こんにちは。
メンタル・サポート協会です。
多くの自己啓発本や自己啓発系セミナーでは、『本当の自分』を発見することが、自分にとって生きる目的でそれがあたかも目標であるかのように言われています。
本の中やセミナーでは、『今の自分たちは本当の自分ではないですよ?』『本当にそのままでいいのですか?』と問いかけるように畳みかけてきます。
不安を仰ぎ、追い込んできます。
『本当の自分を取り戻そうではありますせんか?』と。
会社や家庭でストレスや迷いをほとんどの人が持ち、生活しています。完璧な人はいません。
人生において、毎日とは言わないまでも、日々人は迷いながら、決断しながら、生きています。
『本当にこれで良いのか?』『自分のやるべきことは何か?』『理想の思い描いている自分になっているのか?』
と自分はどう生きるべきかを考えているものです。
さて、自分とは一体なんなのか?
自分というものを自分だけで自分を証明出来るのでしょうか?自分というものを他者や世界なしに定義出来るのでしょうか?
自分だけが持っている自分自身のイメージ像は単なる思い込みでしかありません。
自分を証明するためには人間関係を紐解いていくしかないのです。
すなわち自分とは、他者からによって、作り上げられていくのです。
『あなたって真面目ね』『あなたで、案外明るくて楽しい人なんだね』『オタクみたいに知識があるんだね』
と出会う人によって、取られる印象は様々です。またいつもとは真逆のことを言われた経験はないでしょうか?
その度にそういう一面が自分の中にあったことに、気付かされるのです。
ある人に出会い、今までには言われたことのない一面に自分が自分に出会ったときの衝撃と感動は計り知れないものがあります。
自分が縛りから解き放たれたような感覚、実感をすると思います。
良い面だけでなく、本音を言えたり、弱音を吐ける弱くマイナスな自分が出た場合でも解ってもらえると安らぎを得られることもあります。
これが本当に自分なのかもしれないと思った瞬間は、本当の満足感を得られます。
もしかすると恋するよりも、ずっと幸福感を得られる感覚になるかもしれません。
このように『本当の自分』が今の自分と重ね合わさって、気持ちよい感覚になると、あたかも現在の自分が本来の自分だと錯覚してしまうかもしれません。
しかし、その感覚におちいっているだけであり、本当の自分=今の自分ではないのです。
その『本当の自分かもしれない』と思った幸福感で満ち溢れた瞬間の自分も自分であると共に、過去に遡って言われた納得できない印象の自分も自分ですし、母親から言われた幼い頃の印象も自分です。
すべて自分なのです。
本当の自分とは、決して自分だけで作り上げることはできません。常に自分対他者なのです。
人間関係の中のみで練り上げられていくものなのです。
本当の自分とは探求するものではなく、すでに自分の中にあるものであり、沢山の自分が眠っているようなものです。
人間関係の出会いの中で様々な人格が引き出され、揉まれ、出来上がってくるのです。
したがって、自分の中だけの自分探しは意味がありません。しかし、沢山の人と巡り会い、出会いを通して、まだ見ぬ眠っている自分を発見することが出来るわけです。
まだ見ぬ自分の姿をこれから発見するためにも人との出会いを大切にするのもよいかもしれません。