食事は入院仲間が出来る(詳しくは後紀)まで、お米は砂を食べている感じでした。


それでも夕食時は二人の友人のどちらかがいて、補助とおしゃべりをしてくれていたので、楽しくいただくことが出来た。


右利きだった上に左は握力もなく、お箸を上手く使えずスプーンとフォークを使い、最後の仕上げ(綺麗に食事おえる)を友人がサポートしてくれるのだが、朝食はひとり。


これが苛立ちと情けなさを味わう時間です。

ご飯粒が茶碗に残ってしまう。

ご飯粒を茶碗に残してはいけない。綺麗に茶碗を使いなさいとしつけられ、それをあたり前のようにやっていたので、茶碗にこびりついたご飯粒がストレスの原因になる。

『あ~イライラする!!!』

その日常。


ご飯あまりに食べれないのと食べないので、一口サイズのおにぎりに変更してくださって、朝は手に持って食べるようになった。(こういう配慮、沢山の患者さんがいる中でやっていただくのは、大変嬉しいことです。


ある朝食メニューで出てきたゆで卵。

看護助手さんで、その病棟で一番年配のその方が何気に言った一言

「私は頑張る人が好きだから、頑張ってゆで卵自分で剥いてみてね。」

え~~~片手でどうやればいいのよ・・・

それは励ますつもりで言った言葉だったろうが、まだ自分を受け止めきれてない今の私には『面倒だから言ったんじゃないの~』と受け止めてしまった。

『私は、あなたに好かれなくてもいいわ!』と心で叫んで、ゆで卵剥きにトライ。

(どのくらいと感じてみたかったら、利き手でないほうでゆで卵を剥いてみてくださいねぇ~)

それもその日のたまごは、冷やし方が不十分だったせいか薄皮が張り付いて白身が崩れていく。

剥いているはずが、ボロボロになっていく卵を見ながら、涙があふれてきて『何でゆで卵で泣かなきゃいけないのか・・・』と半分くらいになった卵を口にし、今の自分をまのあたりにしたせつない、忘れられない出来事となりました。