対外情報工作を、我が国は抜本的に強化せよ! | 岐路に立つ日本を考える

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 私は日本を世界に誇ることのできる素晴らしい国だと思っていますが、残念ながらこの思いはまだ多くの国民の共通の考えとはなっていないようです。
 日本の抱えている問題について自分なりの見解を表明しながら、この思いを広げていきたいと思っています。


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 欧州議会で、「中国共産党政府に対し、良心の囚人、宗教信仰者、少数民族の人々からの生体臓器摘出の停止を求める」決議案が採択されたのはご存知でしょうか。臓器移植の希望者がいると、適合する臓器を持っている政治犯を見つけ出し、生きている政治犯から臓器を摘出して移植希望者に売り渡す(つまり、政治犯は殺される)というビジネスを、中国政府が関わる形で行ってきたことに対して、欧州議会がそれは許されないと声を上げたというわけです。

 この欧州の勇気は当然讃えられるべきものですし、日本の国会も後に続くべきものだと考えます。さらに米国議会など、諸外国の議会においても同様の決議が採択されるように、日本は当然働きかけを行うべきだとも思います。

 ところでこの件について、日本の主要マスコミはどのような報道を行ったでしょうか。いつものことながら、全く報道しておりません。当然ながら、このような話を日本のマスコミがキャッチしていないということは考えられませんから、キャッチしながら意図的に報道しなかったと考えるべきでしょう。

 ただ、このマスコミによる報道無視が日本国内においてだけであるならいつものことだとも思えるのですが、どうもこの報道無視は、欧米の主要マスコミにおいても同様であるように感じられるのです。といいますのも、 Google においてこの件に関して “EU, China, organ” で検索をかけてみましても、欧米の主要マスコミがまともに報道している形跡が見当たらないのです。

 私の書いているこのネタ自体がガセであるわけではありません。欧州議会自体がこの決議をネット上に載せています。
欧州議会の決議

 では、なぜ欧米の主要マスコミまでもがこぞってこのような重大ニュースを報道しないのでしょうか。もちろん報道に関わっていない私のような人間には正確な背景など知る由もありません。ただ、中国政府が持つ主要マスコミに対する影響力は、日本においてのみならず、欧米においても非常に大きなものとなっていることが、この件を通じて察知できるのではないでしょうか。

 日本人には「人のふり見て我がふり直せ」ということわざがあるように、ひとのことにあれこれと干渉することをよしとしない一方で、自分のことには厳しい目を向けていくという姿勢があるように思います。自虐史観の根底にもこの姿勢が影響を及ぼしているとも思いますが、日本人のこのあり方は対外情報工作といった観点でも決定的な弱さを発揮しているのではないでしょうか。この点では伝統的に計略に長けている中国人とはまさに対照的なのではないかと思います。

 我が国の政府は、遅ればせながら、中国を封じ込めるための外交政策を本格的に展開するようになりましたが、それでも恐らくは外国政府のみ、しかも行政府のみを相手にしているだけではないかとの懸念があります。十分な議会工作やマスコミ工作を行ったりするところまでは手が伸ばせていないのが実際ではないかと思います。

 もちろんこれが私の杞憂であればよいのですが、もし仮にそこまでの影響力を行使できるだけの力を日本がつけているのであれば、日本独自の外交に関する情報収集能力がここまでお粗末であるという状態にはなっていないと思うわけです。

 日本的な美徳とは反するところがありますが、このような状況にあることに日本の政治家は危機感を感じて、対外工作活動を抜本的に強化すべきだという意見にご賛同いただける方は、ブログランキングへの投票をお願いいたします。


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 なお、私がこのニュースを知ったのは、中国の反体制派がニューヨークに作ったテレビ局の新唐人テレビを見たためです。よければ、ご覧下さい。




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PS 皆さんは北野幸伯氏のことをご存知でしょうか。北野氏は「(ソ連の)外交官およびKGB要員養成所」とも呼ばれていた、ソ連外務省付属のモスクワ国際関係大学国際関係学部に留学して卒業し、カルムイキヤ自治共和国の大統領顧問としての仕事もされた、まさにスーパーマンです。現在も日本の自立を願って、カリスマ的なメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」を発行されています。

 この北野氏が最近「日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら」(集英社インターナショナル)を出版されました。プーチンが日本にやってきて、日本の政治家の指南役になったら、どんなことをアドバイスするかというのを、物語仕立てにして読みやすく書かれたものです。

 「日本は自立を目指すべきだが、孤立してはいけない」というのがこの本の基本メッセージですが、その主張の根底にあるのは、私見では確かなリアリズムだと思います。とても読みやすい本ですから、さらさらと流れてしまいがちですが、この本の通底に流れているリアリズムというものがどういうものかという問題意識を持って読んでいくようにすると、北野氏のメッセージがなおくっきりと理解できるのではないかと思います。

 ぜひ手に取ってみていただきたいと思います。なお、アマゾンの販売サイトは以下です。
「日本自立のためのプーチン最強講義」


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