昨夜のことである。
「お母さん、カレンダー、剥いてもいいですか?」
ぶんぶん丸が、壁にかけてあるカレンダーをめくりたいと云い出した。
昨日は6月29日である。
「まだ、30日が1日残ってるよ」
ぶんぶん丸は、カレンダーの裏をらくがきに使う。新しい紙が欲しくなったのだろう。
「まぁ、イイケドね」
この部屋のカレンダーは、ぶんぶん丸が買ったものなのだ。彼が好きにする権利はあるだろう。
その6月のカレンダーが、今朝は床に落ちていた。
すでに、所狭しと路線図が書き込まれていた。これを書くために大きな紙が欲しかったようだ。
このカレンダー、2ヶ月分で1枚である。
これからふた月、ぶんぶん丸はどうやって紙を調達するつもりなのだろう?
8月が終わらないと、めくれないよ?