60代の女性患者が来院されました。膝の痛みとの事。
整形外科では、投薬や電気のみの治療で、それ以外の治療を求めて来院されました。
早速足を見てみますと、過剰回内（オーバープロネーション）による外反母趾がありました。通常、足首の関節は回内運動で接地時の衝撃を吸収し、回外運動で足底を固定し前方への推進力を得るのですが、この方はそういった一連の足関節の動きが完全に崩れてしまっていました。
女性は、ホルモンの関係で男性よりも体が柔らかいのは皆さんも良くご存じだと思いますが、その結果として靭帯が男性よりもやわらかいので、加齢により体重増加などがあると足底のアーチが崩れ過剰回内という問題を起こしやすいのですね。
過剰回内した足は、きちんと前方への推進力を得ることが出来ないので、結果的に常に足底にはブレーキがかかった状態になります。
そういった状態で、前進しようとするとアブダクトリーツイストといわれる異常なツイスト運動が発生します。この異常運動が、膝関節の特に内側に負担をかけ痛みの原因となるケースを良く見ますが、この方もそういったパターンでした。
まず、膝関節の負担を減らすために足底のアーチを再形成する治療から始めました。足底のアーチを形成する事で異常なツイスト運動（アブダクトリーツイスト）を減らすのですね。そして脛骨の後上方変位と緩んでしまっている骨盤を締め、最後にアイシングとテーピングを行いました。
一般的に変形性膝関節症は治らないと思われているかもしれませんが、実際にはこの方のように足底のアーチや骨盤等にアプローチする事で、膝に負担をかけている異常運動を改善すれば痛みの大幅な改善が起こるのは珍しい事ではありません。
いたずらに、薬や電気で時間を無駄に過ごさずに早い段階で適切な施術を受ける事が大切だと思います。
田町の鍼灸・整体 港カイロプラクティック鍼灸
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