米ロ関係の急展開は我が国にとって朗報だ☆ | 岐路に立つ日本を考える

岐路に立つ日本を考える

 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 米ロ関係が急激に動き出しました。アメリカのケリー国務長官は訪露し、ロシアのラブロフ外務大臣に続きプーチン大統領とも会談を行いました。今回の会談は経済制裁に苦しむロシア側から求めたものではなく、アメリカ側から強く求めたものだったということを、ロシア大統領補佐官のウシャコフ氏が述べています。合計8時間以上といいますから、いったいどういう風の吹き回しなのかと言いたくもなります。

 ケリー国務長官は、ミンスク和平合意を破っているのは東部の親ロ派だけでなくウクライナもそうであることを認め、ウクライナ政府に圧力をかけると約束したといいますから、なおびっくりです。ウクライナのポロシェンコ大統領が、現在親ロ派の管理下にあるウクライナ東部のドネツィク空港を取り戻すと発言したことについても、ケリー国務長官は、「軍事作戦を急ぐ前に、まずは考えるよう、ポロシェンコ大統領に提案」する旨を伝え、「(ウクライナによる軍事作戦が始まれば)ミンスク和平合意は「深刻な脅威」にさらされる」と述べたそうですから、アメリカの豹変ぶりにはただただ驚くばかりです。

 こうした結果を受け、ケリー国務長官との会談についてラブロフ外務大臣は「ロシアと米国は、両国関係に長期的な害を及ぼし得るような措置を避ける必要があるとの点で意見が一致」し、「ロ米両政府は、ソチでの交渉において、プロセスが活性化し、できる限りそれが加速化するよう、あらゆることをする事で合意した」ことを伝え、「素晴らしかった」「交渉は『奇跡的』になされた」と高く評価しました。

 ウクライナのポロシェンコ大統領はこの動きに反発を見せ、ミンスク合意を「偽りの平和」だとした上で、「血の最後の一滴が流されるまで戦う」と述べたようですが、実際上の力は持ちえないでしょう。ドイツのメルケル首相は「ミンスク合意はウクライナにおける平和プロセスの基礎であり、これに代わるものはない」と述べていますし、フランスのオランド大統領も「ミンスク合意はウクライナ危機から脱する最良の方法」と述べており、ポロシェンコ大統領を支持してくれる西側諸国はもはや皆無だからです。アメリカに裏切られて、ウクライナは完全にはしごを外されました。

 ケリー国務長官は「ミンスク和平合意が完全に履行されれば、アメリカとEUによる対ロシア制裁の解除が開始される」との見通しを示しました。これは対ロ制裁解除の地ならしで、近々解除されるという見通しだと見てよいだろうと思います。

 さて、アメリカはなぜここまで豹変したのでしょうか。アメリカにとっての真の敵が中国であることにようやく気がついたということではないかと思います。これは我が国にとって望ましい環境がようやく整ってきたということになります。

 日本の対露関係の改善にはアメリカがこれまでは横やりを入れてきましたが、今後は黙認する姿勢に転換するものと思われます。ここで北方領土問題を解決させて日露関係を強化し、ロシアを対中包囲網に参加させる方向に動くことができれば、我が国の安全保障はかなり強化されると考えられます。

 いい流れができてきたことを、素直に喜びたいと思います。


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