2022.10.28(金)　タロット小説『戦車・力』編

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おはようございます。北海道苫小牧（とまこまい）市、『霊観占い大幸』代表の峰ゆり子です。今日も御縁を授かり感謝いたします。また、いつもブログをご支援くださいましてありがとうございます。

残り4日で10月も終わりですね。師走もだんだん近づいてきています。昨日息子から電話で「お母さんが送ってくれたリンゴで、今年もアップルパイ作ったよ！」と、写メを送ってくれました。

息子は料理が好きらしく、休みの日は何かしら作るのだそうです。

実は私も一昨日、アップルパイを焼いていました。

似たもの親子ですね。

昨日の続きから

タロット・ネット小説　『愛夢里（あむり）』

『人生が変わる』編

タロット画像：tarot the new vision

希望夢と羽田空港で別れてから半年が過ぎた。毎日1度のメールのやりとりはしていたものの、内容そのものは「おはよう。」「今日もまた頑張ろうね。」と簡単なものだった。お互いに忙しく、半年近く過ぎると、いつの間にか電話で喋る回数も少なくなっていった。積極的にこちから電話をかければいいのだろうけれど、希望夢に迷惑をかけてはいけないと思う心が電話を控えている理由でもあった。

タロット画像：TAROT DE LA NUIT

新しいお店に移動してから、占い師の先生とは出会うことも無くなっていた。会って相談したい衝動に駆られることはあっても、自分の考えていることと真逆なことを言われるのではないかと思うと躊躇する気持ちもあった。しかし、今の希望夢が何を考えているのかを占い師の先生に聞いてみたい気持ちもあった。

「人を好きになるってこんなにも心が痛むのか」と、ひとり思い悩んでいた愛夢里だった。希望夢は「大丈夫。心配しないで」って言ったけれど、連絡が疎遠になればなるほど心が揺れ動き、自分の心と体のバランスが崩れイライラしていた。

「こんな時に話を聞いてくれる誰かがいたら、少しだけでも元気になれるのに。だったら占い師の先生の所に行っておいでよ！」と、心の中の誰かが囁いた。心の誰かって言っても、それは自分の心の中で自問自答しているだけでした。

本当は幸せなはずなのに、あまり幸せと感じないのはなぜなのだろう？

仕事場が定休日なるのは嬉しいはずなのに、仕事をしている方がずっと気持ちが紛れて楽だった。

タロット画像：Vision Quest

それは、接客という限られた時間の中で仕事のことだけを考えて集中できれば、心が悩むことがなかったからだった。

ある日の出来事だった。

タロット画像：THE AKASHIC TAROT

愛夢里の仕事場に営業に来た男性がいた。愛夢里より２歳年下の男性だった。名刺を見ると宮藤保（くどうたもつ）と書いてあった。とても気さくな男性で、何かにつけて愛夢里に話しかけてきた。やがてその男性が、美容室の届け物を持ってくるたびに愛夢里と気さくに話せる仲となり、お客様のいらっしゃらない時間帯は笑い話で心を和ませてくれる人となった。心が寂しかった愛夢里は、プライベートでも彼に合うようになり、深い関係ではないものの、頑張らないでいられる自分がいる事に気が付いた。心に余裕がなかった愛夢里の心に笑顔が戻り、「自分はこんなにも笑顔を忘れていたんだ」ということを思い出させてくれた。そして愛夢里は「私の笑顔はあの時、あの瞬間、希望夢の家に凍り付けになったまま置き忘れてきたのかもしれない」と感じだ。何回か会う内に、彼に心を許した愛夢里は、希望夢との過去の時間を話して相談に乗ってもらった。

タロット画像：STEAMPUNK TAROT

宮藤：「近すぎて見えないことがあるのかもしれないけど、遠すぎて見失っているものがあるんじゃないかなぁ。その彼との時間は、当たり前じゃない時間だったと思うよ。君は当たり前じゃないから”大切”に思って電話をかけないんじゃないの？　大切なものを大切に引き出しにしまっているから心が痛くて辛いんだよ。我慢ばかりするのではなく、直接彼に君の言葉をぶつけてごらん。僕に今話したようにね。君は、誰かに甘えることができなくて、ひとりで頑張ってきたんだよね。彼に甘えたいという気持ちが本物なら、彼に甘えてもいいと思う。男はさー、自分に甘えてくれる女性は可愛いと思うものだよ。」

凄く優しい言葉に癒された愛夢里だったが、我慢しすぎて頑張りすぎて、男性への甘え方を忘れてしまっていたのかもしれないと思った。そしてそれが心の傷となり、普通の日々の生活にも影響を与えていたのかもしれないと思った。宮藤の言葉は愛夢里にとって、心を癒す薬となった。

宮藤：「だけどね。相手に甘えることは、ある意味、相手に弱さを見せることではあるけれど、頼られた相手は嬉しいものだよ今の僕のがそう。君は僕を信頼しているから、すべてを話せるのかもしれないけれど、僕だって男だから…甘えられるとその気になってしまうかもしれないから注意してね。」

そう言うと、真面目な顔で苦笑いをした。

心が落ち込んでいる時、誰かがそっと心に傘をさしてくれるだけで癒され、そんな誰かの優しさに酔いしれたい時もあるものですが、愛夢里は今、心がとても疲れていた。それゆえ、宮藤の優しさと苦笑いに体ごと癒されたい気持ちではあった。「もし宮藤が私を必要としているのであれば、宮藤に心より体を優先しても…」と、心で考えている衝動を一生懸命に抑えていた愛夢里だった。

自分で選んだ相手。自分が選ばれた相手。誰かに必要とされているなら自分に自信を持ちたいけれど、「一時の幸せが一生の後悔にならないとは限らない」。そんな思いを必死に隠した愛夢里だった。

この続きはまた明日。

タロットカードのワンポイントアドバイス！

タロット画像：DAME『戦車』

『6番恋人カード』で見つかった大切なものを、いかに前に運んでいくのかというところに焦点が当たります。また前に進むことで、何かが見えてくる様子を現しています。

「大切な何かがあるから、それを大切にして前に突き進む勇気！」だったりします。

『7』という数字は、1週間が「7日」と考えた場合、1つの周期の完了を示しています。上記のカードは赤と青の馬がひとりの男性を先導していますが、この2頭の馬は、あなたの「理性と本能」という相反する気持ちを示しています。そして、今がチャンスではあるのだけれど、勢いに任せての行動は後悔しないとも言えないジレンマ的な要素も隠されています。ただ、占う内容によっては、今がチャンスなので突き進んだらいいよ！」という解釈にもなります。

愛夢里は宮藤という人物に出会って、姉と弟のような気持で接していたが、宮藤の言葉に異性を意識し始めます。

愛夢里という愚者が最初に出会ったのは、希望夢という自分の人生を変えるほど影響力の強い魔術師（最初に出会った人）でした。そしてまた、新たなる展開で出会った宮藤という愚者も、愛夢里の人生に影響力を与える強い魔術師（最初に出会った人）なのです。

それは宮藤にとっても同じ（愛夢里との出会いです）

人間は最初に出会う人によって人生がどんどん変わっていくので、人生に大きくかかわっていく人物との出会いは皆、あなたの人生に魔術をかける魔術師です。ということは、長い人生に於いて、あなたと関わる最初の出会い（人物ばかりではなく仕事にも言える）はすべて「1」からのスタートなのです。

しかし、自らの欲望と衝動をどのように使い分けるかも試されるのが『力（感情のコントロール）』↓なのです。