このタイトルを見て20年ほど前、当時やっていたHPに初恋のことについて書いたのを思い出しました。
1-1、いちのいち。そのクラスはまるで青春ドラマみたいに仲が良かった。
そして、御徒町淳子(仮名)もその中にいた。
めちゃめちゃ話の面白い子。
今思うと、その子に対して「かわいい」という感覚は無かったような気がする。
とにかく話をしてて楽しい、という感じ。
その後卒業アルバムを見て、「げっ!こんなにかわいかったのかぁ」なんて思ったりしたけどね。
けっこうどきまぎしてたのが、ばぁ~っとおしゃべりしてたのをふっと止めて、じぃ~~っとこっちを見たりするとき。
またすぐに会話は続いていくんだけど。
ある日。御徒町の友達がやってきた。
「御徒町と交換日記する気ない?」
なんの前振りもない、唐突な持ち掛け。どう答えたっけなあ。
結論からいうと、実現しなかった。
たぶん、照れくささの方がまさっていた・・・というか、
その頃の日記を見ても触れられてなく、悩んだ形跡もない。
まだこういうことにピンと来てないガキンチョだったのかな?
1-1の最後、終業式の日。テープレコーダーを持っていった。
最高だったクラスの記念のために。
御徒町記念か?どうだったかなあ・・・まあ、そうだったよね。
いろんな人の声を録った。もちろん、御徒町もいた。
「通知票見せて」「見せない」とか、他愛もない内容。
そして、テープには例の「じぃ~~」っとしてるときの「間」も残された。
「後で聞かせてね。」
起立!との声に混ざって、そういう声も入っていた。
結局、聞かせることはなかったけど。
そして、中2の春。
好きになった子とは同じクラスになれない。そういうもんだ。
そしてしばし、姿を見なかった。小学校のときに好きだった子が転校して
いっちゃったばかりだということもあって、不安になった。
ようやく見たのは、学年最初の集合か何かの体育館。
ふたつばかり向こうのクラスの列に入っていく御徒町をみつけた。
その瞬間、胸がキュンと鳴った。
正確に言えば、
きゅうううぅん
って感じだったろうか?
単に好きという感覚だけなら幼稚園の頃から覚えがあったけど、
やはりこの、
きゅうううぅん
は別格だ。
だから、断言する。
これが初恋。
その後、一言も言葉を交わすことはなかった。
そして、別々の高校に進んだ。
X X X X X X X X X X X X X X
10数年後、家からの電話。
「ゆきこ(注:いとこ=仮名)んちの隣に新婚さんが引越してきて、
そこの奥さんと話してたら、うちの町から来た人だったんだって。
親戚がいますよ、って言って名前言ったらあんたの事、知って
たってさ・・・『御徒町』っていう人、知ってる?」
「ああ!知ってるよ。へぇ~~~・・・」
なんとも不思議な感慨。
自分の知らないところで、他の人生もどんどん進行している。
電話を切ってから、そんな至極当然のことを、ちょっとだけ考えたりしていた。