妻  「アナタ~!長浜よ!」

 

私  「????」

 

妻  「長浜へ行った時に、

     まつりの博物館へ行ったでしょう!」

 

私  「山車の上で、こども歌舞伎を

      するんだったなあ・・・」

 

妻  「その祭があるのよ!

          見に行くわよ!

 

    高山へも行きたいけれど

      遠すぎるのよ。

    

    長浜は近いわよ!」

 

ということで、4月13日土曜日に

  長浜へ日帰り旅行することに

    なりました。

 

  (高山は、からくり人形ですが、

    長浜は、子供が歌舞伎を演じます)

 

 

観光客が多いと思って、

       家を早く出ました。

 

JR京都駅で、長浜行の列車を待っていたところ

  偶然、JR西日本の豪華列車

    「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」

      が、ホーム入りするのに

        出くわしました。

 

 

料金は、25万~95万円、つあーによっては、

  それ以上するそうです。

 

  (私には、一生、乗車できない列車です・・・トホホ、嗚呼)

 

 

京都駅から1時間ほどで、長浜駅です。

 

  (途中、彦根に寄ったので、3時頃に着きました)

 

各曳山(山車)の提灯が迎えてくれました。

 

 

駅を出ると、春の伊吹山が、雄大に見えます。

 

街ブラして、5時半からの子ども狂言(歌舞伎)の開始を

  待つことにしました。

 

        能と狂言:室町時代に完成

 

             能は、面を付けて舞い、悲劇が多い

             狂言は、素顔で、庶民の笑い小芝居

 

        歌舞伎:江戸時代初期に生まれ、踊りと芝居

 

狂言(こども歌舞伎)をする山組(山車)は、12組あります。

 

  そのうち、毎年4組が、狂言を演じます。  

 

町中を歩いていると、大通寺へ向かう諫皷山の山組の

  巡行に出会いました。

 

 

狭い通りを、笛太鼓を奏でながらゆっくりと進んでいました。

 

 

囃子方も、こども中心で、女の子が多かったです。

 

    (こども狂言は、男子だからなのでしょう)

 

 

見事な彫り物の山車と見送り幕でした。

 

 

伊藤若冲風の鶏と、中国風の見送り幕でした。

 

 

5時半から、大通寺の山門(1830年)前で

  諫皷山(かんこざん)のこども狂言がありました。

 

    大通寺は、真宗大谷派で、1602年(慶長7)に

      徳川家康の許しを得て、創建されたそうです。    

 


 

諫皷山は、「諫皷鶏(閑古鳥)」のことで、

  中国の尭帝が、朝廷の門前に、太鼓を置いて

    政道が間違っていたら、庶民が太鼓を鳴らすように

     していたが、立派な政治をしていたので、

       誰も、太鼓を鳴らさなかったという故事から

         だそうです。

 

   平和で豊かな象徴だったのが、転じて

     客が来なくて暇な商売を「閑古鳥が鳴く」

       になったようです。

 

 

山車の屋根には、諫皷鶏の木彫があります。

 

   (見損ないました・・・トホホ、嗚呼)

 

 

長浜曳山まつりは、4月9日~17日まで、

         祭の様々な行事が続きます。

 

こども狂言は、13~16日まであり、

  15日は、全山が八幡宮に集合し、狂言を演じます。

 

    (15日以外は、各山の町で、狂言が行われます)

 

この日は、13日だったので、山組の町内で見ました。

 

  (狂言開催時間が、重なっていたので、

           諫皷山と春日山の狂言を見ました)

 

 

狂言をするこども役者たちが、山車に上がります。

 

5時半からですが、5時には、山門前へ行きました。

 

人でいっぱいかと思いきや、そうでもなく、

  前から3列目で並ぶことができました。


  (13日「十三日番」は、初演になります。

 

   昔ほどは、人出が少なくなっているようです。

 

   全山組が八幡宮に揃う、15日「本日」が

     一番の見せ場になっています。

 

   ゆえに、ゆっくりみるなら、12、14、16日が

     人出が少なくて、いいかもしれません。

 

   なお、こども狂言に出演するこども役者達の

     練り歩きが、14日夕方にあります)

 

 

最初に、全役者の顔見世、揃い踏みがありました。 

 

  (5時半からだったのですが、6時からに延期されました。

 

   立ったままだったで、嫌だなあと思っていたら

     祭の関係者の方々が、座り床几を持ってきてくれて

       助かりました!

 

   前の人は床几に座り(後ろの人が観やすくなる)、

     後ろの観客は、立ったままとなります。

 

   やはり、早めに行って待つのが

            イベント攻略法です!)  

 

 

目出度い三番叟の踊りからスタートです。

 

  三番叟の舞は、五穀豊穣を寿ぐ(ことほぐ)意味が

    あるそうです。

 

 

裃を着て、演じる狂言の口上が語られます。

 

 

演目は「名物団子嫁献立」でした。

 

 

一言で言うなら、団子屋の息子を嫁にとられて、嫉妬した

      「姑の嫁いびり」狂言です。

 

 

姑の嫁いびりを、たださんとして、

  息子の妹とその姑が、一計を画策します。

 

 

嫁いびりに耐えかねて、道行き、心中するという

  嘘の手紙を残して、琵琶湖へ向かいます。

 

 

嘘のつもりが、愛し合う二人が、本気になってしまいます。

 

 

そして、琵琶湖に身を投げてしまいます・・・そして・・・。

 

  (この海の垂れ幕が、夜景に映えて、とても美しく、

     近松心中もののような世界へ誘われます!)

 

   

 

この作品は、新作歌舞伎(水口一夫・作)ですので、

     ほとんど現代語で科白が語られます。

 

分かり易いだけでなく、何度も大爆笑が沸き起こりました!

 

目茶苦茶面白かったです!

 

 

見事な狂言です!。

 

小学生の男子の、拙い演技なのですが、

  逆に、ユーモラスな表現が重なり合い

     演じるものと見るものが

        一体感を醸し出しました。

 

また、小学生男子が、心中する男女を演じるギャップが、

  変なリアル感と色気を生み出す不思議な空間が

     ありました。

 

目茶苦茶面白かったです!

 

芝居が、庶民の娯楽であった事実を

  目の当たりにしました。

 

ユネスコ無形文化遺産になった理由が

  ホンマに分かりました!

 

素晴らしい長浜曳山まつりです。

 

超お勧めまつりです!

 

 

狂言の後は、出演者全員による「総踊り」です。

 

 

最後に、出演者全員による顔見世挨拶し、

      山車の後ろへ順に、下がっていきます。

 

 

陽が傾き、闇夜が広がる中で、演じられます。

 

 

何て素敵な時を過ごしたかと、感動しました。

 

日本の庶民芸能の豊かさを痛感しました。

 

 

感動、興奮、冷めやらず、次の駅前で演じられる

       「春日山」の狂言へ向かいました・・・つづく