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九州から東京へ引っ越してきた両親。
これまでいろんな事がありましたが、
ついに二人のケアハウスでの生活が始まりました。
前回のお話はこちら
両親のケアハウスを訪ねてから数日後、父から電話がありました。
二人の新しい保険証が九州から届いたとのことでした。
両親が暮らす施設、ケアハウスは、住所地特例の対象施設。
このような施設に引っ越した場合は、以前の住所地が発行する保険証を使用することになります。
保険者は九州の自治体のまま継続ですが、発行された保険証は両親の新しい住所に書き変わっています。
父
「これで保険証は大丈夫だ」
私
「そうだね、じゃあ
これでお母さんの
身分証が一つできたから
銀行の手続きすすめるよ」
父
「ああ、そうしてくれ」
私
「出て来てないんだよね…?」
父
「ああ、見つからんな…」
部屋のどこかにあるのではないかと思うのですが…。
父も同じように思っているようでしたが、母がどこにしまったのか全く想像がつかず、探すのも疲れたようでした。
前回ケアハウスを訪ねた時に銀行カード類の紛失がわかり、その日に銀行には紛失の連絡をしました。
なので、この手続きが完了するまでは、母の口座から現金を引き出すことはできません。
私
「当面のお金、大丈夫?」
父
「ああ、
こっちに来る前に
まとめて現金を
下ろして来たから
しばらく大丈夫だ」
私
「お金足りなくなったら
下ろして持っていくから」
父
「まあ、ここにいたら
たいしてお金を
使うこともないな。
たまに近くの
ドラッグストアで
おやつ買うぐらいで…
ああ、そうだ!」
父は何か思い出して話し続けました。
父
「買って来て欲しいものが
いろいろある!」
私
「そうなの?」
父
「ああ、まずな
ここはスリッパがダメだから
食堂に行く時の室内履きがいる」
私
「ああ…、たしかに。
他の人、ズックみたいなの
履いてたね」
↑こんなのを履いてる方を数人見かけました
父
「それがないから、
ずっと施設のスリッパを
借りっぱなしだ
そろそろ返さないと」
なるほど。
これはネット通販で買えそうです。
私
「わかった、
探してみるね」
父
「それとな、物干し竿!」
私
「ああ、それも
確かに、ベランダに
ついてなかったね」
父
「こういうのは
ジャパネットにないだろ」
父は「ジャパネットたかた」がお気に入り。
父のようにネットが使えない世代には、テレビや折込チラシの通販がやはり人気のようです。
私
「わかった、
それも探しておくよ
…ところで…」
私は母のことが気になったので、その後の様子を聞いてみました。
私
「お母さん、調子どう?」
父
「うん、今寝てる」
私
「寝てる??」
お昼前、11時ごろでしたが、この時間に寝てる…?
父
「九州にいた時から
朝ごはん食べたら
また寝る」
私
「え!!
毎日そんな感じなの?」
父
「まあ、だいたいそうだ…
昼ごはんの頃に起きて
昼食べたらまたゴロゴロする」
私
「それじゃますます
認知症進んじゃうじゃん!」
父
「昼のあとは、
寝るっていうか
横になってるだけで
話はしてる」
私
「それじゃ体力も
落ちゃうじゃん!」
父
「まあ、そうだけどな
昨日は起きて何かやってたぞ」
母は毎日昼間も横になりたいらしく、以前に比べて座っている時間がかなり減っているようです。
私
「なるべく、昼間は
起きて活動した方が
いいんじゃないかな」
父
「そうだけどな…
起きてるとまた
九州に帰るって
騒ぐだろ…」
私
「……」
父
「昨日もなぁ…
なんかまた
ありもしない事を
言い出してな
大変だったんだ…」
どうやらまた母の妄想が膨らんだようで、昨日は母を説得するのに大変だったというのです。
父
「昨日もまた
一人で九州に帰るって
騒ぎ出してな…」
母の妄想の世界では、九州でいろんなことが起きているようなのでした。
母の頭の中でどんな事件が起きているのか…。
父は話し続けました。
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