みなさん、こんにちは。キラキラご訪問、ありがとうございます。

 

小学校で特別支援学級の担任をしています。 

また、特別支援教育コーディネーターも兼務しています。

わが家には息子が2人。兄は知的な遅れを伴う自閉症です。

 

障がいがあるお子さんや、その親御さんの気持ちに寄り添って

支援していきたいな ─── と思っています。

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【一言で、授業について行けないと言っても、原因は色々です。】

就学前通所施設には、いろいろあります。

保育所(公立)、保育園(私立)、幼稚園、認定子ども園、療育園

などなど…

でも、それぞれの施設には特徴(目的)があり、保護者としても

(わが子に合った所へ行かせたい)と言う思いは共通でしょう。

 

昔は、「のびのび育てたいなら、保育所。裸足保育を売りにして

いる所もあるよ…。」などと言う人もいました。

また、母親の就労支援が、入所条件の上位にのぼり、「母親が

働いていなければ預かれません。」は、常識になっています。

 

私の子が保育所に通っていた時には、トイレトレーニングと称し、

下半身は男児も女児もスッポンポンで、トレイン(前の子の肩や

腰に、後ろの子が手を置いて、5~6人が繋がって、教室からトイ

レ迄移動する光景)を見たことがありました。おおらかでした…

 

保育所に入所する前には、幼稚園の説明会に参加したこともあ

りました。

午前中は設定保育(授業のような活動)をしていて、午後からは、

園が主催する習い事の教室がオプションでありました。

(体操教室、プール水泳、ピアノレッスン、英語レッスン…など)

 

(何かに特化して、わが子の能力(才能)を伸ばしたい)…そう言

う思いが強いのなら、幼稚園に行かせた方がよいのでは…。

そんな助言を聞いたこともありました。

 

 

このように各施設では、子育ての方針について、割とはっきりとし

た違いがあり、その方針に対して保護者は、納得がいかなくても

我慢して行かせるか、それが嫌なら、別の施設に行かせるかの

二者択一しかありません。

何故なら、一利用者が施設側への申し入れをしたところで、方針

が変わることなど、まずないからです。

(これがウチの方針です。嫌なら、やめてもらっていいんですよ…。)

です。

それは、需要と供給の関係で、日本各地で待機児童が大勢出る

程、受け入れ側が少ないために、利用者側は、弱い立場になり、

行きたい施設に子どもを預けることができず、母親は働きにも行

けない…そんなニュースが連日、マスコミが報道するような、大き

な社会現象になっていますね。

 

その結果、保育・教育の方針は施設に任せるしかなく、通えるだ

けでもありがたい…と思わざるを得なくなりました。

どこぞの就学前通所施設に通うことができれば、それで安心か

と言えば、また新たな課題も出てきています。

 

それは小学校に上がり、1年生になってすぐに見えてきます。

【この二つのよく似た字について、何か知っている人はいますか?】

 

 

 

ひらがなやカタカナ、数字は小学校1年生で習います。だから、

習う迄は読めなくてもいい…。小学校へ上がったら、先生が教え

てくれる…だから安心と、思っておられる親御さんがいらっしゃ

います。

 

一方、「小学校で文字を習う時に、遅れをとってはいけない。」と、

ある幼稚園で早期(3才頃からぼちぼち)教え始めて、家庭でも、

保護者の宿題のように、家での練習を求めるところがありました。

 

(私は幼稚園や保育所を訪問し、小学校との連携を17~18年前

から行っているので、いろんな施設の方針を見て来ました。)

 

このような例は極端なケースではありますが、結果として、小学

校にあがる頃には、短い作文ぐらいなら書けるようになる子が

クラスの半分くらいはいたのです。

 

この保護者の意識の差や、保育所、幼稚園の指導方針のちがい

が、子ども達のレベルに大きな差を生み、後に大変なことになる

場合があるのです。

実際に小学校の1年生の1学期に起こった例を紹介します。

 

 

 

【幼稚園で練られてきたある子の場合】

 

 

 

【そうですね。では、他に何か知っている人はいませんか?】

 

 

 

【細かいところ迄、指導されてきた様子がうかがえます。】

 

 

 

【ちょっと知っていると思って、調子にのりやがって…】

 

 

 

【自分の名前とか、いくつかは読めるんだけれど、後は分からん。】

 

 

 

小学校の就学時健康診断や、入学説明会では、「できれば、自

分の名前が読めるようにしておいてください。自分の靴箱やロッ

カーの場所が、分からないと困りますので。」と言われました。

だから、自分の名前だけは、一応、読めるだけでなく、書けるよ

うに家で特訓しました。でも、それだけでは足りなかったのでしょ

うか?(あるお母さんの声より)

 

 

 

小学校に上がってから、毎日2文字のペースで「ひらがな」を習い

ます。今日習う2文字ぐらいは何とかこなせるのですが、昨日迄

に習ったいくつかの「ひらがな」がどんどん記憶から消えていくよ

うです。

数日前にならった「ひらがな」を覚えていない子ども達は1クラス

に数名います。(支援級、普通級関係なく)

これ迄の経験から想像すると…

定型発達のお子さんでも、「ひらがな」がなかなか覚えられない、

また覚えても定着せず、数日後には忘れてしまうタイプの人達

がいると感じています。

 

・ 言葉は、ペラペラしゃべれても、文字に興味がもてない子ども

達がいます。(しゃべれるけれど、文字が書けない児童です。)

・ 学校でならったひらがな(文字)を、学校以外で使う場があまり

ない子ども達(宿題のプリントをしてこないことが多い児童です。)

・ 「文字を覚えるのは、書いて覚えるのが基本だ。」と、本人のキ

ャパ以上の書く練習を強いられて、文字→書く→嫌な物…と言う

連鎖が出来上がっている子ども達がいます。

 

 

 

[学習活動の停滞を察知し、忍び寄ってきた支援級担任の先生]

 

 

 

この時の子どもと支援級担任の関係は、あまりよくありません。

学級担任が出した課題を、解決に向かって進めているかどうか

の偵察にきた「学級担任の手下(てした)」と言う風に思われてい

るようです。

 

 

 

本人なりに一生懸命頑張って、ひらがな練習をしても、頭に残り

にくい。それは、特定の文字ではなく、多くのひらがなについても

言える。

ひょっとしたら、調べていないので分からないのですが…

定型発達のお子さんではないのかもしれません。

 

 

 

もし、そうなら定型の子と同じ指導をさせるのは「ムリ。」…って言

うのは、本当のことかもしれません。

 

 

 

そのような時には、視覚支援資料教材を使ってみるのも一つの

選択肢です。

「る」はルーレットの玉がある…みたいな。

 

 

 

 

 

 

「ろ」は、ロバ君を思い出すような工夫をするとか…

 

 

 

これには、ルールがありません。その子が興味をもつものなどを

利用し、文字に対する関心を高めることができれば、何でもいい

と考えています。

 

 

 

例えば…

広東料理の「ハマムラ」とか、

 

「へのへのもへじ」とか、

 

「つるニハ。。ムし」とか、

 

「かわいいコックさん」とか…

 

絵描き歌や絵描き遊びなど、何でも取り入れて、興味をもつきっ

かけになるものがないか、いろいろ探してみる必要があります。

そしてもし、関心をもってもらえるものが見つかれば、読んだり書

いたり意味を覚えたりできるチャンスが広がります。

 

つまり、「文字」と「音(おん)」と、「意味」の紐づけがされていれ

ば、思い出すのに苦労が減るので、思い出しやすいのです。

「たくさん書いて覚える」のが苦手なお子さんには、また別の方法

も試してみる価値がありそうですね。

(You Tubeなどの視覚的な支援学習教材、ひらがな数え歌など

の聴覚支援学習教材、文字なぞりゲームのような遊びを取り入

れた電子教具など)

 

あらゆる手立てを講じて、文字嫌い、本嫌い、読解力の低下が

避けられたらいいなぁ…と思っています。

 

あっ、最後に誤解のないようにお願いしたいのですが…

 

私は早期教育を肯定も否定もしていません。

 

早期教育がその子にとって楽しみの一つになるのであれば、

それはそれで値打ちのあることだと思います。

 

でも、半ば強引に親が進められているのであれば、嫌な印象を

植え付けてしまう恐れがあると感じています。

 

人には個別の臨界期(その子が学習するのに一番効果的な時

期)があり、それは、何才何カ月と言うものではなく、その子が

(やってみたい。続けられそう!)と本気で思った時が臨界期だ

と考えています。

それより早すぎても、遅すぎてもあまりよい効果が期待できない

ので、本人が(やりたい)と心から思えるような「出合わせ方」が

できればいいなぁ…と考えてています。

 

わが子の小さい時を振り返ってみると…

経済的な問題も大有りなのですが、勧めるのではなく、いろい

ろな習い事の紹介は、機会あるごとにさりげなくしてきたなぁ…

と言う気がします。

 

 

最後迄おつき合いいただき、ありがとうございました。