漫画「巨人の星」では、坂本龍馬の名言が幾度も紹介されている。
その名言とは、
「死ぬ時は、例えどぶの中でも、前のめりに死にたい」
だが、坂本龍馬がこんな事を言ったという記録は、残っていない。
だから「巨人の星」の原作者・梶原一騎が、創作したもの、という説が強いのだ。
おまけにこの言葉には元ネタがあり、それは司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」だという。
この小説には、
「天下を救おうとする者は、自分の死体が将来、溝や堀に捨てられて、顧みられることをつねに想像し・・・」
という文章が出て来る。
恐らく梶原は、司馬の「竜馬がゆく」を読み、上記の文章からヒントを得て、
「死ぬ時は、例えどぶの中でも、前のめりに死にたい」
を創作したのではないか?
これが例え創作だったとしても、心の琴線に触れる良い言葉だと、私は思う。
重病になったり、生活苦になったり、学業、仕事が上手くいかなかったり、人は窮地に立たされると、つい弱気になる。
後ろ向きになり、ウジウジ悩んだりもする。
(あの時、こうしていたら、こんな事にはならなかったかも?)と、過去を振り返り、反省ばかりする時も。
でも本当は、窮地の時でも、前を向いて生きた方が良いはずだ。
前を向いていれば、希望が、明日が、感じられるし、何らかの打開策が見つかるかもしれない。