帰宅願望-帰りたい『家』ってどこの家? | あなたに,も一度恋をする

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ありがとうございます。

前記事はコチラで、その続編になります。

 

 

 

 

母が決まって夕方5時に

施設から逃亡を企てる帰宅願望。

何気ない会話から、

原因が早くに気づけてよかったと思っています。

 

その後も母のロングショートスティは

2年半続き、

毎月4泊5日の自宅への帰宅を

繰り返していました。
(介護保険上、ロングショートステイの連続使用は

最長は30日<28泊>までと決まっているため

、一旦退所という形をとらなければならないため。

また母の介護度の支給限度額内に収めるためには

連続25日以内の連泊までに収めなければならない)

 

母を家に連れ帰った時に、

母はここがどこの家かわからず、

何度も「ここは誰の家?」

「旅館なの?」

「よその家に泊まるなんていやだわ。」

と嫌がるので、

その度にココは自宅だと説明するのですが、

アルツハイマー型認知症のためなのか、

理解が出来ず、

ようやく判ってもらえたと思うと、

5分で忘れてしまう。

そして繰り返される質問。

 

そのため、ある時、

母が寝ているベッドから見える壁に、

 

「ここは自宅です。

住所は●●市●●町●丁●番地

お母さんの家です。

旅館ではありません。」

 

と太い油性マジックで書いた紙を

貼っておきました。

母から質問がある度に、

「アレ、読んでみて!」と指さし、

母は声を出して読む。

そしてまた5分後に同じ事を聞いてくる。

そしてまた私は紙に指さして

「アレを読んでみて!」と言っては、

母に声を出して読ませる。

 

エンドレスになるやり取りですが、

貼り紙をした事で、

説明するよりも、ずっと楽になりました。

 

こうして母を帰宅させても、

「家に帰りましょうよ。」

を繰り返し、止まない帰宅願望。

 

その原因は認知機能の低下だから、

家と判らないのだと思っていました。

(もちろん、それもあるでしょうが…。)

 

ところがある日、

母が帰りたい場所、

それは遠い記憶のなかの

幸せだったあの頃、

誰かに守られていたあの頃

その時代に母は戻りたいのだと気づくのでした。

 

(長くなりますので、続きは次の記事で。)