「ライフ・アクアティック」 | こだわりの館blog版

「ライフ・アクアティック」

ライフ・アクアテック

9/11 飯田橋ギンレイホール にて


脱力系コメディーも脱力しきっちゃうと、
どこで笑っていいかも分からなくなってしまうようで…。


監督:ウェス・アンダーソン
出演:ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、アンジェリカ・ヒューストン、
    ウィレム・デフォー、他

笑いの【ツボ】っちゅうのが、人それぞれにありますよね。
その【ツボ】にはまれば、もう何を見ても何を聞いても大笑いなんですが、
この【ツボ】が外れてしまったら最後、
揺すれど振れども「どこがおもしろいの?」と、ちぃとも笑う事はできないんですね。
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001)で注目されたという
ウェス・アンダーソンの最新作「ライフ・アクアティック」が私にとってまさにそれ。
笑いの【ツボ】にすっかり外れてしまいました。


  海洋冒険家として世界的名声を得てきたスティーブ・ズィスー(ビル・マーレイ)。
  彼とその仲間たち“チーム・ズィスー”は、航海の最中、幻の怪魚“ジャガー・ザメ”に出くわし、
  チームの長老・エステバンがその餌食となってしまう。
  だが、その冒険を記録した新作映画は散々な酷評を受け、次回作の契約も打ち切りに。
  さらには愛妻のエレノア(アンジェリカ・ヒューストン)も別の男の元に去ってしまうのだった。
  落ち目となったズィスーの前に「たぶん、アナタの息子です」という
  若者(オーウェン・ウィルソン)が現れる。
  ズィスーは彼をチームの一員に迎えると、“ジャガー・ザメ”を追って最後の冒険に繰り出すが…。


ウェス・アンダーソンはアメリカ映画には珍しい【脱力系】の笑いを得意としているようで
【脱力系】といえばフィンランドのアキ・カウリスマキをすぐ思い出しますし
日本でもついこの間「リンダリンダリンダ」の山下敦弘がそんな感じでした。
【脱力系】の“すっとぼけた間”は本来私の好きな分野なんですが、
どうにもウェス・アンダーソンの作風は私の肌に合いません、どうしてでしょね。
ましてやアメリカンコメディは、
過剰なまでの出演者たちのギャグで強引なまでに笑わせる作品が多い中
こういう作風の作家が登場する事は本来歓迎すべき事なのでしょうに…。


このストーリーを見てわかる通り、
これは海洋映画の巨匠・ジャン=イヴ・クストーのパロディになっているんですね。
私も昨年、ビデオで「沈黙の世界」 を見ていたものですから
クストーの海洋映画にある「ドキュメンタリーといえども時々はヤラセもやってしまう」ところなんか
非常にうまくパロディにしていると思うんです。

でも笑えない。

何がおかしいのかも、描写が脱力しすぎてしまって笑わす事も忘れてしまっているかのようなのです。
唯一笑えたのが、海賊たちに占拠された孤島にズィスー一行が誤って上陸してしまい、
そこから必死に脱出しようとするのですが、必死の割には一行が呑気に一列で走っているシーン。
「必死なのに列を作って走る」というギャップがおかしかったのですが
(バックでかかっていたシンセの脱力ミュージックも効果的)
2時間の作品で唯一笑えたシーンがこれだけというのはキツイです。


ウェス・アンダーソンという監督はこの作品だけ私と肌が合わなかったのかは、
他の作品をも見てみないとわからないところですが、どうなんでしょうね。
あ、でもこの監督の持っているセンスは良いと思いましたね。
まずはキャスティング
こんな作品によくここまでの豪華キャストを集められたと思いましたね。
笑えませんでしたけどね。
あと音楽のセンス。
前述の実にセコいシンセの音楽といい、
ブラジリアン・ソウルのセウ・ジョルジ(「シティ・オブ・ゴッド」の!)が、
ただひたすら登場するとギター片手にポルトガル語でデヴィッド・ボウイのナンバーを唄いまくるという、
そのセンスは素敵です
笑えませんけどね。

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