塩分量が多いと高血圧になるとよく耳にします。 口から取り入
れた塩分は、消化器系を通して血中に運ばれます。
血中の塩分濃度が多いと、塩分には水が集まる特性がありますので、
血管中の水分が多くなり、血管圧を高めて血圧が上がる。
ナメクジに塩を振りかけると、ナメクジの体内から水分が塩に引き寄
せられ小さくなる。 これと似たような原理ですね。
しかし・・・人間の身体は一定の状態を保つ働きがありますで、一
時的に血圧は上昇するでしょうが、無意識下にて調整が行われます。
それを腎臓が役割を果たしてくれています。 腎臓が健康であれば、
ナトリウムの量が多いと排泄してくれて、血中の水分量を調整して
くれるのです。 したがってこの機能が正常に働いてくれている間
は、慢性的な高血圧にはならないのではないか?
そのように推測いたします。
むしろ、塩分と高血圧との関係で影響が大きいのは、次の要因ではな
いか? と思います。
血中の塩分濃度が多いと、血管を調整している自律神経の活動型の交
感神経が活発に働きます。 血管にまとわりつくように位置している
交感神経が活発に働くと、血管が収縮します。
それにて、血圧が上がるという仕組みです。
私事ですが、長い年月、血圧は上が105から115位でしたが、3年ほど
前から、120前後・・・翌年は130前後と徐々に高くなってまい
りました。
そして昨年の秋に体調が変だな…と思って血圧を測定すると150!!
ありました。
高血圧症の入り口に立ったわけですから、血圧を下げようと思いま
した。
私は香川県民ですので、うどんを頻繁に食べます。 うどんは・・・
塩分が多いですね。
しかし食生活にて減塩はほとんど行いませんでした。
そのかわりに心拍が100から120程度になる運動を1週間に3回程度実施。
時間にして1回30分程度です。
そして現在半年経過しましたが、血圧はそれから徐々に下がり始めて、
115前後となりました。
何故・・・交感神経を鎮めるためにこの方法を取ったかと言えば・・・・
多くの方は、活動型の交感神経の働きが活発な場合に、副交感神経を稼
働しようとして、リラックスしないといけない・・・と試みるのでは?
ストレスでの交感神経過剰による不定愁訴もこれに該当しますね。人
間は・・・緊張するのはたやすくできていて、リラックス・・・つま
り「心身の弛緩」は、なかなか難しい物なんです。
そこで・・・交感神経が過剰に働いている状態ならば、もっと交感神
経を刺激する。 それが私が試みた中強度の運動です。 ゆっくり歩
くウォーキングでは、なかなか交感神経は興奮してくれません。
一定の心拍以上にならないと事はうまく運びません。
交感神経優位になっているという事は、心身が活動しようとしている
わけですから、その流れを助長してやればいい。
そこで心拍上昇する運動を行うと、現在の身体が活動しようとする方向
に向けてやることが出来る。
身体が交感神経優位となって活動しようとする働きに沿うわけです。
それを意識でリラックスしよう・・・と考えても無理があります。
身体と頭で考えることが反対になっているわけですから…・なかなか
難しい・・・。
しかし、身体の欲求に素直に応えてやれば、やがて活動のエネルギー
が昇華され、エネルギーを今度は補充しようとして交感神経が鎮まり
ます。
つまり・・・結果として副交感神経が稼動するわけです。 ここから
リラックスする方法を実践すればいいわけです。
普通・・・皆さんのすることは、交感神経が優位ならば、リラック
スして副交感神経優位にと、いろいろなリラックス法を行うと思い
ます。
しかし・・・心身の自然の原理から言えば、今・・・お話ししてき
たことの方が自然の理にかなっていると思います。
塩分と交感神経と血圧の関係に戻りますが、減塩は推奨される良い
事だと思いますが、塩分過剰摂取による高血圧は、自律神経も頭
に入れて養生を行っていただきたいと思います。
交感神経優位で副交感神経を稼働させたいなら、適度に交感神経にて活動型
になっている身体の欲求を満たして、その後に副交感神経を稼働させなさい。
自然療法の知恵です。