財政赤字の神話「書評」MMTと国民のための経済の誕生 | 「国家戦略特区」blog
新型コロナウイルスに関する情報について

「国家戦略特区」blog

ポスト・グローバリズムの社会を考察。日本を貧しくする移民=外国人労働者受入れ政策に警鐘を鳴らしています。

「ステファニー・ケルトン著の「財政赤字の神話:MMTと国民のための経済の誕生」が翻訳出版されましたのでアマゾンレビューをお届けします」

『MMTについて何も書かれていないMMT真髄本

 

消費税廃止&移民禁止の保守政党が必要です!とのお方は、発信力強化の為に以下のリンクをクリックにて、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

人気ブログランキング

 

 『赤字神話が書かれた背景』

 
 昨年来日講演を行いMMTブームを引き起こしたステファニー・ケルトンの最新刊が早くも翻訳出版されました。この本で面白いのは、MMTに関するマニアックな説明が一切ない点です。(MMTの本なのに!)ケルトンは、ワシントンDCで米民主党の経済顧問だったそうで、財政赤字の神話に怯える米議員の姿を見て、むしろ世論を喚起し、財政赤字の神話を打破する必要があると確信し本著を上梓したそうです。
 
 

 『政府は通貨の発行者である』

 
 財政赤字の神話を打破するロジックは単純明快です。政府は通貨の発行者だから、通貨の利用者である民間企業や一般家庭や地方自治体とは全く異なり破綻リスクが無いと簡潔に説明しています。米セサミストリートの人形劇を見て、間違い探しをする子供でも分かる簡単さです。政府は財政破綻『しない』のでは無く、財政破綻『できない』のです。
 
 

 『通貨主権という国家大権』

 
 政府が通貨の発行者として、その財源は尽きる事がないのですが、重要な前提条件があります。それは、変動為替制と自国通貨建ての国債を発行するという二つの条件です。この二つを持ち合わせた国をMMTは、通貨主権国家と呼んでいますが、実は世界中で通貨主権国家は多く有りません。米国、日本、英国、カナダ、オーストラリアなどで、ユーロに加盟するEU諸国は違います。ギリシャが財政破綻したのは、ユーロ加盟国だからです。通貨主権という国家大権の重要性が、今は見落とされています!
 

『インフレ率を財政規律に』

 
 政府が通貨の発行者なら、幾らでも通貨を発行して無税国家にすれば良いじゃ無いか!とか宣う自称経済評論家も出てくるかと思いますが、ケルトンはそれを瞬殺します。今までは、財政赤字の大小を目安に、財政規律を論じてきましたが、今後はインフレ率(おおよそ2%程度くらいか?)を目安に必要な財政政策を行うべきとの真っ当な主張です。財源に限度はありませんが、実物資源には制限があるという常識的な判断を示すのがMMTです。
 

『国の借金は利息の付く通貨』

 
 赤字神話に『借金は全額返すのが常識!だから増税も歳出削減も止む無し!』との恐怖プロパガンダがありますが、MMTは瞬時にそれを否定します。本著には詳しく説明されていませんが(MMTの核心なのに!)そもそも『貨幣とは負債』です。通貨の発行者である政府から見ると、通貨とは利息の無い負債、国債は利息の付く通貨に過ぎません。銀行預金で言えば、利息の付かない当座預金と、利息の付く定期預金の関係が、通貨と国債の関係です。しかも政府は国債の利息を任意に決められるのです!
 

『誰かの赤字は誰かの黒字』

 
 誰も否定できない大原則が『誰かの赤字は誰かの黒字』です。政府が赤字の場合、それは民間の黒字を意味します。MMTでは、政府の赤字が、民間の富と貯蓄を増やすと看破します。むしろ日本のバブルや、米国のITバブルの様に、財政黒字となり、国債の残高が減り始めると、その後、大規模な不景気が必ず訪れます。むしろ政府は財政赤字がノーマルで、財政黒字は、民間部門でバブル経済が発生している危険なサインなのです。
 

『政府+民間+海外=ゼロ』

 
 MMTの基礎となった思想に、政府部門と民間部門と海外部門の赤字と黒字を合計するとゼロになるという、非常にシンプルなモデルがあります。米国は、政府が赤字+民間が黒字+海外が黒字=ゼロ、日本は、政府が赤字+民間が黒字+海外が赤字=ゼロ、ドイツは、政府が黒字+民間が黒字+海外が赤字=ゼロです。ドイツが財政黒字で立派なのでは無く、単に海外から収奪しているだけだとわかります。しかしMMTでは、貿易赤字を大きな問題だと捉えていません。通貨を発行し、日本から自動車が買えるなら良いとの見解です。
 

『悲惨な米国の庶民の暮らし』

 
 この「財政赤字の神話」を読むと米国の庶民がいかに悲惨な状態かが分かります。MMTは経済成長を否定はしていませんが、重要視していない理由が、経済成長しても庶民が豊かになっていない点からです。特に福祉制度の未整備による悲惨さは、日本を遥かに上回ります。(コロナ死が多く出た理由も同じ)米議会は、財政赤字神話を理由に、支出を増やすことを拒んでいますが、通貨の供給者である政府の財源が尽きる事はありません。
 

『本当の赤字を解消しよう!』

 
 ケルトンは、本当に解消しなければいけない赤字として、福祉、教育、インフラ整備、環境問題などを挙げ、それを解決するために、通貨の発行者である政府は、躊躇なく財政出動すべきと主張しています。MMTという新しいレンズを通して世の中を見れば、「財源が無い」という言い訳は通用しなくなります。米国の場合、軍事費や富裕層への減税には躊躇無く財政出動するのだから庶民の為にも躊躇無く財政出動せよ!との主張です。
 

『真のネオリベ政策であるベーシックインカムの危険性』

 
 本著の解説は、MMTを全く理解せずベーシックインカムの財源として悪用する事を企む井上智洋さんが担当しています。ケルトンはブラック・ライブズ・マターなどで悪名高いアンティファなどとの関係があるリベラル派ですので、日本の保守系に多いMMT理解者に解説を頼めば、吊し上げにあうのを恐れたのかも知れません。しかし駒沢大学准教授でコロナ禍でも痛くも痒くもない井上さんに20万円配れ!との主張が私には全く理解不能です。本当に困っている方の被害を全額政府が負担すべきです。
 

『JGPは更なる検討が必要』

 
 MMTは、就業保証制度=JGPを完全雇用とインフレ抑制の切り札として提案していますが、本著を読む限り、リベラル派のケルトンの弱さが見えた・・・というのが正直な部分です。例えば、本著では、ハーレー・ダビッドソンの工場が閉鎖されてもJGPがあるから大丈夫!みたいな記述がありますが、アメリカ文化の一翼を担うハーレーの工場労働者の誇りが、簡単にJGPで代替え出来るとは思いません。ベーシックインカムに対し、働く事の社会的な意義を強調していたMMTとしては、余りに弱い主張です。恐らくハーレーの工場労働者よりJGPの方が、賃金が下がると思ったのですか、この部分も論理が雑です。
 

『赤字神話の打破と国民のための経済は全人類的なテーマ』

 
 MMTの難しい説明を全て省き、通貨主権を持つ政府は、通貨の発行者としての財政破綻せず財源は尽きる事が無い。財政規律はインフレ率であり、実物経済の制限を考慮して財政出動すれば良い。財政赤字は国民黒字で、財政黒字は民間経済の異常のサイン。国債は利息の付く通貨で、その金利は任意など、赤字神話に怯える人々に単純明快に恐怖症を解く、そのシンプルな主張は大いに共感しました。この単純明快なMMTが世間に広まり、国民のための経済が誕生することを、私も強く祈念します。
 

 

人気ブログランキング参加中。バナーを一日一度クリックすると人気ブログランキングのポイントに換算されます。皆様のご支援宜しくお願いします!

人気ブログランキング

 

 

「劇場版銀河鉄道999」

 

 

コメント欄ルール:ご批判を含め自由に議論して頂いて結構ですが、荒らし行為や罵詈雑言など「常識」を伴わないコメントについては適宜削除しますので、ご注意ご容赦下さい。