(窯壁と石の土塀=岡山県備前市伊部 2023年12月26日撮影)
千年以上にわたり焼き物を作り続けてきた岡山県備前市伊部(いんべ)では、焼き物の産地ならではの光景がそこかしこに見られます。
そんな伊部の里の様子を「千年の窯業地 備前焼 伊部の里」と題しシリーズでお届けしています。
伊部には数多くのバリエーション豊かな土塀が残されており "土塀の宝庫" です。
その中から今回は窯壁と石の土塀を取り上げます。
(窯壁と自然石)
窯壁とは、登り窯の内壁を構成する耐火性の高いレンガです。
(窯壁)
1000℃を超える窯の中で強い炎に晒され続け、灰で黒くなったり自然釉が掛かったりしています。
塀の屋根には備前土管が用いられていますが、このような光景は伊部の所々で目にします。
土塀の化粧土はその大半が雨で流れ落ちてしまい、土塀の強度を高める石や窯壁、耐火レンガが剥き出しになっています。
土塀の保存状態としては宜しくはないのでしょうが、幾年もの時節を経たその姿からは独特の侘びた風情が漂います。
最後に土塀の位置情報です。
伊部散策にお役立て頂けましたら幸いです。
(写真)岡山県備前市伊部 2023年12月26日、2024年1月6日撮影