成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~③

 

 ウェイトリーによれば、敗者の本質は、「現実逃避、無関心、無感動、偏見、自己中心」にあり、「世の中なんて、なるようにしかならないものだ。努力したって無駄さ」と敗者を言うと。これに対して、勝者の本質は、「正しい自己認識、広い視野、思いやり、寛容、柔軟性」にあるとし、勝者は自分の能力を知り、何をなすべきかを知っていると言います。

 

 松下幸之助は、自分の利害や感情などの私心にとらわれると、自分の好き嫌いや損得などを軸に物事を見るようになるため、視野が狭くなり、自分の都合のいいように歪めて見ることとなるとして、特に経営者にはそうならないように“とらわれない素直な心”を持つことが最も大切な心構えだと強調しました。それによって、「物事をありのままに見ることができる」、つまり物事の実相が見えるようになり、視野も広がると言います。

 

 また、松下幸之助は、『主体的に生きる』ことを大変重視しました。「人生においても仕事においても、あくまでも自分自身が主人公であり、受身ではなく、主体的に生きてこそ、感激・感動も生まれてくるということである。」自分に起きる出来事は、すべて自分の意識の範囲内のことだと自覚して、自分の人生について“責任”を持つこと、つまり“責任者としての意識”を持つということです。自ら望む結果は、自分で作り出すし、自分に生じた結果については、すべて自分の責任だと受け入れるということ、一言で言えば、人事を尽くして天命を待つ”ということであり、それが松下幸之助の生き方でした。松下幸之助は、この点次の様に述べています。「自らの意識や行動の如何によっては、与えられた運命の現れ方が異なってくる。人事を尽くして天命を待つ”という諺があるが、お互いの生き方次第、人事の尽くし方次第で、自分に与えられた運命をより生かし、活用できる余地が残されていて、自分のこれまでの生き方も、知らず識らずのうちに、自分に与えられた運命をある程度生かすものだったのではないかと思う。」(昭和37年)

 

 そのように主体的に生きた結果、うまく行かなかったときに、その結果について、“他人”や“環境”のせいにして“現実逃避”するということはしなくなります。むしろ、自ら主体的に選択し行動した結果としてその責任を引き受けることができるのです。さらに、そのように考えれば、予め自分の主体的に生きた結果を引き受けるという“覚悟”もできて、実際の自分の採る考えや行動自体も違ってくるのです。

 

 松下幸之助は、「うまく行ったときは、運がよかったと考え、うまく行かなかったときは、その原因は自分にあると考える。」と言います。このように、うまく行かないときに、『失敗の原因はわれにあり』との考えに徹することで、失敗から学ぶことができましたし、さらに進んで、“失敗の原因”を予め無くして行くという、現代のリスクマネジメントにつながる考え方に到達し、それを実践することで少なくとも大きな失敗は無くすことができたと言います。

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