みんなで学ぼう会の高橋です。

安倍元総理が暗殺されてから10日がたちました。

犯人の山上容疑者の動機や人生についても徐々に明らかになりつつあります。

ネットを見ると、単独犯ではないとういような情報もたくさんあります。

それらの一つ一つの真偽は分かりませんが、公開情報だけを見ても、山上容疑者の単独犯であったとしても、不自然ではないと思います。

なぜなら、人は貧しさと孤立化により、とんでもない方向に行ってしまうことがあるのです。

幼少期に父親は自殺し、兄は小児がんで抗がん剤により失明し、母親は統一教会にはまり夫の保険金・自宅売却など原資に一億円もの献金をし家庭は崩壊し、自衛隊時代は兄妹に死亡保険金を渡すために自殺未遂し、その後相談相手であった兄も自殺し、派遣労働者として働くも、職場のトラブルで辞め、さらに孤立する。その絶望感たるや、人を狂わせるのに余りあると言えるでしょう。

山上容疑者の兄弟たちの生活を支援していた伯父によると、頭脳明晰で家庭が正常なら京大に入っていたというほどですから、銃を自作するのは容易いでしょう。

 

 

 

この間、日本は長期によるデフレ経済のため、実質賃金は低下し、貧困化が加速していった時代背景があります。

労働者派遣法が改正され、非正規雇用が激増し、年収が低く結婚もできない若者があふれています。この様な状況で、貧困化と孤立化が進みジョーカーが出現することは、容易に想像できます。

かつての戦後の貧困と今の貧困は質が全く違います。戦後の貧困は、インフレ経済での貧困であり、物価高も需要けん引型であり、物価だけでなく所得も右肩上がりの時代でした。貧しさの中にも人々の繋がりは深く、孤立しにくい社会でした。

現代日本の貧困は、デフレ経済での貧困で、物価の下落以上に所得が減ってしまっています。最近はコストプッシュ型の物価高も起きてしまってもいます。人々の繋がりは浅くなり、容易に孤立する社会になっています。自己責任論がまん延し、貧しいのはその人の責任、助ける必要はないとの考えが社会的多数派です。いや、そのような余裕のある人もいなくっているのでしょう。現代の貧困はデラシネ(根なし草)の貧困なのです。

 

今回の山上容疑者を起こした事件は、弁護の余地はありませんが、誤解を恐れずに言えば、今回に限った特異な事件なのではなく、日本社会の時代背景が山上容疑者の様なジョーカーを生み出したと思います。

なので、今後も日本の貧困化と人々の分断と孤立化が進めば、対象は政治家だけでなく一般人にも向けられたテロが生まれるでしょう。

 

 

では、どうすればいいのか・・・考察を続けます。