日本国憲法は 一度 原文(英文)で読むべし | 高橋みさ子のブログ

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現在(2013年)開会中の通常国会においても、改憲の是非を巡る議論が盛んに行われています。

1947年5月3日に日本国憲法が施行されて以来、66年間、一度も改憲されたことがなく、「国民投票」も一度も実施されたことがありません。

昨年(2012年)5月には、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(憲法改正国民投票法)が施行され、国民が憲法改正の賛否を投票するに当たって必要とされる法律が整備されました。

さて、日本国の最高法規は、言うまでもなく日本国憲法です。
日本国憲法は、日本が占領下にあった当時、GHQが作成した「マッカーサー草案」が原案となっています。従って、原文は英語であり日本語ではありません。
日本国憲法は、英語が日本語に訳されたものなのです。

多くの翻訳文がそうであるように、日本国憲法も原文のニュアンスがしっくりと伝わってこないと感じることがあります。そのような場合は、原文で読むと意外とすんなりと理解できることがあります。

日本国憲法をより深く理解する上でも、英文読みにチャレンジしてみる価値はありそうです。

「憲法を英語で読むなんてとんでもない。とても難しそうだし」という印象は確かにありますが、高校英語の文法力があれば理解できます。難しい用語は多いですが、辞書を引きながらでも読み進めれば、決して読解できないものではありません。

いえ、むしろ原文で読んだ方が条文の趣旨がすんなりと理解できることがあります。


一例を挙げましょう。

有名な「法の下の平等」を保障した憲法 第14条 第一項です。

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と定められています。

先ほどから述べているように、これは英語を日本語に訳したものです。
それでは、原文ではどうなっているのでしょう。


The Constitution of Japan

Article 14: 1)  All of the people are equal under the law and there shall be no discrimination in political, economic or social relations because of race, creed, sex, social status or family origin.


以前から疑問に感じていた「門地」は family origin が訳されたものだったのだと分かります。
「門地???」と頭の中が一瞬混乱してしまいますが、 「家族の起源」「一族の祖」と言ったような意味合いだったのだと、原文と日本語を対比させることで初めて理解が可能となります。
race もそうですが、用語の選択がいかにも移民国家アメリカらしい特徴を呈しています。

また there shall be no discrimination については、「差別はないようにするべし(あってはならない)」というようなニュアンスになろうかと思います。
「全ての国民は法の下に平等であり、人種・信条・性別・社会的地位あるいは家族の祖を理由として 政治的・経済的あるいは社会的な関係において、差別はないようにするべし(あってはならない)」となります。

「差別されない」という対訳はとても簡潔ですが、原文で読むことで、14条の趣旨がより鮮明に理解できるのではないでしょうか。原文ではその目指す理念までをも、より鮮やかに感じ取ることができます。


以前から難解に感じていた憲法の文言ですが、何となく腑に落ちない場合もあり、憲法を格調高く、ときに簡潔に訳そうとしたことがその理由だったのかもしれません。

原文で読めば、条文の趣旨がより平易に理解できることもあるのだと分かります。

改憲議論が盛んな今日、「憲法を原文で読む」という視点は、日本国憲法をより深く、あるいはより平易に理解する上での一つのアプローチとなり得るのではないでしょうか。

改憲の是非を国民の一人一人が考え、自らの判断で一票を投じる「国民投票」が実施される日も、もしかするとそう遠い先のことではないのかも知れません。

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