都市伝説は、おびただしくある。
読者のみなさんがたも、いくつか印象に残っているものがあるだろう。
1980年代の後半、
「長寿マンガのドラえもんの結末が、ああなるのでは、こうなるのでは」
という都市伝説が、まことしやかに囁かれた。
そのうち、私が一番印象に残っているのは以下だ。
のび太は、病院のベットに眠っている。全然起きる感じがしない。
のび太は、文武両道の優秀な少年だった。
が、ある日交通事故にあい植物人間になってしまった。それからは、ずっと寝たきりなのだ。
突然、奇跡的に目を覚ました。
そして、慌てて病室にドラえもんを探したが、見つかるわけもない。
なぜなら、ドラえもんとの日々は、植物人間で眠っている間の夢に過ぎないから。
ドラえもんは、現実にはいないのだ。
私はこれは、都市伝説にしては、(なかなか上手く出来ているな)と思った。
何をやってもだめなのび太が、実は優秀だというオチが意表を突き面白い。
ドラえもんの様なロボットは、現実にはいるわけない。
しかし、のび太が作り出した「夢」なら、辻褄があう。
当時は、これ以外にも色々な、「ドラえもん」の結末が囁かれた。
そのいずれもが、のび太が病気になり、ドラえもんが助ける為壊れる、といった悲観的なものばかりだった。
原作者の藤子先生は、遂に「ドラえもんはその様な悲観的な終わり方にしない」とするコメントを出した。
で結局、「ドラえもん」は未完に終わったので、本当の結末は分からずじまい。
藤子先生の頭の中には、一体どんな結末が用意されていたのだろうか?