コロナ禍で競売が増えたら・・・・今後こんな事件が起こるかも?!

 

高層マンションで4人の死体が見つかる。

一家が殺害されたのかと思ったら、実は赤の他人の寄せ集め。

殺害したのは誰か、現場から逃亡している男は何者なのか、占有屋とは、競売のからくりとは。

 

ストーリーの初めは、貸宿をしてる家のお嬢ちゃんが交番に「犯人が家に泊まりに来てる」ってところから始まるわけですが、死体が4つも上がった事件なのにちっとも事件が進展しないストーリー。

回想録化のようにいろいろな登場人物インタビューで進められるところにちょっとまどろっこしさも感じながら中盤まで読むと、なんと一家と思われてた4人はただの寄せ集めの偽家族とわかる。

 

そこからですかね…面白くなってきたのは。

後半に一気に加速するストーリーは、登場人物の多さで頭が時にごちゃごちゃになります^^;

 

読み終われば割と単純な事件という印象ですが、底に潜む社会の闇みたいなものをかんじ、バブル崩壊後の社会の闇だけでなく、今後起こりうるコロナ禍崩壊の序章にも見えてしまったのが、私の中でこの本は怖いなと思った次第です。

 

今後職を失い、ローンがうまく返済できなくなった時、競売ということになったら・・・・こういう手法で知らない人が占領したり、そこからよくわからない事件にかかわる可能性もでるのかもとおもうと・・・創作としてただ読んでられなかったです。

 

それにしても結局のところ服数人殺害した犯人について、あっさりした記述で深みがなかったかな。

間ぁ別にそこまで入り込めるような魅力ある人物というわけでもなかったんだけど、どの人も薄っぺらいというか・・・魅力がなかった。

1998年に第120回直木賞を受賞した長編小説ということで読みましたが、もっと犯人の動機とかいろんな深みがあるほうがいいのになというのが正直な感想です。