夏が来る!

プール、海、川遊びとイベント盛りだくさんの季節はもうそこまできています。そんな季節はやっぱりダイバーズ・ウォッチ。

アウトドアなら気兼ねなく使えてなおかつ本格的な防水性能を持っていてもらわないと困ります。

そんなシーンで圧倒的な存在感を誇るのが、セイコー・ダイバーズである事は間違いないでしょう。

“PADI Turtle” SBDY017 / SEIKO PROSPEX 


Ref:SBDY017 / SRPA21 
ケース径:45.0mm
ケース厚:13.4mm
重量:198g
ケース素材:ステンレス・スティール
風防:ハードレックス・ガラス
裏蓋:ステンレス・スティール
ベルト素材:ステンレス・スティール
バックル:三つ折式Dバックル
防水性:200m 潜水用防水
価格:61,000円(税抜)

私の大好きな1970年代の香り立つ流線型ケースです。海外ではタートル(亀)の愛称で親しまれる、セイコー・ダイバーズの代表格。確かに丸みのあるケースデザインが亀っぽいですね。

綺麗なサンレイ仕上げのブルーダイアルに、ダイバーズ・ウォッチらしいドット・インデックスを配し、太めの分針は赤く塗り分けられるなど視認性に優れたデザインです。

もちろんインデックスと針には夜光塗料が乗っており、海中でも判読可能。

逆回転防止ベゼルは紺と赤のツートン仕様で、これが見た目上の大きな特徴にもなっています。全体として爽やかでポップなイメージのデザインは夏らしくて良いですね。

手首への干渉を避けるため、4時位置にリューズがあるというのもデザイン上のアクセントになっていて面白い部分です。


この美しいサンレイ・ダイアルはPADI(世界最大のスクーバ・ダイビング教育機関)とのコラボレーションモデルであるSBDY017専用のダイアルです(青と赤のカラーはPADIのイメージカラー)。

ケースやブレスレットの出来に目を移すと、流石に高級機には見劣りします。特にブレスレットに関してはサテン仕上げの甘さ(映り込み)やクラスプのチープさが目立ちます。

ただし定価6万円ちょっとですから、ケース外の部分にまで多くを求めるべき時計ではありません。

パッケージとしての最大の難点は45 x 13.4mmというサイズ感。流石に45mm径は大き過ぎます。少なくとも私には完全に無理なサイズです。

また200g近い重量もかなりの負担になります。もちろん海中では問題ありませんけど、多くのユーザーは陸上で使いますからね。

<Cal 4R36 / SEIKO>

出典:セイコー テクニカルガイド

型番:4R36
ベース:-
巻上方式:自動巻
直径:27.4mm
厚さ:5.32mm
振動:21,600vph
石数:24石
機能:センター3針デイデイト
精度:日差 -35/+45秒
PR:41時間

ムーブメントは自社製の4R36を搭載。低価格帯の機械ですが、秒針停止手巻き機能付きなのは安心材料です。

しかし21,600振動/時というロービートにもかかわらず41時間しかパワーリザーブがなかったり、5.3mmもの厚さがあったりと、ちょっと残念な部分も多いです。

さらに精度が日差-35/+45秒という鷹揚さも物足りませんし、緩急装置も昔ながらの緩急針です。

1.5万円セイコー5なら文句もありませんが、似たような価格帯のハミルトン(#50参照)のH-10などと比べると、性能的にはかなり劣ると言わざるを得ません。

もちろんタートル潜水用防水機能という付加価値があるので、その点は考慮しないといけませんが、ムーブメントに関しては完全自社製という以外に特筆すべき点はありません(それだけでも凄いんですけどね)。


この時計の魅力は

・レトロかつポップなデザイン
・本格的な潜水用防水性能
・手の届く価格

に尽きると思います。
まさに真夏のレジャーに打ってつけといえる名作であり、それを口実に買ってしまいたいモデルです。

ブレスレットは今ひとつなので、潔くラバーベルトやNATOストラップに交換して遊ぶのが良いと思います。

と、思ったら社外品のジュビリーブレスがありました。無垢ブレスでクラスプも結構ちゃんとしてそうです(しかも複数展開)。

ヤフーショップだと2万円くらいしますが、フラッシュフィットも綺麗に収まっており、かなり良さげ。安くはありませんが、これを装備すればレベルが1段階上がりそうです。



Komodo 300m Automatic / HELM

Ref:-
ケース径:40.0mm
ケース厚:15.5mm
重量:220g
ケース素材:ステンレス・スティール 316L
風防:サファイア・クリスタル
裏蓋:ステンレス・スティール 316L
ベルト素材:ステンレス・スティール 316L
バックル:三つ折式Dバックル
防水性:300m (ISO 6425:2018 認証)
価格:$285 (+ $30 shipping)

このヘルム(HELM)という会社、時計好きの間でも然程知られていないのではないかと思いますが、2014年に創業したばかりのアメリカの会社です。

“堅牢性・信頼性に優れた手の届く価格のアドベンチャー・ウォッチを作る”事をブランド理念とする、気鋭のブランド。そのダイバーズ・ウォッチであるコモドが凄いんです。

上記スペックの通り、殆ど全ての項目においてタートルを上回っています。

316Lステンレスを使用し、サファイア・クリスタル風防を備え、ISO認証を受けた300m潜水防水性能を誇りながら送料込みで3万ちょっとです。

いや、凄すぎるでしょコレ。
考えられないバリューの高さですよ。


ダイアルデザインも、伝統的なダイバーズ然としていながら、日付窓をドット・インデックスのように見せる視覚効果は面白いです。

ダイアル仕上げはマットで高級感こそありませんが、スポーティなタッチで、時計のキャラクターにマッチしています。

夜光塗料たっぷりのインデックスと時分針は太くデザインする事で、ダイビング中の可読性を確保しています。

難点を挙げるなら、15.5mmというとんでもない厚さです。40mm径はタートルに比べて遥かに扱いやすいサイズですが、この厚みはちょっとあり得ないレベルです。

このため、ブレスレットを入れると220gという重量級。タートル(198g)も相当重いですが、200gを超えると最早修行になります。


型番:SEIKO NH35
ベース:-
巻上方式:自動巻
直径:27.4mm
厚さ:5.32mm
振動:21,600vph
石数:24石
機能:センター3針デイト
精度:日差 -20/+40秒
PR:40時間

搭載する機械はセイコー製。セイコー製品では4R35という名前で使われていますが、外販する際にはNH35の名が与えられます。

4R35はタートルの4R36と多くを共有するキャリバーですが、タートルにあった曜日表示がないのが、こちらの機械です。

公称日差がコモドの方が随分良いですが、何故でしょうね。実際は同程度の精度だと思いますが、セイコーが真面目すぎるんじゃないかと推察しています。(それとも、この価格で調整までしているのか?)

いずれにせよ、ヘルムはムーブメントまで自社製という訳ではなく、セイコーのキャリバーを採用しています。

NH35は数万円の時計に使われる事が多い機械ですから、まさにコモドに搭載されるべきクラスのムーブメントだと言えるでしょう。

装飾はおろかローターにロゴを入れる事もしていないので完全にポン載せだと思われます。コモドは本気のダイバーズですから、当然裏蓋はソリッドなので、キャリバーの審美性など関係ありません。

<白文字盤のバリエーション>

バリューという観点からは恐ろしく質の高い時計ですが、どうしてもこの厚さと重さがネックになります。

重さに関しては、付属するナイロン・ストラップに着せ替えれば115gにはなりますが、今度はケースとストラップの重量バランスが崩れるので、装着感が悪化するでしょう。

また正面からの表情は良いのですが、ケースが分厚いだけでなく寸胴で、俯瞰すると重鈍な印象になってしまっている点もマイナスポイント。

物凄く興味を惹かれるものの、個人的には一旦実物を見てみたいという気持ちが強いです。真のコレクターなら、これくらい勉強代と考えて注文するのかも知れませんが。