現在、重い病気や怪我にあり、悩んでいるかたも多いだろう。
そんなかたの弱音を聞いて、思い出したのが、良寛さんの歌、句である。
良寛さんは、江戸時代の僧であった。
良寛さんの辞世の句がある。
散る桜 残る桜も 散る桜
この句には、こんな意味があるのだろうと思う。
桜のある程度は、散ってしまった。
まだ残っている桜もあるが、これもいつか散る。
命も、同様だ。いつか、無くなってしまう。
だから、限られた命は、大切にしたいですね。
今は、困難な状況にあるかたも多いのだが、それでもまだ生きている。
生きている以上、今を大切してほしいものである。
良寛さんが、高齢になり、死期が迫った。
貞心尼が駆けつけると、こんな歌を詠んで、あの世に召されたという。
裏を見せ 表を見せて 散るもみじ
この歌には、こういう意味があると思われる。
自分は悪い面も、良い面もさらけ出しました。
でも、貴女はそれを受け止めてくれましたね。
それを感謝し、後悔なく、あの世に旅立てます。
良寛さんだけでなく、人は誰でも短所もあれば、長所もある。
強くもあり、弱くもある。
そして、親だか兄弟だか、友人だか、恋人だか妻だか夫だか、誰かにそれを受け止めてもらって、一生を送る。
ありのままの自分を見せた、人間らしく生きた、ならば幸せな人生だった、と言えるのではないか?
※この記事の画像は、茂林寺(群馬県館林市)の枝垂桜に、肥後細川庭園(東京都)の紅葉。
いずれも私自身が撮影したものだが、良寛さんとは関係ない場所である。
イメージが合うから使用した。