私たちは“仮想現実の世界”に生きている!

4)『歴史は勝者が作る』今も生きている歴史の中の“ウソ”29

 

 また、『自主制定論』の根拠の一つは、表面的に見る限り、日本政府が草案を国会に提出し、国会で審議が行われて、制定に至ったという風に外から見えるプロセスにあります。つまり、国民自身が議論できなくとも、国民により選挙で選ばれた国民の代表たる国会議員が国民に代わって議論しているから、民主主義の下ではそれでよいのだと。

 

 しかしながら、先にも触れた通り、当時のGHQによる占領行政は、日本国政府を前面に立ててGHQはその政府通じて間接的にコントロールするという“間接統治”のスタイルを採っており、この憲法制定についても、GHQがその間接統治のやり方を最大限に利用した結果、日本国政府が国会に提案し、国会で審議して、制定したという“体裁”を創り上げたために、『自主的に制定した』ように見えているに過ぎません。占領下の敗戦国日本においては、主権者はあくまでGHQであって、日本国民やその代表たる国会議員には“最終的な決定権”は、実際にはなかったのです。従って、例えば、国会での議論の方向が、GHQの意向に反したものとなりつつあるならば、いつでも、GHQは、吉田茂首相を呼びつけて“締め上げる”ことは簡単にできたのです。そうなれば、吉田首相は、与党を動かして、GHQの意向に沿うように国会での議論の方向を軌道修正することとなるでしょう。そこに選択権はないのです。

 

 そのようなGHQ占領下の実態を踏まえれば、外見上国会議員が審議し、内容を変更して、議決したということのみで、『自主制定憲法』と断じることは到底できません。その内実は、草案の作成のみならず、その後の審議のプロセスにおいても、あくまで『占領の目的』の範囲内でのみ、議論がなされ、内容の変更が行われたに過ぎず、いわば御釈迦様の手の平の上で踊らされていた孫悟空のようなものだったのです。

 

 以上、述べてまいりました様々な理由から、日本国憲法は、『アメリカに押しつけられた憲法』だと言わざるを得ません。実は、そのことは、当時主権を有していた連合国司令部の最高責任者であったマッカーサー自身の日本国憲法についての『日本人の胸元に、銃剣を突きつけて受諾させた憲法』という言葉が、いみじくも雄弁に物語っています。

 

 さらに、日本国憲法が『アメリカに押しつけられた憲法』であるとすれば、このように占領国が被占領国の基本的な枠組み(『国体』)までも強制的に変えてしまうという行為は、近代戦時国際法の基本を定めた『ハーグ陸戦規定』の「国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一切の手段を尽くさなければならない。」「勝者が敗者の主権を無視して恒久的な立法を行ってはならない」との規定に違反するものです。(後者につき、渡部昇一著 『読む年表 日本の歴史』p.269)GHQは、国際法に違反する行為を『占領目的』を優先して敢えて行ったということになります。

 

 それでは、こうして『アメリカに押しつけられた憲法』を私たちは、どうすればよいでしょうか?

 

 まずは、前提として、先に述べた、アメリカから刷り込まれた『日本は侵略戦争を仕掛けた悪い国なのだ』という、いわゆる『自虐史観』を脱却して、『第二次世界大戦は、アメリカに追い込まれた結果の自衛のための戦争であった』という正しい歴史観を持つこと、そして、日本の伝統的な文化を正当に評価し直し、日本国民としての“誇り”を取り戻すことが先決です。

 

 その上で、憲法制定当時とは、様々な点で環境が変わってきている現代社会に適合した憲法とするために、現行憲法を一旦失効させた上で、現代の世界と日本の状況の中で、今後日本国及び日本国民がどうあるべきかということについて、国民レベルで自由に討議をした上で、真に日本国民の総意に基づく日本国憲法を制定すべきではないでしょうか。結果として、現行憲法の内容が盛り込まれるとすれば、それはそれで『日本国民の総意に基づく』選択のとして認めることはもちろん可能であると考えます。

======================================

ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、

「5.社会とともにある経営3)経営環境の変化の“萌し”を敏感に感じ、善処していく ③」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、“企業”が“社会とともにある”ことを重視し、“事業の目的”や“企業の存在意義”を「事業を通じて社会に貢献する」ことと定めるともに、時代や社会の変化とともに『その萌しを敏感に感じ、善処していく』べきことを強調しました。この考え方について、解説します。