成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~①

 

 『成功者の条件』とは何でしょうか?

 

 但し、ここで言う“成功者”とは、生まれ持った才能や潜在能力を生かし伸ばすこと、そして、それを目標や目的に向けて最大限に結集していくことです。その結果、幸せを作り出すことです。

 

 人間の知的潜在能力は、10%も使用できていない(ウィリアム・ジェームズ博士)と言われ、UCLAの脳研究所は、『人間の脳の創造量は無限大であろう』と発表しています。つまり、自分で課した制限以外、人間には何の制約もないと言えるでしょう。

 

 このような手つかずの無限大の資源を持ちながら、人間はなぜ“成功”できないのでしょうか?

 

 人間の“成功”を妨げる“障害物”は、3つあります。

第一に、“怠惰”です。

第二に、恐怖です。

第三に、低い自己イメージです。

 

 そして、最も重要なことは、『実際に体験する事柄によって人間的な違いが生じるわけではない。その体験をどのように受け止めるかがカギになる。』ということです。

 

 以上のように考えて、『人生の勝者となるための10の方法』、つまり、平均的な人間が成功するための秘訣を語っているのが、デニス・ウェイトリー(Denis Waitleyという人です。(『成功の心理学~人生の勝者に生まれ変わる10の方法』The Psychology of Winning)それらは、性別や人種、信条、環境の如何を問わず、成功している人間に共通して見られる特質だとし、平均的な人間を順序立てて訓練していくことによって、傑出した勝者に変える方法を示していると言います。

 

 ウェイトリーは、『“勝利”とは心構えがすべてなのだ。』と言います。成功するか否かを決定づけるのは、心構えであるとし、心構えが『願望実現へとつながるドアを開くカギ』ともなり、『それを閉ざすロック』ともなると言うのです。

 

 それでは、ここで、パナソニックの創業者松下幸之助は、ウェイトリーの言う『成功者の条件』を満たしているでしょうか?ウェイトリーの提案する『10の方法』に沿って見ていきたいと思います。

 

 まずウェイトリーの上に述べた考え方についてはどうでしょうか?

 

 この点、松下幸之助の考え方も、大変近いものがあります。松下幸之助は、『人間の本質』について、『無限の可能性』を持つ『ダイヤモンドの原石』だと表現する一方、『人間の現実の姿』を見れば、貧困や不幸、争いが絶えない状態であるのは、“人間の心の弱さ”に原因があると言います。それは、例えば、情勢に流されやすく、調子に乗りやすいこと、つまり、不況になれば、意気消沈して、志を見失い、好況でうまく行っていると、有頂天となって油断し、環境の変化に足元をすくわれて失敗するということです。また、自分の利害や感情、才能、やり方など“私心”にとらわれて、視野狭窄に陥り、現実を自分の都合のいいように歪めて解釈・評価して、判断を誤るということです。

 

 他方、松下幸之助は、人間というものは、“気分”がくさっているときには、その能力を発揮することはできないが、“気分”のいいときには、大いに力を発揮できるという伸縮自在の“人間の心の変化性”というものに着目し、情勢に流されるのではなく、それを自ら主体的に選んでいくこと、そのために“自分の心を使いこなす”ことが大切だと説きました。

 

 即ち、その時々の状況に最も適切な“心の持ち方”を自ら選んで行くことによって、人間の心の弱さ”を克服できるだけでなく、自身の能力を最大限発揮することができるようになるからです。それによって、自分自身の“物の見方”が変わる、つまり、目の前の現象の“捉え方”が変わり、自分の“考え”と“行動”が変わるのです。例えば、与えられた環境や状況が如何に過酷で困難なものであっても“心の持ち方”を変えることによってそれらを“将来の成功に向けたプロセス若しくは課題”とむしろより前向きかつ積極的に捉え直し、自分のために最大限に活かしていくということさえも可能となるというわけです。

 

こ のような松下幸之助の考え方は、「仕事も人生も心の持ち方次第である」とのひと言に表れており、ウェイトリーの『“勝利”とは心構えがすべてなのだ』という考え方に完全に合致していると言えます。

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