戦争を経験した一主婦が3.11を体験し、とある妊婦におせっかいをするという話なんですけど、心温まるエピソードです。

戦時中貧民にはなったけど心は貧しくならなくて、その後結婚もし、子供にも恵まれて子供が成長するにつれ自分探しを始める女性。

子供の為と習い始めたスイミング、自分も習いだし、最終はインストらくたーにまでなってしまうバイタリティーある女性。

甲斐性ありの夫、意欲的な本人、協力的な家庭、素敵な人生でうらやましいな…と思ってしまう中年の私^^;

 

マタニティスイミングを受け持つようになり、栄養士の資格のあるこの女性は昼食会といっては栄養のあるものを皆にふるまったり、いろいろなおせっかいをするタイプ。

正直これがありがたい人も、ウザイと感じる人もいるわけで・・・

そこでなじみにくい妊婦が一人・・・・中盤からこの人の人生がつらつら書かれてるわけですが、人それぞれいろんな人生があるわけで。

 

老齢の晶子、その晶子の戦友だった同級生の千代子、そしてシングルマザーのカメラマン真菜。

それぞれの生きざまが今の女性社会問題について、子供に与える影響についての疑問を提起してる印象でした。

ほんと女は強くなきゃ生きられない。

 

 

 

 

内容(「BOOK」データベースより) 

産む、育てる、食べる、生き抜く。その意味は、3月11日に変わってしまった。75歳でいまだ現役、マタニティスイミング講師の晶子。家族愛から遠ざかり、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。人生が震災の夜に交差したなら、それは二人にとって記念日になる。 

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 

窪/美澄 1965(昭和40)年、東京都稲城市生まれ。カリタス女子中学高等学校卒業。短大を中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。その後フリーの編集ライターを経て、2009(平成21)年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞、デビュー。受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』は本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また2011年、同書で山本周五郎賞を受賞。2012年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)