”経営の神様”松下幸之助の経営哲学-その現代の諸問題への応用
  • 22Feb
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑦

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑦ 第五に、ウェイトリーは、『大胆な自己期待を持つ』ことを挙げています。勝者の本質は、『楽観、熱中、希望』であり、『今日はうまく行った。明日はもっとうまく行くだろう。』とつぶやくのに対して、敗者の本質は、『悲観、冷笑、絶望』であり、『私は運が悪いから、きっと失敗する』とつぶやくのだと言います。そして、『あなたが恐れること、あるいは期待することは、必ず現実になる。』『あなたの自己イメージは、人生の障害にもなるし、成功への自動航行装置にも、どちらにもなる』と言うのです。 ウェイトリーは、『勝利を期待しない者は勝者にはなれない』、それ故『勝者は勝利を期待する』とし、成功する人間に共通に見られる顕著な特徴は、『大胆な自己期待を持つこと』、いわゆる“楽観主義”であると言います。そして、勝者が勝利を期待するのは、3つの裏付けがあるからだとし、第一に『願望』、勝ちたいという強い欲求を持っていること、第二に、『自己コントロール』、権利を実現させるのは自分自身であるという自覚を持っていること、第三に、『準備』、勝つ準備ができていること、喜んで勝とうとすること、つまり、勝つことが習慣となっていることを挙げています。それ故、勝者は疑うことを知らず、自分が予測し期待している良い結果を信じて、常に向上しようと努力するため、いつかきっと実現されるのです。期待が勝利を導くのです。 そして、困難な問題に出くわしたときは、それを一段と飛躍するためのチャンスだと考えることをウェイトリーは、提言しています。 逆に、否定的なことばかりを心に思い描いていると、その否定的なことが実現してしまう。また、疑心暗鬼の人間に勝利はないし、否定的な考えをしている限り、勝利への“自覚”と“準備”を欠いているため、目の前のチャンスにも気づかず、あるいは的確な対応ができず、運にも恵まれない結果となるのです。 この点、松下幸之助は、本人自身の自己イメージというよりも、はるかに高い所から“人間”というもの自体の“本質”や“使命”を捉え直し、独自の“人間観”を確立しました。それは、現実の世界の『不幸や悩み、争いや貧困に明け暮れるという人間の姿』を見て、人間というものはこんなものではないはずだとの強い思いから生まれました。 松下幸之助は、過去の歴史を研究した上での結論として、宇宙や自然、社会は、限りなく生成発展していくものである(“生成発展の原理”)と考え、その“生成発展を実現していく主体”は、万物の霊長と言われる“人間”をおいて他にないとし、“宇宙や自然、社会の限りない生成発展を実現していく”という“使命”あるいは“責務”が“人間”には与えられているのだと考えたのです。 このような使命を与えられた“人間”は、「万物の王者ともいうべき偉大にして崇高な存在」(「実践経営哲学」p.32)であり、誰もが「磨けば光る無限の可能性を持つダイヤモンドの原石のようなもの」だと考えました。 人間の“無限の可能性”というのは、必ずしも荒唐無稽の話ではありません。例えば、脳科学者の茂木健一郎氏は、人間の“無限の可能性”について、脳科学の立場から次のように述べています。曰く、「脳にはオープンエンドという性質がある。“自分はこうだ”と決めつけなければ、いつまでも発展し続けることができる。逆に“自分なんてこんなものだ”決めつけた瞬間に脳は発展することを止めてしまう。」(茂木健一郎著「脳が変わる生き方」p.158) こうして、松下幸之助は、“人類共通の自己イメージ”とも言える“人間観”を確立したのです。ここから経営者に向けられた松下幸之助の経営哲学においては、『ことごとく生成発展と考えること』『人間観を持つこと』『使命を正しく認識すること』『必ず成功すると考えること』がその極めて重要な柱となっているのです。 『必ず成功すると考えること』については次の様に述べています。「経営というものは、正しい考え、正しいやり方をもってすれば必ず発展していくものと考えられる。それが原則なのである。」「基本的には企業経営はそのように外部の情勢に左右されて、うまくいったり、いかなかったりするものではなく、本来はいかなる時でも、うまくいく、いわば百戦して百勝というように考えなければならないと思う。」(「実践経営哲学」pp.54-55)つまり、勝って当たり前、ウェイトリーの言う『勝つことが習慣になっている』ということです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑪」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 14Feb
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑥

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑥ 第四に、ウェイトリーは、『モチベーションを高める』ことを挙げています。勝者の本質は、『変化への欲求、興奮、願望』であり、『そうしたい、必ずできる』とつぶやくのに対して、敗者の本質は、『恐怖、強迫観念、心理的抑制』であり、『やらなければならない、でもできない。』とつぶやくのだと言います。そして、成功した人物は、自分自身に対して並外れた欲求を持っていたと言い、次の様に述べています。 人間の行為には必ず動機(モチベーション)、即ち人間を行動に駆り立てる力がある。モチベーションを与えるものは感情であり、“願望”と“恐怖”の二つが最も重要である。“願望”とは、将来に目を向け、今いる場所と行きたい場所の間を結びつける感情で、人を夢中にし、計画を進行させ、道を切り開き、後押しし、激励し、ついには目標を達成させる“正の磁力”である。これに対して、“恐怖”とは、過去に目を向け、失敗、苦痛、落胆、不快感などの負の体験を鮮明に呼び起こす、最も強力な負のモチベーションとなり、大きな強制力と抑制力を持つ。“恐怖”は、人を制限し、締めつけ、パニック状態に陥れ、強要し、目標と計画を挫折させる。 ウェイトリーは、人生の勝者は、自分自身への強い、前向きなモチベーションを培ってきた人たちだと言うのです。ウェイトリーによれば、勝者となるものは、行動は、たった今自分が考えていることに左右されることを知っており、願望実現のため今一番重要なことに集中する。そこに、恐怖や疑いなど否定的な考えが入り込む余地がない。強い願望こそ恐怖や疑いを克服する精神的解毒剤だ。成功は、ほとんどが気力、集中力、忍耐力しだいである。また、勝者は、リスクをチャンスと見る。成功により得られる利益を考え、失敗のペナルティを恐れない。 松下幸之助は、困難に直面したときにそれをどう捉えるかによって、その後の考えと行動が変わってくるとし、その捉え方を決めるものは、“心の持ち方”にあるとし、「人間は心一つで弱くも強くもなる」と喝破したのです。曰く、「困難に直面したときに、それをどう考え、処置するかで、飛躍か後退か決まる。不安を抱き、心配したり、誰が悪いと憤慨しても、そこからは何も生まれない。心も萎縮し、知恵も出てき難い。」「楽観か悲観か、積極か消極か、我が心のあり方いかんで、ものの見方が変わってくる。見方が変われば判断が変わり、判断が変われば行動が変わって、おのずと結果も変わってくる。壁を乗り越え、いい結果を生むために肝心なのは、やはりまず自分の心のあり方ではなかろうか。」 そして、“より明るい物の見方”を“選ぶ”ことを強く奨めました。曰く、「物事には様々な見方があり、一見マイナスに見えることにも、それなりのプラスがあるというのが、世の中の常である。そうであるなら、同じ物を見、同じ事態に直面してもより心豊かになれる見方を“選んでいく”、というのがより豊かな人生に通ずる道ではないでしょうか。」 人間の現実の姿として見られる“不安”や“心配”などの“心の弱さ”を克服するために、様々な方法を考え、実践したのです。 第一に、宇宙も自然も社会も絶えず生成発展しており(“生成発展の原理”)、その中で事業を行っていることを明確に自覚して、『ことごとく生成発展と考えること』が大切だとします。「不景気も、病気も、失敗も、死も、生成発展の姿や。何が起こっても、生成発展の一こまやと思うたら、恐れるものはありませんわ。」(名和太郎著 「松下幸之助経営の真髄を語る」p.54)そのような“生成発展”という“心の窓”から、目の前の現象を見れば、それが不況その他の困難であっても、将来の発展を固定した上で、そこから現在の状況を見ることができ、それらを『発展へのプロセス』と見ることができる、つまり、ピンチをチャンスと捉えることができるというわけです。曰く、「我々は、自ら生み出せないと考えるか、生み出せると考えるかということによって変わると思うんです。行き詰まっている仕事は、新しいものを生み出す一つの転機に立っていると考えたらええと思うんです。そういう考えを持てば画期的な躍進~に変わっていくと思うんです。」 第二に、経営者たる者、『必ず成功すると考えること』が大切だと強調しました。勝ったり負けたりというのではなく、百戦すれば百勝しなければならないと言うのです。それを“強固な信念”とすることによって、“不安”や“恐れ”、“疑い”の入り込む余地もなくなるのです。 第三に、“とらわれない素直な心”を持つことによって、 “不安”や“恐れ”、“疑い”など否定的な考えへの“とらわれ”から心を解放し、中立的な状態にすることで、視野を広げて、より多くの情報を取り入れることで、選択肢を広げることができる、そうして新たに見えてくる“より明るい物の見方を選ぶ”ことができるようになるのです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑩」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 08Feb
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑤

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~⑤ 第二に、ウェイトリーは、『肯定的な自己評価』ということを挙げています。 ウェイトリーによれば、敗者の本質は、「自分をさげすむ、疑心暗鬼に陥る、他人の目を過剰に意識する」にあり、「違う人間になれたらなあ」とつぶやくと言います。これに対して、勝者の本質は、「自分の真価を知る、自尊心を持つ、自信を持つ」にあり、「自分であることが素晴らしい」とつぶやくと言うのです。勝者は、心の底から、自分の存在価値を確信しており、自己肯定の感情を持っていると言います。 この点、松下幸之助は、貧困や不幸から抜け切れず、また、争いの絶えない人間の現実の姿を見て、人間とはこんなものではないはずだと、人間の本質を考え抜いた結果、壮大なスケールの人間観に到達したのです。宇宙や自然、人間社会というものは、生成発展していくものであり、そのような生成発展を担うのが、人間の使命であると。人間社会で言えば、「物心共に豊かな人間社会」を実現する“使命”が人間には与えられており、人間は、人間自身と万物を生かして、そのような「物心共に豊かな人間社会」を実現できる無限の可能性を持つ、“万物の王者”ともいうべき『偉大にして崇高な存在』であると考えたのです。このような人間の使命を自覚しないが故に、先に述べたような現実の姿があるのだとし、そのような使命と王者としての責務を自覚して、それを実践していくことが大切だと説きました。経営者は、このように自分自身を含めた人間というものを捉えることによって、『確固たる信念に裏打ちされた力強い経営』が生まれてくるのだと強調しました。 このように見ると、ウェイトリーのいう『勝者の本質』を満たしていると言えるでしょう。 第三に、ウェイトリーは、『率先した自己コントロール』を挙げています。つまり、自分の行動を自分で決意すること、そして、その全責任を自分で負う人間こそが勝者になれるのだと言います。人間は、自分の選んだ行動の結果として今の自分があり、今の自分の地位があるのだと。この世のすべてのものは意志によって選択されるということだと言います。『自分をコントロールする』とは、知性、才能、特技など自分が持っているものを最高に発揮することに責任を持つことでもあると言います。勝者の本質は、「決意、決断力、選択、責任」であり、『自分の人生の運転席に座って』「やればできる」と考えると。これに対して、敗者の本質は、「無責任、優柔不断、偶然に頼る、他力本願」であり、「なんとかなるさ」が口癖で、なるがままに任せるのだと言います。さらに、ウェイトリーは「人生において『何が起こるか』はたいして重要なことではない。重要なのは、『その出来事をあなたがどう受け止めるか』なのである。」と言うのです。 この点、松下幸之助は、先に紹介した通り、他人や環境の影響を受けて、なるがままに任せる受け身の生き方を拒絶し、『主体的に生きる』こと、正にウェイトリーの言う『人生の運転席に座る』ことを選択したのです。「主体的に生きてこそ、感激・感動も生まれてくる」からです。そして、その反面として、自分自身で選択し、決意した考えや行動の結果に対しては、全責任を負う、たとえそれが良くない結果であったとしても、他人や環境のせいにすることなく、常に『失敗の原因はわれにあり』との考えを徹底したのでした。 また、松下幸之助は、どのような困難に直面しても、必ず道はあるはずだとして『やればできる』と考えなければならないと強調しました。この点、二度三度やってみて、うまくいかないと直ぐに『できません』と言って決めつけ、その理由を滔々と説明する若い技術者たちを“インテリの弱さ”と称して、戒めました。曰く、「物事というものは、できることでもそれを「できない」と思っている限り、やはり実際にできないのではあるまいか。~少々のことでできないと考えることは、むしろ人間のすぐれた可能性を押しつぶしてしまうことにもなるのではなかろうか。」 松下幸之助は、“心の持ち方”が“物の見方”や“物の考え方”、そして“行動”を決め、その結果を左右するのだということをその体験から喝破し、“自分の心を磨き”“自分の心を使いこなす”ことによって、適切な“心の持ち方”を選び、“恐れ”や“不安”など“人間の心の弱さ”を克服するとともに、自分の潜在能力を最大限に発揮することに自ら責任を持ったのです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑨」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 01Feb
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~④

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~④ さらに、ウェイトリーは、人はそれぞれが個性的な存在だという事実を認め、相手の立場に立って、その考え方を理解できるか否かが“勝者と敗者の分かれ目”であると言います。 この点、松下幸之助は、事業経営について、『お客様大事の心に徹する』ことが大切だとし、「お客様大事の心から発展が生まれる。お客様を粗末にする会社は崩壊する。」(1960年3月21日高校卒入社式にて)と喝破しました。そして、特に『一商人なりとの観念を忘れず』ということを強調したのです。その言葉には、三つの意味があります。第一に、『人々の役に立つこと』という“商売の本質”と“商人の使命”がわかっているということ、そして、その上で“収支を立てること”、第二に、“お客様の心が読める”、即ち“相手の立場に立って考える”こと、第三に、“感謝の心、謙虚な気持ちを忘れない”ことです。 このように言えば、一見当たり前のように聞こえますが、世の中には次から次へと失敗していく会社が絶えないのは、このことができていないからと言っても過言ではありません。なぜそれができないのでしょうか? それは『お客様を大事にする』とか、『人々の役に立つ』ということの対極にあるものを考えてみればよくわかります。それは、“自分”であり、“自分の会社”です。自分の利害や感情などのいわゆる“私心”にとらわれている人は、自分の好きなものや自分の得になること(売上や利益)ばかりに関心が行き、『お客様を大事にする』とか『人々の役に立つこと』を考えるところにまで至らないままに、自分のやり方や商品を過信して、自分勝手に売れるはずだと思い込んで事業や商売をし、結局、人々が真に求める商品を提供できず、失敗してしまうのです。松下幸之助は、自分のことではなく、『人々の役に立つこと』をまず考える、そのために「相手の立場に立って考えること」を重視しました。そうして、人々が真に求める製品を考え出し、その上で、『収支を立てること』つまり、事業として成り立たせるために、自社の利益が出るよう仕入れから製造工程、流通に至るまでプロセスを見直して、コストの削減を図るというわけです。多くの失敗する企業は、その検討の順序が逆になってしまい、自社の売上や利益を優先し、その制約の下で製品の開発をしようとしますので、実は人々の求めるニーズに応える機能を無くしたり、抑えたりしてしまう結果、顧客の支持が得られず、失敗することとなってしまうのです。 また、ウェイトリ―は、環境の変化に応じて、自分を変えていけるかどうか、そうすることで環境に適応することができるか否かが“勝者と敗者の分かれ目”であると言います。また、人生の失敗や逆境に立たされた体験をどう生かすかが勝敗の分かれ目だとし、負の体験は積極的に受け止め、その原因をはっきりと自覚すべきだとしています。 この点、松下幸之助は、『時代の変化に適応すること』を重視し、経営者のために書いた『実践経営哲学』の中で一つの章を割いて強調しています。曰く、「正しい経営理念というものは、基本的にはいつの時代にも通じるものである。」「しかし、その経営理念を現実の経営の上にあらわすその時々の方針なり、方策というものは、これは決して一定不変のものではない。というよりも、その時代時代によって変わっていくのでなければならない。いいかえれば、“日に新た”でなくてはならない。この社会はあらゆる面で絶えず変化し、うつり変わっていく。だから、その中で発展していくには、企業も社会の変化に適応し、むしろ一歩先んじていかなくてはならない。」(『実践経営哲学』pp.101-102) このように時代の変化を感じ取って、自分の方針や方策を変えて行くということは、自分自身を変えて行くことに他なりません。そして、この自分自身を変えていくということについて、1965年1月の総合朝会で次の様に述べています。「皆さんは、自ら変化を望んでおられるのかどうか。言われるまでは、安閑としてその仕事についているというようなことがありはしないか。私は、自ら求めて変化をしていくということが非常に大事だと思う。若き諸君にそのような姿がほとんど見られないのは、けしからん状態だと思う。」======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑧」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 24Jan
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~③

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~③ ウェイトリーによれば、敗者の本質は、「現実逃避、無関心、無感動、偏見、自己中心」にあり、「世の中なんて、なるようにしかならないものだ。努力したって無駄さ」と敗者を言うと。これに対して、勝者の本質は、「正しい自己認識、広い視野、思いやり、寛容、柔軟性」にあるとし、勝者は自分の能力を知り、何をなすべきかを知っていると言います。 松下幸之助は、自分の利害や感情などの私心にとらわれると、自分の好き嫌いや損得などを軸に物事を見るようになるため、視野が狭くなり、自分の都合のいいように歪めて見ることとなるとして、特に経営者にはそうならないように“とらわれない素直な心”を持つことが最も大切な心構えだと強調しました。それによって、「物事をありのままに見ることができる」、つまり物事の実相が見えるようになり、視野も広がると言います。 また、松下幸之助は、『主体的に生きる』ことを大変重視しました。「人生においても仕事においても、あくまでも自分自身が主人公であり、受身ではなく、主体的に生きてこそ、感激・感動も生まれてくるということである。」自分に起きる出来事は、すべて自分の意識の範囲内のことだと自覚して、自分の人生について“責任”を持つこと、つまり“責任者としての意識”を持つということです。自ら望む結果は、自分で作り出すし、自分に生じた結果については、すべて自分の責任だと受け入れるということ、一言で言えば、“人事を尽くして天命を待つ”ということであり、それが松下幸之助の生き方でした。松下幸之助は、この点次の様に述べています。「自らの意識や行動の如何によっては、与えられた運命の現れ方が異なってくる。“人事を尽くして天命を待つ”という諺があるが、お互いの生き方次第、人事の尽くし方次第で、自分に与えられた運命をより生かし、活用できる余地が残されていて、自分のこれまでの生き方も、知らず識らずのうちに、自分に与えられた運命をある程度生かすものだったのではないかと思う。」(昭和37年) そのように主体的に生きた結果、うまく行かなかったときに、その結果について、“他人”や“環境”のせいにして“現実逃避”するということはしなくなります。むしろ、自ら主体的に選択し行動した結果としてその責任を引き受けることができるのです。さらに、そのように考えれば、予め自分の主体的に生きた結果を引き受けるという“覚悟”もできて、実際の自分の採る考えや行動自体も違ってくるのです。 松下幸之助は、「うまく行ったときは、運がよかったと考え、うまく行かなかったときは、その原因は自分にあると考える。」と言います。このように、うまく行かないときに、『失敗の原因はわれにあり』との考えに徹することで、失敗から学ぶことができましたし、さらに進んで、“失敗の原因”を予め無くして行くという、現代のリスクマネジメントにつながる考え方に到達し、それを実践することで少なくとも大きな失敗は無くすことができたと言います。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑦」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 17Jan
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~②

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~② 先に、ウェイトリーの言う“成功”とは、生まれ持った才能や潜在能力を生かし伸ばすことだと言いました。そして、松下幸之助もまた「“人間としての成功”とは、人それぞれが、自らに与えられた天分を十分に生かして生きることである。」と述べており、『人間としての成功』についてウェイトリーと同じ定義をしていることに驚きを禁じえません。一代でパナソニックという世界的企業を築き、莫大な資産を得て、功成り名を遂げたと言える松下幸之助の考える“人間としての成功”は、名誉や財産を得ることではなかったのです。 この点について、松下幸之助は、次の様に述べています。曰く、「人はそれぞれ、異なった持ち味、天分をもって生まれついている。昔から十人十色と言われるように、顔かたち、性格、素質、才能など全く同じという人は一人もいない。ということは、人はみな夫々の天分に従って異なった仕事をし、異なった生き方をするように運命づけられているということではないか。つまり、人はみなそれぞれに異なった使命が与えられ、異なった才能が備わっている。私は、“成功”というのは、この自分に与えられた天分をそのまま完全に生かしきることではないかと思います。それが“人間としての正しい生き方”であり、自分も満足すると同時に働きの成果も高まって、周囲の人々をも喜ばすことになるのではないか。これこそ、真の意味での成功ではないかと考えるのです。もとより成功の姿は、人によってみな異なるでしょう。しかし、社会的な地位や名誉や財産が成功の基準となるのではなくて、自分に与えられた天分に沿うか沿わないか、これを十分に生かすか生かさないかということが成功の基準となってくると言えましょう。」1)積極的な自己認識 ウェイトリーは、まず第一に『積極的な自己認識』ということを挙げています。 具体的には、まず自分をよく知ること、そして、自分に対して誠実であることが大切だと言います。そのために、『自分を自分自身の目で客観的に見る』ことが重要だとして次のような方法を提案します。目の部分だけくり抜いた紙袋を頭からかぶり、全裸で、全身を映し出す鏡の前に立ってみることだ。そして、自分の姿をじっくり眺める。鏡の中の自分に向かって、今日の出来事を語りかける。顔を隠すことによって、あなたは裸の他人になる。毎日繰り返していくと、鏡の中の自分を見慣れてきて、自分の欠点を客観的に見つめることができるようになる、というのです。 松下幸之助も、同様に日々の自分の行いを振り返る“自己反省”や「自分から一旦外に出て、自分自身を客観的に眺め、評価する」“自己観照”を大変重視し、実践しました。そして、それは容易ではないことを認識しつつも、『自分の周囲にある物、いる人』すべてに映し出されていると言います。「身なりは鏡で正せるにしても、心の歪みまで映し出しはしない。だから人はとかく、自分の考えや振る舞いの誤りが自覚しにくい。しかし、求める心、謙虚な心さえあれば、心の鏡が随処にある。自分の周囲にある物、いる人、これすべて、わが心の反映である。・・・この謙虚な心、素直な心があれば、人も物もみなわが心の鏡として、自分の考え、自分の振る舞いの正邪が、そこにありのままに映し出されてくるだろう。」 次に、ウェイトリーは、『真実を求め、真実から目をそむけないこと』を挙げ、真実を歪曲して手に入れる“偽りの成功”ではなく、たとえそれが苦難の道でも真実に基づいた可能性を探っていくことが“輝かしい成功”につながるとします。また、どんな状況に置かれても、広い視野を持ち、バランスの取れた目で物事をあらゆる角度から柔軟に考えて、自分にできる最高のことを速やかにすることができるということを挙げます。 この点、松下幸之助は、人は、自分の利害や感情などの“私心”にとらわれたとき、物事の実相が見えなくなるとし、“とらわれない素直な心”が何よりも大切だとします。曰く、「人間は、心にとらわれがあると、物事をありのままに見ることができない。たとえて言えば、色がついたり、ゆがんだレンズを通して、何かを見るようなものである。かりに、赤い色のレンズで見れば、白い紙でも目には赤くうつる。ゆがんだレンズを通せば、まっすぐな棒でも曲がって見えるだろう。そういうことでは、物事の実相、真実の姿を正しくとらえることができない。だから、とらわれた心で物事に当たったのでは判断をまちがえて、行動をあやまつことになりやすい。」(「実践経営哲学」p.161)そして、「素直な心になれば、物事の実相が見える。それにもとづいて、何をなすべきか、何をなさざるべきかということもわかってくる。なすべきを行い、なすべからざるを行わない真実の勇気もそこから湧いてくる。」(「実践経営哲学」p.112)というのです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑥」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 12Jan
    • 成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~①

      成功者の条件~自分の潜在能力を最大限に発揮するために~① 『成功者の条件』とは何でしょうか? 但し、ここで言う“成功者”とは、生まれ持った才能や潜在能力を生かし伸ばすこと、そして、それを目標や目的に向けて最大限に結集していくことです。その結果、幸せを作り出すことです。 人間の知的潜在能力は、10%も使用できていない(ウィリアム・ジェームズ博士)と言われ、UCLAの脳研究所は、『人間の脳の創造量は無限大であろう』と発表しています。つまり、自分で課した制限以外、人間には何の制約もないと言えるでしょう。 このような手つかずの無限大の資源を持ちながら、人間はなぜ“成功”できないのでしょうか? 人間の“成功”を妨げる“障害物”は、3つあります。第一に、“怠惰”です。第二に、恐怖です。第三に、低い自己イメージです。 そして、最も重要なことは、『実際に体験する事柄によって人間的な違いが生じるわけではない。その体験をどのように受け止めるかがカギになる。』ということです。 以上のように考えて、『人生の勝者となるための10の方法』、つまり、平均的な人間が成功するための秘訣を語っているのが、デニス・ウェイトリー(Denis Waitley)という人です。(『成功の心理学~人生の勝者に生まれ変わる10の方法』The Psychology of Winning)それらは、性別や人種、信条、環境の如何を問わず、成功している人間に共通して見られる特質だとし、平均的な人間を順序立てて訓練していくことによって、傑出した勝者に変える方法を示していると言います。 ウェイトリーは、『“勝利”とは心構えがすべてなのだ。』と言います。成功するか否かを決定づけるのは、心構えであるとし、心構えが『願望実現へとつながるドアを開くカギ』ともなり、『それを閉ざすロック』ともなると言うのです。 それでは、ここで、パナソニックの創業者松下幸之助は、ウェイトリーの言う『成功者の条件』を満たしているでしょうか?ウェイトリーの提案する『10の方法』に沿って見ていきたいと思います。 まずウェイトリーの上に述べた考え方についてはどうでしょうか? この点、松下幸之助の考え方も、大変近いものがあります。松下幸之助は、『人間の本質』について、『無限の可能性』を持つ『ダイヤモンドの原石』だと表現する一方、『人間の現実の姿』を見れば、貧困や不幸、争いが絶えない状態であるのは、“人間の心の弱さ”に原因があると言います。それは、例えば、情勢に流されやすく、調子に乗りやすいこと、つまり、不況になれば、意気消沈して、志を見失い、好況でうまく行っていると、有頂天となって油断し、環境の変化に足元をすくわれて失敗するということです。また、自分の利害や感情、才能、やり方など“私心”にとらわれて、視野狭窄に陥り、現実を自分の都合のいいように歪めて解釈・評価して、判断を誤るということです。 他方、松下幸之助は、人間というものは、“気分”がくさっているときには、その能力を発揮することはできないが、“気分”のいいときには、大いに力を発揮できるという伸縮自在の“人間の心の変化性”というものに着目し、情勢に流されるのではなく、それを自ら主体的に選んでいくこと、そのために“自分の心を使いこなす”ことが大切だと説きました。 即ち、その時々の状況に最も適切な“心の持ち方”を自ら選んで行くことによって、“人間の心の弱さ”を克服できるだけでなく、自身の能力を最大限発揮することができるようになるからです。それによって、自分自身の“物の見方”が変わる、つまり、目の前の現象の“捉え方”が変わり、自分の“考え”と“行動”が変わるのです。例えば、与えられた環境や状況が如何に過酷で困難なものであっても“心の持ち方”を変えることによってそれらを“将来の成功に向けたプロセス若しくは課題”とむしろより前向きかつ積極的に捉え直し、自分のために最大限に活かしていくということさえも可能となるというわけです。こ のような松下幸之助の考え方は、「仕事も人生も心の持ち方次第である」とのひと言に表れており、ウェイトリーの『“勝利”とは心構えがすべてなのだ』という考え方に完全に合致していると言えます。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす⑤」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 03Jan
    • “仮想現実の世界”に生きる! 9)現代における仮想の世界⑳:世の中の真の姿を見極める③

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑳:世の中の真の姿を見極める③ 先にご紹介した北野幸伯氏は、“格差”が生まれる原因は、『情報に対するポジション』にあるとし、『情報を流す人、洗脳する人、支配者』『情報を正確に理解できる人』『洗脳されっぱなしの人、一般大衆』のいずれに自分が属するかによるのだと言います。 そのような現代社会において、私たち一般大衆が『支配者(?)』の作る“虚構の世界”に騙されることなく、その意図を正確に読み取り、正しい本当の世界の姿を知るためには、どうすればいいのでしょうか? 北野幸伯氏は、そのためのマニュアルとして、『クレムリン・メソッド 世界を動かす11の原理』を書いたとされており、大変参考になります。そこでは、まず大前提として、『あるがままに』『事実のみ』を見ること、また、特定の『主義』『思想』に偏らないこと、『様々な感情』や『思い込み』にとらわれないことを挙げており、この点は、松下幸之助の『とらわれない素直な心』に通じるところかと思います。それらは、人間の“とらわれ”がそれを軸として認知のプロセスにおいて“削除”“歪曲”“一般化”のメカニズムが機能することによって、“視野狭窄”と“歪み”を生み出すからです。 北野幸伯氏がロシアで学んだ『世界を動かす11の原理』とは、以下のものを言います。結論だけを掲げておきますので、詳しくは上記に紹介した本をお読みください。具体的な事例とともにわかりやすく書かれています。【第1の原理】世界の大局を知るには『主役』『ライバル』『準主役』の動きを見よ【第2の原理】世界の歴史は『覇権争奪』の繰り返しである【第3の原理】国家にはライフサイクルがある【第4の原理】国益とは『金儲け』と『安全の確保』である【第5の原理】『エネルギー』は『平和』より重要である【第6の原理】『基軸通貨』を握るものが世界を制す【第7の原理】『国益』のために国家はあらゆる『ウソ』をつく【第8の原理】世界のすべての情報は『操作』されている【第9の原理】世界の『出来事』は、国の戦略によって『仕組まれる』【第10の原理】戦争とは、『情報戦』『経済戦』『実戦』の三つである【第11の原理】『イデオロギー』は、国家が大衆を支配する『道具』にすぎない 私たち一般大衆は、昔に比べてはるかに複雑化した社会にあって、しかも“世界を動かす支配層”が私たち一般大衆をコントロールしようと意図的に流してくる様々な情報に晒される中で、“自由”と“民主主義”を“謳歌”していると信じ込んでいます。このような“仮想現実”の中で生かされている私たちは、まず現実の世界の“本当の姿”を見極める“目”を取り戻さなければなりません。 そのためには、松下幸之助の強調した『とらわれない素直な心』が不可欠ですが、それだけでは足りません。それに加えて、上記に紹介したような世の中の動きを“プロパガンダ”に惑わされることなく、正しく見極めるための方法論を獲得すること、そして、その上で、自分がどのように行動すべきかを考えて、本当の自分の自由な意思で決定し、行動していくことが大切であると痛感している次第です。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす④」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 27Dec
    • “仮想現実の世界”に生きる! 9)現代における仮想の世界⑲:世の中の真の姿を見極める②

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑲:世の中の真の姿を見極める② この点について、1990年からロシアに28年間住み、同国外務省付属モスクワ国際関係大学を卒業した北野幸伯氏は、その中で体得した『世界の本当の姿を知るための原理』を『日本人の知らない クレムリン・メソッド 世界を動かす11の原理』という本を出しています。そして、この本を出すに至った理由として次のように説明されています。曰く、「実をいうと、普通の人の『心』は『支配者』によって密かに、思い通りにコントロールされている。そのために、自分でも知らないうちにあなたの心は操られ、次にあなたのなかでそれがさも『当然の現実』のように『実体化』され、『しかたのないこと』『受け入れざるをえない事実』と感じるようになる。だから、たとえば生活がじわりじわりと苦しくなっていくことも我慢せざるをえなくなる。しかし、この本を読み、できるだけ正しく情報を理解することで、あなたは、あなたの人生を、あなた自身で決めることができるようになるでしょう。」 今世界では、イギリスのEUからの離脱(“Brexit”)に始まり、アメリカでは『自国ファースト』を主張するトランプ政権が誕生、フランスでは極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン女史が大統領選で負けはしたものの票を伸ばし、ドイツでも右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢力を伸ばしています。これらの動きを報道するマスコミは、トランプの暴言をあげつらい人種差別主義者であると揶揄したり、フランスやドイツの動きも極右のポピュリズム政党と表現するなど相当のバイアスがかかっています。しかし、これはこれまでのグローバリズム至上主義への反発・反動として、『主権国家』や『民主主義』を取り戻そうとする極めて正常な動きであるとの見方も可能であり、私自身、それがむしろそれが客観的に正しい見方であると考えます。 また、日本について見ると、21世紀以降日本が進んでいる方向、特に安倍政権の諸政策は、政治家の言うことやマスコミ報道などの偏った情報からはその本当の姿や意味、効果などが非常に分かりにくく、正否の判断が容易ではありませんが、起こっている現象を客観的に見れば次の様に理解することができます。 21世紀に入って以降、“非正規社員”という新たな“社会的な最下層”が生み出され、職にはつけても、結婚できない、子供も作れないという状態に陥っています。また、その煽りを受けて正規社員の実質賃金も上がらず、国内消費も増えず、それ故企業の投資も増えない。こうして、供給過剰で需要不足のデフレ不況が20年以上も続く中、安倍政権は、新自由主義の誤りに気付いて方向転換をしつつある諸外国と異なり、周回遅れでこの“新自由主義”に基づいた『規制緩和』『構造改革』『自由化』『民営化』の諸政策に邁進しており、今後益々供給力が強化されてデフレ圧力が強まることが予想されます。加えて安い賃金で喜んで働く移民の受け入れを促進しつつあることは、今後日本人労働者との間で賃金の引き下げという底辺に向けた競争を生み出すことも予想されています。その上に、消費に対するペナルティとして機能する消費税を8%から10%に引き上げるというとんでもない愚策を実行してしまいました。その結果、国内の需要はさらに冷え込んでいます。さらに、財務省の『国の借金1000兆円』『このままでは日本は財政破綻する』というプロパガンダに洗脳されて“緊縮財政”という呪いに縛られた安倍政権は、老朽化したインフラの再整備や新幹線の整備拡張、科学技術の振興、少子化対策、介護などの社会保障など本来国が使うべき財政支出を悉く削られて手足を縛られた状態になっています。この点、世の中では誤解されていますが、実はアベノミクスの第二の矢である『積極的な財政支出』は“折れた”まま、ほとんど実行されていないのです。このままでは、今後益々”デフレ脱却”の道は遠のいて、貧富の格差が拡大し、日本は貧困化の道を邁進していくでしょう。 より重要なことは、軍事費までが緊縮財政の方針の下削減されていることです。しかしながら、東アジアの情勢を見れば、GDP世界2位の経済大国となった中国は、経済成長とともに軍事費を益々拡大しつつあり、特に2012年に習近平が国家主席となってからは、中国がこれまで隠してきた“角”を隠そうともせず、アメリカの覇権に挑戦する意思を鮮明に表し(『China 2049 世界覇権100年戦略』マイケル・ピルズベリー著)、南シナ海や東シナ海において人工島を作り軍事拠点化を進めるとともに、日本との間に領土問題を抱えるロシアと韓国に『反日統一戦線』を呼びかけ、尖閣諸島周辺において領海侵犯を繰り返し、その先には日本の沖縄までを虎視眈々と狙っています。他方、これまでの覇権国家たるアメリカの衰退は著しく、既にオバマ政権のときには“世界の警察”を止めることを宣言、『一帯一路』戦略を打ち出した中国が対象国への資金融資のために作った『アジアインフラ投資銀行(AIIB)』への参加を止めたアメリカの意向に反してイギリスが参加すると、堰を切ったようにドイツやフランスその他多くの国が参加してしまったこと、代わったトランプ大統領は、『自国ファースト』を打ち出し、東アジアからの軍事的な撤退を視野に入れています。これまで日本が自国の平和の維持のために100%依存してきたアメリカの核の傘と日米安全保障条約はいつ無くなるかもしれないというリスクにさらされているのです。もし本当にそうなれば、アメリカが日本の危機を救うことを放棄した場合には、日本の倍以上の軍事費を投入している中国に対して、日本は単独で勝つことは到底できません。となれば、『中国の属国』となる他ないという“悲惨な未来”を予想せざるをえないのです。 このような世界や日本の現状とその先の未来も、それぞれ誰かが意図してそれを作っており、一般世間の人々は様々な形で“洗脳”されて、重要な情報が隠され、“恐るべき将来のリスク”に気づかないまま、やむをえないものとして受け入れてしまっているのではないでしょうか?======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす③」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 20Dec
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑱:世の中の真の姿を見極める①

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑱:世の中の真の姿を見極める① 本稿では、これまで本稿『フェイクニュース』や『プロパガンダ』、『歴史上の虚構』、特に第二次世界大戦の勝者による歴史の書き換え、そして、『国の借金1000兆円』『緊縮財政をしなければ財政破綻する』などの現代の虚構の世界を見てまいりましたが、私たちは、実は世の中の本当の姿はほとんど見えていない、むしろ誰かの作り上げた“虚構の世界”を“本当の世界”だと信じ込んで、その中で生きているということになります。 では、私たちは世の中の本当の姿を見ることはできるのでしょうか?できるとすれば、どうすれば見えるのでしょうか? 私たちが世の中を正しく見ることができない理由の一つは、松下幸之助によれば、自分の利害や感情などの私心にとらわれているためでした。そして、それらの“私心へのとらわれ”から解放されて、広く視界を広げるためには、“とらわれない素直な心”が必要であることを松下幸之助は強調しました。これは、いわば自分自身の側の原因に対して、手を打つというものです。 ただ、それだけでは、この複雑な世の中の実相を把握することは難しい面があります。特に、情報を発信する側が一般大衆を一定の方向に誘導しようという明白な意図を以て、大衆を洗脳すべく戦略的に動いているからです。 それは、1913年にイギリスロンドンのウェリントンハウスに誕生したタヴィストック人間関係研究所(The Tavistock Institute of Human Relations)から始まり、プロパガンダの作成と宣伝を手掛ける組織として活動を開始しました。ウェリントンハウス自体の目的は、ドイツとの開戦に断固反対するイギリス大衆を翻意させるプロパガンダ攻勢を仕掛けることにあったと言われています。そのスタッフの一人であるエドワード・バーネイズは、心理学と他の社会科学を利用した世論形成の手法(『同意の工学設計』)を開発して、大衆が自分の自発的な意見であると思い込むように世論を操ったとされており、「集団真理のメカニズムや動機を解明できれば、彼らに気づかれずに意のままに大衆をコントロールし、組織化できる」と述べています。 最近の例は、イラク戦争です。ご承知のように、この戦争は、当時のブッシュ(ジュニア)大統領を始めアメリカの政府高官が、『イラクに大量破壊兵器がある!』『イラクのフセインはアルカイダを支援している!』と繰り返し述べて、それを理由に“先制攻撃”したのでした。しかも、それらがいずれもウソだとわかった後にも、ブッシュ大統領は何ごともなかったかのように権力の座に居座っていました。このことこそ、このタヴィストック研究所の『長期的浸透』と『心を操る条件付け』の強力な力が米国民を絡めとっていることを示しています。(『タヴィストック洗脳研究所』ジョン・コールマン博士 成甲書房) つまり、現代社会においてもなお、このような大衆の意見をコントロールしようとする“プロパガンダ”は、アメリカに限らず、中国やロシア、その他世界の様々な国において実際に行われているということを私たちは知る必要があります。ご承知の通り、今香港では、少なくとも2047年までは(同年には現時点で共産党一党独裁国家である中国に呑み込まれることは確定していますが)一国二制度の下“高度の自治”が認められていることから、“民主主義”を勝ち取ろうと、学生から一般市民までが団結して、必死にデモを続けています。それでは、翻って“民主主義”が既に確立されているはずの先進諸国(日本を含む)では、重要な問題について一般大衆の意見が十分に反映され、民主主義が適切に機能していると言えるでしょうか? 残念ながら、日本でもアメリカや中国、ロシア等でも、“大衆の意見”という前に、重要な情報が隠され、特定の“支配者層”の意図的な情報のみがその支配するマスコミを通じて一方的に垂れ流され、大衆の受けとる“情報”とその結果有するに至る“意見”とが明らかに操作されているのが現状えはないでしょうか? そうだとすれば、先進国における“民主主義”は、既に香港にとっての“模範”となりうるものではなく、それらは“幻想”に過ぎないと言っても過言ではないでしょう。その結果、民主主義の下、曲がりなりにも自分たちが選挙で選んだ政党や政治家が行っていることだから、やむをえないということになっているのではないでしょうか? 今回の日本の消費税の10%への引き上げなどはまさにその典型例と言えましょう。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、  「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす②」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 13Dec
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑰:規制緩和の実態⑦

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑰:規制緩和の実態⑦ ということで、ここまで見ていただいたように、日本のグローバリズムのトリニティーの相当部分が、グローバル資本、あるいはグローバル投資家、あるいはアメリカ、あるいは日本のグローバル投資家たちの欲望によって進んでいるというのが、おわかりいただけると思います。 それでは、日本政府はなぜ断らないのでしょう。特にアメリカのモンサントとかカーギルは、明らかに農協改革や種子法の廃止を要求してきていますが、日本の政治家が、断ればいいのです。ところが、それができない状況になっているのです。 それは、『日本はアメリカの属国である』などと言われることがありますが、そのことと関係しています。私たちは、日本という国は、第二次世界大戦後1950年のサンフランシスコ講和条約によって、独立を果たしたと理解しています。形式的にはその通りなのですが、実は、同時に締結された日米安全保障条約及び日米地位協定に基づく日米同盟は、当時の冷戦期におけるソ連の封じ込めだけでなく、日本を封じ込める『瓶のフタ』として機能していたと言われています。(“二重の封じ込め”)即ち、日本が再び軍事大国化してアメリカの脅威とならないように、在日米軍基地を置いて、アメリカが支配する安全保障と経済の枠組みの中に封じ込めようとするものだったのです。当初はソ連との冷戦もあり、また、軍事面が重視される一方、むしろ日本を経済発展させて“反共の防波堤”にしようというアメリカの政策は、1991年にソ連の崩壊により冷戦が終結すると、今度は日本の経済大国化の封じ込めへと重点が移って行ったのです。それは、アメリカの核の傘の下で、軍事的に保護された日本は1980年代に大きく経済発展し、アメリカの対日貿易赤字が拡大していたからです。 そのようなアメリカの政策の変更の現れは、1989年から90年にかけての日米構造協議(SII)や1993年からの包括経済協議などです。ここでは日本市場の開放に向けた構造改革や自由化、民営化、グローバル化が強く求められました。例えば、独占禁止法の運用を強化し、米国企業の参入を阻害しているとされた日本の“排他的商慣行”を排除することなど、日本側がほとんど一方的にアメリカの要請を呑まされることが多かったのです。 安倍内閣の3本目の矢『成長戦略』の名の下に大変なスピードで進められている構造改革ですが、その内実は『日本企業の成長』というよりも、むしろアメリカなどの外国資本の要請を受けて、その日本への直接投資を増やすことを目指しているのです。例えば、TPP の交渉に参加するという交渉を行っていた時に、日本とアメリカの間で2 カ国間協議が行われ、そこで日本政府は、アメリカ政府との間で次のような合意を行っているのです。「TPP 交渉参加国との間で作成する文書」の「保険等の非関税措置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の書簡」、「3. 規制改革。日本国政府は2020 年までに外国からの対内直接投資残高を少なくとも倍増させることを目指す、日本国政府の成長戦略に沿って」「外国からの直接投資を促進し、ならびに日本国の規制の枠組みの実効性および透明性を高めることを目的とし」 実効性とか透明性という抽象表現を使っていますが、これは別に目的があって、それは日本国政府が「外国投資家その他利害関係者から意見および提言を求める」ということなのです。なぜ外国投資家なのでしょうか。「意見および提言は、その実現可能性に関する関係省庁からの回答とともに検討し、および可能な場合には行動をとるため」要は、閣議決定して国会で法律を変えるということです。「定期的に規制改革会議に付託する。日本国政府は規制改革会議の提言に従って必要な措置を執る。」農協改革も種子法の改正も、このプロセスで行われました。 驚くべきことです。まるで日本国政府の上に規制改革会議があって、その上に外国投資家があるようです。これが今の日本なのです。既に民主主義は機能不全に陥ってしまいました。この書簡は現在まだ有効です。 日本政府と私たち日本国民は、このような2008年のリーマンショックとそれに続く金融危機によって、既に世界が気づいて軌道修正しつつあるグローバル金融資本やグローバル企業による新自由主義にもとづくグローバリズムの問題に未だ気づかず、周回遅れで依然としてグローバル化や構造改革、自由化、民営化に邁進しているというのが、大変残念なことに今の日本の現状です。その意味でも、私たちは、グローバル化は良いことだという虚構の世界の中に住んでいると言わざるをえません。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「7.補論②困難を乗り越える経営:禍転じて福となす①」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、困難に直面してそれを克服してきただけでなく、むしろより大きく発展させてきました。この『禍転じて福となす』経営の考え方について解説します。

  • 06Dec
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑯:規制緩和の実態⑥

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑯:規制緩和の実態⑥ そして、水道民営化です。日本の水道管は老朽化しており、問題です。問題の解決のためには、政府がお金を出して水道管を交換すればいいわけです。地方自治体では費用負担が難しいというのであれば、政府が予算を組んで地方に配ればいいのです。それで水道管を交換する。ところが、政府は『緊縮財政』ですから、水道のメンテナンスにはお金を一切使いたくない、そこで民営化だ、しかもコンセッション方式だということになるのです。コンセッション方式というのは、水道のハードウエア、水道管とか浄水場とか、そういうハードウエアについては今までどおり自治体が保有する。その上の“水道事業”というおいしい部分だけを民営化して、新規参入してくださいということなのです。そもそもの目的は、ベリタス社やスエズ社といった水道メジャーが、日本の水道サービスで稼ぎたいというだけの話なのです。ベリタス社は、以前から日本の水道ビジネスに入りたかったのですが、自然災害が問題でした。水道ネットワーク、ハードウエアまで含めて全部請け負うとなると、当然、大震災とか大規模自然災害に対する復旧の義務を負うことになりますが、そのリスクは、計算できません。大震災でも起きたら、大変なコストがかかってしまいます。そういうリスクは負いたくない。しかし、日本市場で稼ぎたい、だからコンセッション方式なのです。しかし、そういうような進め方をしたら、誰も受け入れてくれないから、「いや、水道管が老朽化しているからこれの交換が必要なんですが、緊縮財政でみんなお金がないから、民営化するしかないんですよ」というレトリックでやられたわけです。 カジノも同じです。長引くデフレーションによって経済が停滞していますが、デフレ対策は、緊縮財政だからやりません、というわけで、上に述べた理屈同様、民間に投資してもらいましょうということになりますが、民間も、デフレの国で簡単に投資は増やしません。そこで、カジノ解禁、民間投資でIR 建設を、という話ですが、自由貿易ですから、外資規制はない。つまりカジノ解禁は、外資を含むカジノ産業が、日本市場で我々国民の所得から利益を吸い取ろうとしているということなのです。 そして、『移民の受け入れ』です。これは少子高齢化に端を発する、生産年齢人口比率の低下によって、人手不足が深刻化しているという現象への対策とされています。しかし、“人手不足”が深刻なら、するべきことは『生産性の向上』でしょう。それが資本主義です。イギリスの産業革命もそのようにして起こりました。資本を投じて技術開発して、労働者を教育して、生産性を上げて、それでしのぐんです。当然政府は、生産性向上のために、例えば自分はインフラを整備し、あるいは企業の生産性向上の努力に対して助成金、補助金をつける。それで投資が生まれてデフレ脱却することができ、実際に生産性が上がります。ところが、政府は、緊縮財政だからそれはやらない。ということで、『規制緩和』して、さまざまな業種で外国人が働けるようにしましょう、というわけです。「移民政策です、自由貿易です、人の国境を越えた移動の自由化です」ということですが、これは外資というより、単に日本人の問題です。日本の経済界が低賃金で働く労働力を求めているだけの話です。人は給料を高くすれば来るわけですから。さらには生産性向上の投資をするべきなんですが、経営者は、そのリスクを負いたくない。人を安く使い続けたい。今日本はようやくデフレからインフレに変わりつつあるんですが、デフレというのは労働者が買いたたかれる時代です。これまでどおり買いたたきたい、ということで、『移民』なんです。 最後に『ふるさと納税』です。意外かもしれませんが、これも同じです。政府の『緊縮財政』と人口流出によって、特に地方の自治体の税収が不足しています。では地方交付税を増やせばいいではないか。それは『緊縮財政』だから絶対に増やさない。それどころか、むしろ減らしているのです。第2次安倍政権が始まって以降、地方交付税も減らされました。そこで、各自治体は規制緩和して、ふるさと納税というのを導入してやるから、勝手に税収を稼げばいいと。『自由競争』だから、みんな競争してくださいというのが、ふるさと納税の本質なのです。これは、誰かが儲かるという話よりも目立つのは、単なる『緊縮財政』です。政府の緊縮財政のツケを、各地方自治体の競争に押しつけているというのが、ふるさと納税なのです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント30(10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”④ 」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには時には『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』という考え方も大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 29Nov
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑮:規制緩和の実態⑤

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑮:規制緩和の実態⑤ 次に、種子法の廃止です。種子法とは、日本国内で、多種多様で優良な種子を、安く農家に提供するという制度を担保するための法律でした。ところが、規制改革会議は“種”とは言わずに、生産資材全体の価格が高止まりしていることが問題だと言うのです。配合飼料とか農薬はそう言えるかもしれませんが、種は安く提供しようとするのですから、違います。にも拘らず、規制改革会議の提言の際にそこに一緒くたに入れられてしまったのです。政府が、「緊縮財政で、もう国民の生命の源である種の維持に、お金を使いたくない」というわけです。そこで、種子法廃止、外資規制なしの規制緩和、自由貿易が推進されました。 しかし、これは支離滅裂です。農家にとって、ひいては我々国民にとってみれば、多種多様な種が安い価格で、優秀な製品として農家に売られていることは良いことのはずです。ところが、それを問題だということにしなくてはいけなかったから、つまり、『結論ありき』で“種”を他の肥料や農薬と一緒にして、生産資材価格が高止まりしているという、全く不合理な理屈をつけられてしまったのです。しかし、本当は、安いことが問題なのです。つまり、種子法があるために、優秀な“種子”が安い価格で農家に売られているから、モンサント社などの高い価格の遺伝子組み換えの種子が日本で売れないからです。これは単に米国のモンサント社、今は買収したドイツのバイエル社などのアグロバイオ企業が日本の種子市場で利益を上げたいという、ただそれだけの目的のために、日本の規制改革推進会議が動いて、種子法が廃止されてしまったというわけです。 次に、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度です。2011年3月11日の東北大震災 以降、菅内閣が不法に全国の原子力発電を止めたために、電力会社は安定電源が不足する状況に陥りました。では政府が電力サービス安定化のために財政支出するかと言えば、「緊縮だからしません。」となる。ではどうするのかと言えば、やはり、『規制緩和』『自由化』だということで、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度、FITを導入し、太陽光や風力の電気を高値で電力会社が買い取って、そのつけを我々消費者に回すという制度を作ったのです。そもそも太陽光や風力で原発の代替ができるはずがありません。それらは安定電源ではないのですから。でも、そのような議論はすっ飛ばして、進めたわけです。その目的は、単に、FIT でぼろ儲けしたい投資家がいたからです。例えば、孫正義氏やゴールドマンサックスなどの外資系の企業まで参入してきました。 次に、最近はやりのシェアリングビジネスです。デフレ不況で国民の観光旅行が減っています。観光業が苦しい。そこで、例えば、政府がトラベルポイントを国民に配る、1 人10 万円、国内限定で1 年以内に使いなさいと。そうすれば、国民は皆観光に行くでしょう。観光業は助かるわけです。しかし、『財政破綻する』から、『緊縮財政』だから、そんなことにお金を使えないということになります。そこで、「観光業はこれからは日本国民ではなくて、外国人観光客によるインバウンドに依存しなさい。その外国人観光客向けに民泊、白タク、カーシェア等を解禁しましょう」ということで進められているのです。この真の目的は、民泊やカーシェアのプラットフォームを提供しているAirbnb とかUber などが日本市場で儲けたいということなのです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉙ (10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”③」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには場合によっては『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』という考え方も大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 22Nov
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑭:規制緩和の実態④

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑭:規制緩和の実態④ ところが、そのような事実は見向きもしないで、『農協改革』が行われました。まずはデフレで需要不足、それに加えて輸入品の激増です。アメリカだけではなく、中国からの野菜の輸入なども激増しています。その結果、農家は儲からないので、人手不足が深刻化しました。そして、政府は農家の所得向上のため、即ち食糧生産能力を引き上げるため、あるいは生産性向上のためにお金を使うべきところですが、緊縮財政だからできないということになります。その代わりに、規制緩和、自由貿易だということで、農協改革が必要だということになるのです。具体的には、農協を解体して、全農を株式会社にし、金融部門も株式会社にして切り離して、準組合員は縮小するという話なるわけです。この目的は、別に日本国民のためでも日本の農家のためでもなく、米国の穀物メジャーカーギルが、例えば「全農を支配下に置きたい、金融部門を株式会社化して設けたい、準組合の共済の保険市場を取りたい、農協が今まで提供していたビジネスに参入して儲けたい。」ということなのです。基本的に『グローバリズムのトリニティー』というのは、だいたい“真の目的”というのは知らせないような形で進められるため、私たち一般国民には、本当のことがわからないうちにどんどん事が進んで行くこととなるのです。 例えば、全農の株式会社化です。全農というのは、実は極めてグローバルな事業体で、アメリカに複数の子会社を所有し、毎年数百万と膨大な配合飼料や小麦、大豆などの穀物を輸入して、日本だけではなくて中国とか他の国々にも売っています。売り先が多いのは、その方が、仕入れる時の購買力が高まるからです。特にアメリカのメキシコ湾岸のニューオリンズに全農グレインという、単一の穀物エレベーターとしては世界最大の会社を保有しています。全農グレインはアメリカの穀物農家と契約して、IP ハンドル、これは遺伝子組み換えです、これは遺伝子組み換えではありませんというような管理をして、それで買って輸出しています。遺伝子組み換え穀物だけを売りたいカーギルのビジネスが全農グレインによって妨害されている。それで、この全農グレインが、カーギルにとって邪魔なんです。カーギルとしては、全農グレインを買収したいのですが、全農グレインの親会社の全農は、農業協同組合つまり農協が組合員の協同組合連合会で、株式を上場していないため買えないんです。そこで、全農の株式会社化ということを考えたわけです。日本の規制改革会議のメンバーが「全農もグローバルなビジネスが展開できるように、株式会社にするべきです」と言い出したのです。全農は既にグローバル事業体なんです。ところが、こういうような発言が報道機関でバーッと流れて、「そうだな。全農もグローバルに対応するために、株式会社にする必要があるよな」ということで、実際に2020 年以降は株式会社にできますよという形の農協改革が実施されました。 もちろん、全農を株式会社化すると言っても、農協(農業協同組合法に基づく法人であり、事業内容等がこの法律によって制限・規定されている)をひっくり返さなくてはいけないから簡単ではないんですが、論理上できるようになってしまった。実際に全農を『株式会社』にして、『株式の譲渡制限』を外せば、その途端にカーギルが買うでしょう。ただ、カーギルとしては、全農を株式会社にするという道筋を作ったけれども、直ぐにはできないし、時間がかかる。それよりも、とにかく邪魔なのは全農グレインで、全農グレインが欲しい。全農ではないのです。そうなると、全農グレインを全農に売らせればいい、そのためには、全農の経営を悪化させればいいということになります。全農自体が猛烈な赤字の組合にしてしまえば、全農グレインを手放さざるを得なくなる、その時に買えばいいとなります。 農家が使用する肥料の農協の割合がだいたい70%で、そのうちの全農のシェアが60%だから、42%ぐらいの肥料が全農から農家に提供されています。また、農家の使用する農薬については60%が農協で、農協のうちの40%が全農だから、24%ぐらい全農のシェアがあります。この点について、「全農は、農協や農家に対して独占的な立場を利用している」のが問題だと言われたんです。「全農は、生産資材を高く農協や農家に売りつけている」「全農の消費者機能、要は、配合飼料とか農薬を仕入れて農家や農協に販売する事業を禁止するべきだ」と言い出したのです。 しかしながら、そもそも全農のシェアは、先に見た通り、肥料で42%、農薬で24%ほどで、全く独占事業体などではありません。独占状態でもないのに高く売ることは、農家がより安い他社から買うこととなるだけの話であって、それ自体問題にはなりえません。全農は高く売るということを問題視されて、消費者機能を廃止すべきだとされたのです。ただ、最終的には、これは通りませんでした。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉘ (10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”②」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには場合によっては『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』という考え方も大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 15Nov
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑬:規制緩和の実態③

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑬:規制緩和の実態③ さらに、農協はさまざまなサービスを農家に対して提供しており、そのサービスへの参入を狙って農協そのものをつぶそうとします。農協は、これまで農林中金やJA 共済が黒字で、それらがあるから、農協全体ではその経済事業が赤字でも何とかやってこれているという仕組みになっていました。そこで、「農林中金とJA 共済は、これを切り離してそれぞれ株式会社にしてしまえ」と言い出します。すると、そこに投資した人はぼろ儲けする一方、農林中金やJA 共済の黒字がなくなって、農協はつぶれます。そこに、これまで農協が提供していたサービスに外資が新規参入していくというわけです。 我が国は今、穀物自給率、食糧自給率が悲惨な状況になっています。2013 年の穀物自給率で言えば、日本は28%です。つまり、外国からの輸入が止まると、日本の穀物の7 割以上は供給されなくなるわけです。もちろん米は100%ですが、小麦とか大豆とかは来なくなる。醤油も味噌もパンも作れなくなるのです。これは、“食糧安全保障”という観点からみれば大きな問題だといわなければなりません。 日本の農業のGDP、つまり農業の需要は、94 年は8 兆円ぐらいだったのが、今5 兆円前後で”拡大しておらず、横ばいです。つまり、今農業はデフレギャップで『需要が足りない』、ところが他方で穀物自給率は3 割を切っている、つまり『供給力不足』に見えているのです。ここに“歪み”があるのです。 本来、穀物に対する需要はもっとあるのですが、小麦も大豆も「自由化」してしまうと、外国の、特にアメリカの小麦や大豆に日本の農家は勝てないから、みすみす市場を奪われて、穀物自給率が3 割切って供給力不足に見えている、ところが、農業全体では需要不足という、歪んだ状況になっているわけです。本来、日本の政府が国民のことと農家のことを考えるならば、諸外国がそうしているように、外国からの農産物の輸入は規制しなくてはなりません。せめて穀物だけでも。穀物自給率を100%満たすまでは、外国から穀物を入れないとすべきなのです。(WTO 違反の問題が生じますが、安全保障上の問題など理由をつけることが可能です。)外国からの穀物の輸入を禁止したら、総需要は拡大します。外国に頼っていた分を日本の農家が生産しなくてはいけなくなってしまう、つまり需要が拡大することになるのです。さらには、政府自ら、この農業の需要不足を埋める。外国からの輸入品を止めて、今、日本中に休耕地、耕作をやめてしまった耕作放棄地が多いから、そこで全部生産をさせる、余ったモノは全部政府が買い取って、援助で外国にあげる。それで、このデフレギャップを埋める。それで、農業や農家の生産能力が拡大していくから、日本の食糧安全保障は強化されます。そのために政府は農家にお金を使うべきなのです。 ここで、「いや、日本の農家は保護されている」という反論がありますが、それは誤りです。実際、各国の農家の所得に占める補助金の割合を見ると、日本は、2013 年の数字で3 割ですが、アメリカ35.2%、スイスは100%を超えています。フランス94.7%、ドイツ69.7%、イギリス90.5%、他の国は政府がお金を使って、農業を保護しているのです。そうしないと食糧安全保障が問題になるとわかっているからです。 アメリカは、補助金で見ると意外と低いように見えますが、農業の産出額(GDP) に占める農業予算の割合を見ると、日本は38.2%で主要国最低であるのに対して、アメリカは75.4%で、逆にトップです。実は、アメリカはGDP の7 割以上の予算を使ってWTO で禁止されている“輸出補助金”を、いろいろな理由をつけては出しているのです。“輸出品”にだけ補助金をつけるとWTO 違反になってしまうので、アメリカ国内の農家すべてに対して、生産価格を保証するという“大義名分”を立てて、予算を十分に使っており、その結果、アメリカの農家はダンピングして輸出しており、それ故国際競争力があるのです。それを日本が買って日本の農家がつぶれたということです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉗ (10)“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”①」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには場合によっては『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』という考え方も大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 08Nov
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑫:規制緩和の実態②

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑫:規制緩和の実態② まず高額医薬品についてですが、財務省は保険の対象外にすることを提案しています。高額な医薬品は、“費用対効果”を勘案して、公的保険の対象から外すべきだと言うのです。すると、政治家は、“規制緩和”をして「民間の保険サービスへの新規参入を拡大すること」を主張し、「高額医薬品は民間の保険サービスが対象としてくれればよい」と言うのです。そうなれば、間違いなくアメリカの医療保険会社が新規参入してくるでしょう。彼らは、保険料はできるだけ徴収するが、保険金はできるだけ払わないということで、悪名高いと言われています。この点、混合診療も同じです。 ちなみに、橋本政権の金融ビッグバンの前は、保険サービスへの民間参入はできませんでしたが、医療保険を“がん”について解禁しました。その結果、アメリカの保険会社、アフラックが日本市場を席巻することになりました。アフラックはアメリカの会社ですが、アフラックの利益の9 割は日本市場から得られていると言います。さらに、郵政民営化された後、かんぽ生命ががん保険に参入しようとした際、アフラックは、アメリカの政治家経由で日本の政治家(麻生財務大臣)に圧力をかけ、かんぽ生命について、がん保険サービスへの参入を断念することとなったのです。規制緩和により本来“自由競争”となるはずであるにも拘らずです。かんぽ生命は、信用力が高いので、かんぽが本気でがん保険の市場に参入したら、アフラックの市場は相当食われることとなるが、それは許せないというわけです。それどころか、かんぽ生命がアフラックの“下請け”となって、代理店としてアフラックの保険を売るという“奇妙な”結果になりました。結局、アフラックが儲かるわけです。“自由競争”と言いながら、実際は特定企業、特定投資家の利益最大化のために、そういう“大義名分”が唱えられているだけだということがこれでわかります。私たちは、このような一見誰も反対することのできない“大義名分”を掲げて“改革”が行われるような場合には、注意しなければなりません。そのような“目くらまし”に誤魔化されず、その実態、つまり、それによって、お金の流れがどうなるのか、結局誰が得をすることとなるのか、ということを注意深く見る必要があります。騙されないために。 我々の普通の生活を維持するための必須のサービス、ソフトウエア的なインフラストラクチャー、ここが一番今狙われていると言います。その理由は、日本はデフレなので、基本的に需要不足で、ビジネスの拡大はしにくいわけですが、このソフトウエア的なインフラの部分というのは、デフレであっても、人間が生活をしている限り、常に一定の需要があり、需要が減らないところだからです。例えば、農業や医療です。いずれも需要が減りにくいので、構造改革、規制緩和、自由貿易の標的になっています。そこでは、“緊縮財政”だから、政府はお金を使えない、それなら“規制緩和”により参入障壁を取り外して、“外資”を含めた民間の新規参入を認めることで対応しようという“理屈”になっているのです。 その典型が、農協です。まずは、『組合員が農家である正組合員以上に準組合員が多いというのは、おかしい』と言い掛かりをつけて、『この準組合員には、例えば共済とか農林中金を使えないようにすべきだ』と。これはもともとアメリカが言い出したことで、農協は政府から言われて、しぶしぶ準組合員を減らしました。すると、今まで準組合員が入っていた保険市場(JA 共済)に巨大な空白ができる、そこで、アメリカの保険会社がその保険サービスを売り込み、ビジネスを拡大していくというわけです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉖(9)企業は社会の公器」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには『企業は社会の公器』という考え方が大切であると言います。この考え方について解説します。

  • 01Nov
    • 私たちは“仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑪:規制緩和の実態①

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑪:規制緩和の実態① 『緊縮財政』『規制緩和』『自由貿易』の3つは、政策パッケージで、常に同時に推進されるものだとして、三橋貴明氏はこれらを『グローバリズムのトリニティー』と呼んでいます。その理屈は以下の通りです。 まず、『国の借金で財政破綻する』と、財務官僚が言うと、『もはや政府はお金を使えない。』『緊縮財政だ』ということになり、『もはや公共サービスも維持できない』ということになります。そこで、「民間活力導入だ」「公共サービスは民営化するか、規制緩和して民間に任せましょう」と政治家が『構造改革』し、『規制緩和』すべきだと主張する。すると、そこに外国のグローバル企業がやってきて、『外資にも市場を開放すべきだ』『自由貿易でWin-Win となる!」と主張するのです。このように、『緊縮財政』『規制緩和』『自由貿易』が、三位一体で行われるというのが、グローバリズムの本質だと言います。 では、グローバリズムは『経済成長』や『Win-Winの結果』をもたらすのでしょうか? 現在需要不足で供給過剰のデフレ下にある日本においては、“需要を増やすこと”が必要なのですが、このグローバリズムによって決してパイ(需要)が大きくなるわけではなく、むしろ逆に縮小すること、その一方で『規制緩和』と『自由貿易』により供給サイドが増えて“小さくなったパイ”を取り合う“苛烈な競争”となります。そうすると、新規参入してくる、“強者”、つまり日本の大手企業か外資系のグローバル企業が結局儲かって、“弱者”(それまで規制により保護されてきた)は“淘汰”され、あるいは、格差が広がり“固定化”されるという結果を招きます。その最も重要な問題は、国民が幸せにはならない、むしろ“貧困化”していくということです。 ハジュン・チャンは、新自由主義にもとづくグローバル化が決して経済成長をもたらさなかったことをデータで検証しています。(『グローバリズムが世界を滅ぼす』エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、中野剛志、藤井聡他) 過去の歴史を学び、実際のデータを見れば、驚くべき現実が見えてきます。私たち日本国民は、表面的に語られる“大義名分”によりその本質が隠され、見えなくされて、それをいつの間にか受け入れてしまっている、つまり、“洗脳”されているのです。その意味で、本稿のテーマである、現代における“壮大な虚構”に基づく“仮想現実の世界”の中に私たち日本国民は追い込まれ、閉じ込められ、その結果、深刻化するデフレ不況から抜け出す手立てを奪われた状態で、何の“疑い”もなく、過ごしているわけです。具体的に何が起こっているのか、つまり、日本の市場が如何に外資のグローバル企業に搾取される結果となっているか、あるいは、近い将来そうなるということについて、以下三橋氏の解説により、分野毎に見て行きましょう。 まずその前に基本的に理解しておくべきことは、すべての分野において使われている重要な“理屈(レトリック)”は、『国の借金は1000兆円!このままでは財政破綻する!』『だから緊縮財政を守って、財政支出を削減しなければならない』という“緊縮財政”からの財政支出の抑制の必要性ということです。そして、それが全くの誤りであることは既に述べた通りです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉕(8)衆知を集めること⑤:下意上達②」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには『衆知を集めること』が大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 25Oct
    • “仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑩:コーポレートガバナンスの強化⑤

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑩:コーポレートガバナンスの強化⑤ グローバル化による利益を一人占めしているのは、強者たる欧米のグローバル企業、そして、ロンドンのシティや米国ウォールストリートのグローバル金融資本であり、実はユダヤ人金融資本家だと言われています。元駐ウクライナ大使の馬渕睦夫氏によれば、世界を動かしているのは、実は『ディープステイト』と呼ばれる影の支配者たちであり、米国においても、100年ほど前のFRBの創設により米国の金融を牛耳って以来、歴代の大統領を就任させ、また、影からコントロールをしているのだと言います。そして、その『ディープステイト』正体こそ、ユダヤ金融資本です。私たちはアメリカの支配階級(いわゆる“エスタブリッシュメント”)は、元々イギリスから渡ってきた、いわゆるWASP(White Anglo-Saxon Protestantホワイト アングロ‐サクソン プロテスタント)の人たちだと思い込んでいますが、既にユダヤ金融資本家に取って代わってしまっているというのです。米国における人口はわずか5、600万人にすぎないユダヤ人が米国の金融、学会、マスメディア、司法、CIA、娯楽産業を支配してきました。  自らの祖国を持たない彼らユダヤ人勢力の目指すものは、国家というものを無くし、世界統一政府を樹立することだと言います。そのために、これまでも1917年のロシア革命の支援から始まって、中国毛沢東の共産主義政府を支援し、日本のGHQによる占領政策において社会主義化を進めるなど、世界の歴史の重要なところで、介入をしてきたのです。そして、現在は“新自由主義”などを理論的背景として、“グローバル化”を推進しているのです。“グローバル化”は、国民主権、民主主義を前提とする主権国家を無くすことを意味するのです。これらの点について、詳しくは、馬渕睦夫氏の著書『知ってはいけない 現代史の正体』をご覧ください。歴史の見え方が全く変わります。ここでは、その結論の部分だけ、引用させていただきます。 そのようなユダヤ人グローバル資本によるアメリカの支配と政治は、彼らグローバル資本の利益を実現しようとするものであって、決してアメリカ国民の利益になるわけではありません。そのような不満がアメリカの白人労働者を中心にうっ積してきていました。彼らは、NAFTA(北米自由貿易協定)により、米国企業がメキシコ北部国境地帯にマキラドーラという保税加工制度を利用するために工場を米国内から移転すると、失業することとなり、あるいは、安い賃金でも喜んで働くメキシコから流入してくる移民によって仕事を奪われ、また、底辺に向けた賃金の切り下げ競争を強いられてきました。 このようなワシントンでのグローバル金融資本による自分たちの利益のための米国支配と政治に対して、明確に反旗を翻し、アメリカの政治をアメリカ国民のためにワシントンから取り戻すと主張し、大統領に就任したのがドナルド・トランプ氏だったのです。『アメリカ・ファースト』とは、『反グローバリズム』であり、『アメリカ国民のための政治』を意味しているのです。グローバル金融資本はCNNやABCなどのテレビ放送やウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズなどの新聞など主要なマスメディアをも支配しており、トランプ氏を“人種差別主義者”と決めつけたり、その奇行を非難したり、誹謗中傷する記事を次々と書いて、国民から引き離そうとしています。また、FBIを使ってロシアンゲートと呼ばれる疑惑を作り上げてトランプ氏を追い落とそうとしました。これは、2016年の米国大統領選挙において共和党のドナルド・トランプ候補(当時)を勝利させるために、ロシア連邦がサイバー攻撃やSNSを使ったプロパガンダの手段を用いて行ったとされる一連の世論工作、選挙干渉があったとされる事件で、ウォーターゲート事件でニクソン大統領を辞任に追い込んだときと同じ手法が使われたと言われています。 そして、イギリスのEU離脱やフランス初めEU加盟各国での極右政党の躍進も、EUというグローバリズムに反発し、自国の主権と民主主義を取り戻そうとするうねりが世界に広がっていると捉えることができます。EUでは、選挙によって選ばれたわけではない欧州委員会という行政機関が巨大な権力を持ち、そこで決定されたことが各加盟国に降りて来る、そこで自国民の反対意見、つまり民主主義は無視されるわけです。ユーロの統一によって、各加盟国は、自国通貨の発行権を返上し、自国の独自の金融政策や財政政策を採用する自由を失ったのです。その結果、ギリシアは財政破綻することとなりました。 すなわち、世界は『グローバリズムはいいことだ』という『巨大な虚構の世界』に気づき、それを打ち消す『反グローバリズム』の動きが 確実に広がりつつあります。そのような中にあって、日本だけが、未だに『構造改革』『自由化』『民営化』『規制緩和』の名の下に周回遅れの『グローバル化』に猪突猛進しているというのが実態です。つまり、日本は未だ『巨大な虚構の世界』から抜け切れず、むしろその中へ中へとはまり込んで行きつつあり、それらによって、さらにデフレ化が進み、国民の“貧困化”に突き進んでいるのです。 ======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉔(8)衆知を集めること④:下意上達①」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには『衆知を集めること』が大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 18Oct
    • “仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑨:コーポレートガバナンスの強化④

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑨:コーポレートガバナンスの強化④ 実は、この『コーポレートガバナンスの強化』の前に、アメリカの圧力を受けて、2006 年 5 月に施行された会社法において、グローバル資本が従来より容易に日本企業を買収することができる仕組み、いわゆる“三角合併”が解禁されました。この方式は、簡単に言うとA社がその子会社のa社を通じてB社を吸収合併しようとする時、従来はa社の株式による対価の支払いしか認めていなかったものを、親会社A社の株式を交付することで対価の支払いに充てることを認めるものです。a社がB社を吸収合併し、その支払をa社の親会社であるA社がA社株式で行う構図になっていることから三角合併と呼ばれています。 従来外国の企業は日本の法律上の会社とみなされていなかったため直接日本企業を買収することができず、日本企業を買収する際は日本に現地子会社を設立し、その会社を通じて日本企業の子会社化や吸収合併をするという手順を踏んできました。ところが日本に設立したばかりの子会社は与信も資金力もなく、買収資金を現金で用意するのが困難でした。しかしながら、この三角合併の方式によれば、例えばグローバル企業は、現地子会社を通じて三角合併の手法を活用すれば、現金流出を伴うことなく自社の株式を交付して国境を越えたM&Aを実施できるようになったのです。つまり、この際a社は必ずしも自己保有の自社株(いわゆる金庫株)をB社株主への支払いに充てる必要はなく、新株を発行してB社の株主に交付することも可能なため、通常多額の現金が必要になるM&Aを実施するにあたりキャッシュを一切用意する必要が無いことから、大変魅力的な手段と言えるのです。 三角合併そのものは、外国企業のみを前提とする手法ではなく、日本企業同士で実施することもできますが、この法改正が、元々吸収合併に際しての対価の支払いに自社の株式ではなく親会社である外国企業の株式を充てることを認める法改正を求める外国企業の要望の高まりに応じる形で行われたという経緯があります。  また、三角合併を実施するには双方の会社の取締役会の決議と株主総会の特別決議の両方を経る必要があることから、通常は敵対的買収の手段にはなり得ず、基本的に友好的なM&Aの手段と言われています。しかしながら、例えば、外国資本が魅力的なプランを資本市場に提示して、経営陣に検討するよう圧力をかけ、買収提案者が多数の株主から支持を得た場合、株主総会で委任状争奪戦を仕掛け、B社の株式2/3以上を買い占めてから敵対的買収に乗り出す可能性もないとは言えません。先に述べた『コーポレートガバナンスの強化』は株主の権利を強化することによって、それを促進するという側面があるのではないでしょうか。 このように考えれば、この会社法による“三角合併”の導入によって、欧米のグローバル企業が日本企業を合併し易くなったわけです。 これまでは、外国資本による三角合併の実例は少なかったわけですが、先に述べた日本政府による『グローバル化』『構造改革』『規制緩和』『自由化』『民営化』などによって、日本の市場の規制が次々と取り払われ、あるいは、緩和されて、日本市場が解放されて行くと、グローバル資本による三角合併を利用した日本市場への参入ということがより現実的になってくるのではないかと危惧しています。 このままでは、日本も韓国の二の舞いとなってしまいかねません。韓国では政府の政策もあって、ごく一部の財閥企業グループだけが事業に成功していますが、その財閥企業はと言えば、その株式の多くを外国投資家によって保有されており、サムスンの場合で言えば既に外国投資家が過半数(普通株式:50%/優先株式:75%)を保有しているのです。つまり、韓国企業とは名ばかりでその実態は、欧米のグローバル投資家の所有する企業と化しており、それらの企業が如何に利益を上げても韓国国民に還元されること(賃上げなど)はなく、そのほとんどを株主たる外国資本に利益還元(利益配当や自社株買い)として持って行かれてしまうのです。韓国の国民は益々貧困化して行くばかりです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉓(8)衆知を集めること③:上意下達、下意上達②」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには『衆知を集めること』が大切であると言います。この考え方について、解説します。

  • 11Oct
    • “仮想現実の世界”に生きている! 9)現代における仮想の世界⑧:コーポレートガバナンスの強化③

      私たちは“仮想現実の世界”に生きている!9)現代における仮想の世界⑧:コーポレートガバナンスの強化③ そのことは、本家本元のアメリカで何が起こっているかを見れば一目瞭然です。 アメリカでは、株主権が強くなり過ぎて、短期志向を抑制するどころか、それが行き過ぎて歯止めがかからなくなっているというのが現状なのです。具体的には、中長期の研究開発投資や従業員の賃上げよりも、株式配当や自社株買いなどによる株主への還元という株主にとっての『短期の利益』が最優先し、利益の多くを株主に持って行かれてしまっているのです。その結果、中長期の研究開発投資をすることができず、また、従業員の賃上げもなかなかできないという状況です。例えば、米国の代表的株式指数S&P500の内459社はその利益の94%を配当又は自社株買いによって株主に分配していたと言います。最近の例では、利益配当と自社株買いの合計は、ヒューレット・パッカード 168% / Time Warner 280% / Fazer 137% / Microsoft 119% / P&G 118%にもなっています。米国では『株主価値の最大化』が将来への開発・設備投資や従業員の賃上げを抑制し、“絶対的な株主最優先策”が常態化しているのです。 そのような傾向は、ヨーロッパでも同様で、S&Pヨーロッパ350の内86社の株主への配当率は利益の89%にも上っています。 また、アメリカを始め諸外国では、いわゆる『アクティビスト・ファンド』というものが活発に活動を展開しています。彼らは、絞り込んだ対象企業の株式を数%程度取得し、その企業の精緻な事業・財務分析を行って、対象企業の経営者に対し、短期的な株価の上昇につながる質の高い経営改善を突きつけることで、業績改善や株式価値の向上を実現し、株価を引き上げた上、概ね1年程度で株式を売り抜けます。対象企業に対して“物言う株主”として派手な経営改革キャンペーンを展開したり、また、株主総会における委任状勧誘戦を仕掛けるなど、対象企業に主張を通すために段階的にレベルを上げた対応をしていくのです。基本的には“短期志向”であって、ヘッジファンドであることから、運用を委託された投資者から比較的高い運用収益を上げることを期待されており、ファンド・マネジャーの成功報酬も運用収益にリンクします。それ故、アクティビスト・ファンドは、基本的に“短期志向”であり、株式保有期間は概ね1年程度で『会社の持続的な成長』に寄与する存在ではありません。 『コーポレートガバナンスの強化』は、これらの『アクティビスト・ファンド』のために“武器”を用意しているようなものです。このような連中が日本に“株主”として押し寄せ、“建設的対話”と称して、『短期的な株価の上昇につながる精緻に分析された質の高い経営改善を要求する』ことが予想されます。企業側がその要求に応じて経営改善を行い、株価が上がれば、彼らは保有する株式を売って利益を確保しますし、企業が経営改善の要求に応じなければ、利益の株主への還元(利益配当や自社株買い)を強く求めるというわけです。======================================ホームぺージ「経営の神様松下幸之助の経営哲学-すべては心の持ち方次第-」の方もぜひご覧下さい。/最新の記事は、「6.補論①失敗しない経営:リスクマネジメント㉒(8)衆知を集めること②:上意下達、下意上達①」です。現パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助は、自身の経験から、従業員たちを路頭に迷わせるということだけは決してしてはならないと強く決意し、その責任感から、『失敗しない経営』を常に意識してきました。そのためには『衆知を集めること』が大切であると言います。この考え方について、解説します。