葛飾区の令和7年度予算は、一般会計で2573億6000万円。
これに加えて、特別会計として以下のような巨額の予算が組まれています。
• 健康保険特別会計:488億5000万円
• 後期高齢者医療特別会計:121億7400万円
• 介護保険特別会計:472億7100万円
• 用地特別会計:2億9370万円
• 駐車場事業特別会計:7億700万円
合計すると、約3664億円。これは、私たち区民の生活に直結するお金です。保育、教育、福祉、医療、まちづくり、防災、交通安全――すべての分野に関わるこの予算を、誰がどう使うのかを決め、チェックするのが葛飾区議会40名の議員たちです。
議会での「発言」は、責任の証
議員の最も重要な仕事の一つが、議会や委員会での発言です。
発言を通じて、区民の声を届け、制度の課題を指摘し、改善を提案する。
それが、議員としての「責任の見える化」であり、区民との約束を果たす場でもあります。
しかし、実際にはどうでしょうか?
令和6年1月から令和7年9月までの議会・委員会などにおける累計発言数を、議事録検索で調べたところ、以下のような実態が見えてきました。
T議員 87件
I議員 101件
N議員 103件
O議員 161件
この数字は、1年9か月間の累計です。
月平均にすると、T議員は月に約4.6回、I議員は約5.6回しか発言していない計算になります。
これは、定例会・委員会を通じての発言数としては、極めて少ない部類に入ります。
※ほかの議員はこの倍以上の発言が数があります。会派による代表質問などを考慮しても非常に少ないのではないでしょうか?
なぜ発言が少ないのか?
もちろん、発言数だけで議員の活動をすべて評価することはできません。
しかし、議会は「話す場」であり、「問う場」であり、「提案する場」です。
発言が少ないということは、それだけ区民の声を届ける機会を逃しているとも言えます。
• 区民の生活課題に対して、どんな提案をしたのか?
• 行政の予算執行や制度運用に、どんなチェックをしたのか?
• 制度の隙間に取り残された人々の声を、どうすくい上げたのか?
これらの問いに対して、発言の少なさは、「何もしていないのでは?」という疑念を生みます。
次のアクション:区民ができること
私たち区民は、選挙のときだけでなく、日々の議会活動を見守る責任があります。
以下のようなアクションを通じて、議会の透明性を高め、区政をより良くする力になれます。
✅ 1. 議事録をチェックする
葛飾区議会の公式サイトでは、本会議・委員会の議事録が公開されています。
気になる議員の名前で検索し、どんな発言をしているか、何を提案しているかを確認しましょう。
✅ 2. 発言の少ない議員に直接問いかける
「なぜ発言が少ないのですか?」
「この制度の課題について、どんな提案をしていますか?」
SNSやメール、区政報告会などを通じて、議員に直接声を届けることができます。
✅ 3. 区民同士で情報を共有する
「この議員はこんな発言をしていた」「この制度の改善を提案していた」など、
議会の中身を“見える化”することが、区民の関心を高め、議員の活動を促す力になります。
✅ 4. 区民の声を政策に変える仕組みを広げる
制度の隙間に取り残される人がいないように、
現場の声をすくい上げ、制度改善につなげる仕組みを、議会とともに作っていきましょう。
最後に:沈黙は、無関心では済まされない
2573億円の予算をどう使うかは、私たちの暮らしに直結しています。
その使い道を決める議会で、発言しないことは、責任を果たしていないことと同義です。
議員は、区民の代表です。
その代表が、議会で何を語り、何を語らなかったのか――
それを見つめ、問いかけ、行動することが、私たち区民の力です。
