アフィリエイターが売上を隠したら税務調査でどうなったか? | Mr.資金繰り表 税理士コンドウマナブ

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税理士、資金繰り表ドットコム代表、マイケルEガーバー認定ファシリテーター、マインドマップ公認インストラクター、翻訳家、ボードゲームデザイナーと色々やってます。

少し前、秒速で億稼ぐと言われたアフィリエイターがいました。

本当かな?と思ってましたが、平成23年に別のアフィリエイターの国税不服審判所での裁決の事例を発見し、

本当に1億円を超える収入があったので驚きました。


この別のアフィリエイターが、実は税務調査で売上を除外したのが見つかってしまったのですが、その後国税不服審判所が下した判断が興味深かったのでシェアいたします。



事実関係


アフィリエイトで得た収入は、3つの名義の預金口座に振り込まれていました。

本人名義、Aさん名義、Bさん名義としておきましょう。


1.Aさん名義へ入金の全ての売上と、Bさん名義への一部の売上は意図的に除外し

パソコンの会計ソフトに売上を入力していなかった。


2,本人名義とBさん名義への入金のうち、取引開始後数ヶ月間の売上、不定期の売上の計上が漏れていた。


いずれも、売上計上漏れですから、その分の所得税が追徴されるのは当然ですが、

ペナルティである加算税が問題となりました。


過小な申告のペナルティ


通常のミスによるものや見解の相違による追徴課税に対して過少申告加算税という10%の税金が加算されます。


しかし、その過少申告が隠蔽(いんぺい)や仮装によって行われた場合には重加算税35%が加算されることになります。


つまり、売上を隠したり、架空の領収書をつくるなどして意図的に税額を減らした場合には、重いペナルティが課せられるということです。所謂脱税行為です。


重加算税が課せられるとペナルティだけでなく、税務署の心証が非常に悪くなりますので、通常よりも早いサイクルで次回の税務調査が行われる可能性が高くなります。


また、外国籍の方の場合、重加算税が課せられると帰化申請が下りないといったケースもあります。


いずれにしても、過少申告加算税と重加算税では天と地の差があるわけです。


重加算税がかかるケースとそうでないケース


結論的には、上記1,については、重加算税が、2については、過少申告加算税が課されることとなりました。

以下は国税不服審判所の判断です。


「重加算税を課するためには、納税者の過少申告行為そのものが隠ぺい、仮装に当たるだけではなく、それとは別に隠ぺい、仮装と評価すべき行為が必要。」


つまり誰が見ても、明らかにそれって意図的に売上除外してるやろという行為があると重加算税が課せられる。

前回書いた自宅の事務所家賃、前々回のチャットレディーの必要経費とは逆の意味で客観性が必要ということになります。


上記1・は、明らかに意図的に、会計ソフト入力するときに売上を除外しているので隠ぺいに」あたり重加算税対象


上記2,は、杜撰な会計処理の結果、売上が漏れてしまった可能性があるため、隠ぺい、仮装とするべき行為があったとまではいえない、従って重加算税対象とはならないということです。


税務調査官は、点数が稼げるのでしょうか、すぐに重加算税対象としたがりますが、

この事例を参考に重加算対象を免れるよう主張することが大切だと思います。