地震のこと~少しずつ、少しずつ~ | あなたのインナーボイスを解き放つボイスセラピスト/シンガー美音の日常

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マンツーマンのヒーリングや癒しのコンサートで、心と体を癒すセラピスト、美音(みおん)のブログ。美音式サウンドボイスヒーリング、タントリックヒーリングなどを行っています。前職は公務員。

ここ2週間の私の通勤路の風景です…


先々週から先週の6日間と、今週は5日間、オフィスを離れて、この町の罹災証明書発行の仕事をしています。

庁舎が使えないので、屋外の特設テントに発行ブースを設けて、罹災証明書を発行しています。

「判定結果は全壊です」
「半壊です」
「一部損壊です」

そんな宣告を1日中伝え続けます。

暗いうちから長い長い列ができ、丸1日分の700枚の整理券を9時前には配り終えてしまうような状況が続きました。

そんな大変な思いをして、それまでにも長いこと待たされて、やっと手に入れた証明書。

その判定結果に対する反応もさまざま。

もちろん、よい手厚い支援を受けるため、なるべく悪い判定結果を望む人がほとんどです。

そんな中でも、「一部損壊」の判定に、「被害が少ないということだからよかった」と喜んで受けとる方もいらっしゃれば、

「全壊」の判定に、「主人とここまで守ってきた大切な家なのに…全壊だなんて…」と、泣き崩れる方もいらっしゃる…

判定結果自体には、よいも悪いもなくて、そこに意味付けをして、喜んだり、怒ったり、悲しんだり、淡々と受け入れたり。

それぞれの事情や考え方や、情報や背景があって、罹災証明を渡すだけでもいろんなことが見えてきます。

新聞を読むと、証明書を発行したいくつかの家族のつらい体験が掲載されていたり。

あんまり深く考えずに発行すればいいんだけど、そのときは、忙しすぎて考えてないんだけど、ついつい、後からなんだかんだ想いを巡らせて、心が痛くなったりするんですよね(^_^;)

ついでにグチりますと、「あなた達が頭が悪いからこんなに発行が遅くなった」とか、面と向かって言われたりすることもありましてね(^_^;)

まあ、仕方ないんですけどね。やっぱりついつい心が乱れたりする訳なんですよね。


で、まるであの日から時が止まったような通勤路の風景にも心を痛めていたのですが、


でもね、気づいたんですよ。

この道路の歩道、数日前までは瓦礫があふれていて、通れなかったんです。

だけど今日は、歩道上の瓦礫はすべて撤去されていて、歩行者が安全に通れるようになっていました。

もしかしたら、私達が発行した罹災証明の効果で、瓦礫撤去も前に進み始めたのかもしれません。

少しずつ、少しずつ、確実に前に進んでいます。

昨日、今日と証明書発行の待ち時間もほとんどなくなりました。

少しずつ、だけど、確実に。前へ。