀬戸朝香、
      山本耕史
      もたいまさこ
      田中哲司
      光石研 、他







■ストーリー■

 大事な就職の面接を控えた日の朝、
大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを
痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平(加瀬亮)。

 連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。
その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事に。

 徹平の無実を信じる母や友人・達雄の依頼でベテランの荒川、
新米の須藤の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、
いよいよ裁判が始まる…。
                      (CINEMA COMIN'SOON より)


■感想■

 冤罪を作り出す仕組み、その恐ろしさ、権力の扱いなど
日本の司法の不透明さを描いた映画でした。

 徹平役・加瀬くんの自然な演技がリアルさを煽ってた。
その他、徹平を心配する母・友人・支援者、
そして非道刑事、
更に、被害者と、当然のように被害者に異常に同情する乗客と駅員、
名脇役揃いでした。

 私もね、少し前までは撤平と同じく、
「やってない罪を認めることないし、
 裁判では無罪になるに決まってる。
 だって、無実なんだから
 証拠なんてものが存在するわけないんだから」

って思ってたの。
ここが大きな間違いパー
証拠というものは、
権力によっていくらでも造る事ができる
ものだったんです。

 先日TVのインタビューで周防監督が言ってた。
人質手法といって、
自白するまで家に帰さないって言われて取調べを受け続けると
人間ってその辛さから、嘘の自供をしてしまうんだって。
サスペンスドラマでは、
証拠を集め → 検証して → 最後に犯人に行き着くでしょ。
実際は何等かの情報によってまず犯人の目星をつけてから、
その人が犯人であるという証拠を固めていく事が多いらしい。
逆なんだって。 
有り得ねえと思うけど、ホントみたい。
だからこの嘘の自供一番の証拠になって、
起訴された場合99%が有罪になっていくらしいの。

 そもそもね、警察も、検事も、裁判官も神ではないし、
そして、法は人間が作ったものなんだから
平等であるわけがないのよ。
検事や裁判官が事件を起こすっていうのはめったに聞かないけど、
警察官って、しょっちゅう
 エロ事件キス
 金事件お金

 暴力事件パンチ!
   を起こしてるじゃん。
そういうことする集団に属してる人達が取り調べた調書を
まるっと信じて裁判がスタートする
っていう仕組みがおかしいよね。

 裁判の仕組みの他に、この映画を観て怖いと思ったこと。
それは人間の記憶
やっぱりそれぞれの記憶には
時間が経てば経つほど感情が入り混じってくるの。
都合のいいように記憶が塗り替えられてる。
例えば、目撃者の「その人は痴漢じゃありません」という言葉が
被害者には「その人が痴漢です」と聞こえたとかさ。。。
この一言で裁判官は一気に有罪モードよショック!

 裁判所での
「真実を述べると誓います」という誓い、
あれば意味のないものだなぁとつくづく実感。
都合が悪い事は答えなくていいんだからね。
黙ってることは、真実を述べなかったことにならない、
真面目に生きてる人間が損をする誓いなんて、なくていいなと思っちゃった。

 実際世の中では、殺人事件や強盗事件の冤罪もあるでしょ。
     疑わしきもの罰せず
こんな言葉、嘘っぱちだね。
認めるまで訊問されるし、
冤罪だとわかったところで起訴に関わった検事、警察官、
間違った判決を下した裁判官は
昨日と何も変わらない生活を保障されてるんだから。
疑われた人間だけが、そこで人生終るって思ったよ。 

 そしてもう一つの嘘っぱちな言葉。
徹平のセリフにもあるけど、
     神のみぞ知る
これも違う。
真実は、自分が知ってるんだよね。

 いつ無実の罪をきせられるかわからないと思うと、
家の外に出るのが怖くなる映画。
ちょっと面白そう。。。と思って観にいったんだけど、
かなりダークな気持になって帰宅しました。