「メゾン・ド・ヒミコ」 | こだわりの館blog版
2005-10-24 23:45:07

「メゾン・ド・ヒミコ」

テーマ:映画(映画館 2005年)

メゾン・ド・ヒミコ

特集【日本映画を語ろう!】

【劇場公開作品より】2本目は傑作「ジョゼと虎と魚たち」 のゴールデンコンビ
監督:犬童一心、脚本:渡辺あやが再び放った話題作「メゾン・ド・ヒミコ」
前作ほどの深い感銘は受けませんでしたが、今回もなかなかです。

【劇場公開作品より】
10/22 新宿武蔵野館にて
監督:犬童一心
脚本:渡辺あや
出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊、歌澤寅右衛門、他


  塗装会社の事務員として働いている吉田沙織(柴崎コウ)。
  彼女の父親(田中泯)は沙織が幼い頃に自分がゲイであることを告白し、
  奥さんと子供を捨てて銀座にゲイバー「卑弥呼」を開いたのだった。
  そんな自分勝手な父親を沙織は今でも嫌い、その存在すら否定して生きてきた。
  ある日沙織のもとに、春彦(オダギリジョー)という若い男が突然訪れ、
  永年音信不通だった父がガンで余命いくばくもないことを知らされる。
  現在父親は自らが営むゲイのための老人ホーム【メゾン・ド・ヒミコ】にいるというのだ。
  そしてそれを伝えにきた春彦こそ、現在の父親の恋人だった…。

「ジョゼと虎と魚たち」から「メゾン・ド・ヒミコ」へ。
犬童一心、渡辺あやのコンビは内容がガラリと変われども、
その基本ラインは頑ななまでにしっかりと守り通しています。
それは何と表現したらよいのか
「現実には【いそうも無い人】【ありえない世界】を、よりリアルに見せるファンタジー」
とでもいう感じでしょうか。
渡辺あやの自由奔放なストーリー展開を、犬童一心が真正面から受けとめて、
俳優陣たちへの見事な演出で、その自由奔放な世界よりリアルな世界へと転化させている、
そのキャッチボールの見事さがこのコンビの最大の長所であります。

「ジョゼと虎と魚たち」も主役のジョゼのような女の子はとても【いそうも無い人】ですが、
池脇千鶴という一世一代の名演を経て、その世界は初めてリアルになりましたし、
相手役の妻夫木聡の自然な“受け”の演技がリアルさをより一層増していました。

では、この「メゾン・ド・ヒミコ」でのリアルな世界への担い手は誰か?
それはまさしく【メゾン・ド・ヒミコの住人】たちだったのではないでしょうか。
今回は主役よりも脇役陣たちの輝きが素晴らしいと思いました。
歌澤寅右衛門、青山吉良、柳澤慎一を始め、
台詞は少ないけれど、台詞一つで自らの身上を表現してしまうキクエ役の洋ちゃん(素人!)まで
【メゾン・ド・ヒミコの住人】たち一人一人の好演により、
パッと見は【実際にはありえない世界】でありながら、彼らの見事な演技により、
作品内に【実際にありそうな雰囲気】が充満しているのであります。
また犬童一心の演出も細部に渡る丁寧な描写で、
オープニングのスチール写真で銀座のゲイバー「卑弥呼」の変遷を見せたり、
また現在の【メゾン・ド・ヒミコの住人】たちを一人一人丁寧に描くことで、
実に【リアルな世界作り】をしております。

でありますから、「ジョゼと虎と魚たち」では
主役の2人がただひたすら引っ張って行った世界でしたが、
本作の主役である柴咲コウオダギリジョーは、
【メゾン・ド・ヒミコの住人】たちがしっかりと構築した世界の中でラクラクと演技をしていた、
そんな風に見えました。
また柴咲コウも、かえって肩に力の入らない極めて自然体な演技を醸し出し、これがまた素敵でした。
但し、オダギリジョーには自然体の他に、もう少し【ゲイ】らしさがほしかった。
田中泯とのキスシーンももう少し自然に見えないと、
後半、柴咲コウとの【気の迷い】のシーンが効果的にならなかったし、
その結末の【失望感】もイマイチ見る側に伝わってこなかった。
犬童一心のリアルな世界もオダギリジョーには少し抵抗があったようです。
まぁ春彦役っていうのは難しい役だと思いますけどね。

そして私が密かにこの作品で最も期待していたのが父親役である田中泯
「たそがれ清兵衛」「隠し剣、鬼の爪」と連続して見事な演技を見せ、
今回始めて山田洋次以外の監督の手による作品への出演でありましたが、
その【存在感】は相変わらず素晴らしいと思います。
もうオープニングの「卑弥呼」のママのスチール一枚からその存在感は抜群!
沙織との永年に渡る絶縁関係も、
彼がラストでボソッと発する「あなた好きよ…」で全て清算されてしまうのですから、
ここまでくると彼の演技は“神”の領域まで来てしまった感じです。
しかし今回の父親役はここまで【崇高】にしなくても良かったのでは。
やはり家族を捨てゲイに走った【後ろめたさ】
人間としての【モロさ】【弱さ】を最後には見せて欲しかった。
しかしこれは田中泯がゴク自然にあみ出した演技だし、
彼しか表現できない【世界】なのですからどうしようもないのですけれど!


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