父の唐辛子と母の蜜柑 | 自転車から今日は♪

自転車から今日は♪

坂道の多い所に住んでます。
愛用のママチャリで鼻歌歌うのが大好きです。
小さなおうちでの生活をのんびり綴ってみたいと思います♪

唐辛子。

 

和食器の図案でお見かけするスパイスですが

災いを避ける魔除けと幸運を呼びこむ、

大変縁起の良いモチーフだそうです。

 

実家の父が家庭菜園で育てました。

趣味を通り越してかなり本格的に取り組んでます

 

唐辛子パワーで皆様の元にも、これからは明るい希望が

訪れますように…

 

 

 

 

実家から家に帰る日のお昼ごはん

 

皆でうどんを食べていると

 

父がおもむろに小瓶をもってきて

 

一味あるぞ。

どうだ、オレの唐辛子だ

 

と目の前でチラ見せしながら

うどんにその一味唐辛子をフルフリしはじめた。

これは美味しいものを紹介する時の

父のいつものクセだ

 

私と息子は、目を輝かせ

 

おお~ 我々もその一味唐辛子が欲しいです

すこしわけてもらえませんか

 

となりました。

 

 

だったら、新しいのを作ればいいと

ネットに入った乾燥された唐辛子が

ドサリとテーブルに置かれた。

 

この中から色のいいヤツを選ぶといい。

粉にするなら、種は取り除け

 

その様子を横目で見ていた母などは

 

 

そろそろ帰る時間なのに、何やってるのよ!

 

それより、みなみっ!

荷物はちゃんと詰めたの?

忘れ物ないようにしなさいっ

 

あーもぅ!お父さん!

これから白菜漬けつけるんだから、少し残しておいてよ!

 

ちょっと写真とか、なにやってるのよ、みなみ

写真なんて今とらなくていいの

全く今の人はなにかっていうとカメラなんだから

もっと他にやることあるでしょう

 

とまぁドタバタで^^

 

 

 

 

 

母に叱られつつ、わけてもらった父の唐辛子。

 

半分は粉にして一味唐辛子にして

残りはペペロンチーノにでも使いましょうか

 

だけど今年は厄除けとして飾った方がいいのかな

 

 

そして、もうひとつご紹介したいのが

こちらの蜜柑。

 

昨年植えたばかりの蜜柑だそうです。

 

 

 

 

この蜜柑の木には、母の中の物語というのがありまして

二代目の蜜柑になります。

 

 

 

 

私の実家には母ご自慢の蜜柑の木が数年前までありました。

 

息子こみなみが私のお腹にいるときは

庭の蜜柑をよく食べましたし

 

実家に帰省したときは、息子はこの蜜柑を

ハサミで切って大喜びしていて

 

母曰く、この蜜柑を食べれば

どんな病気だって必ず治る

なぜなら、子供も孫もみんな元気で育ったから

 

というんですね。

 

ところがその蜜柑はある年、信じられないくらいの

たくさんの実をつけた後

根腐れをおこしてしまったの枯れてしまいました。

 

母は私に、アナタがどうしても

蜜柑が食べたいのであれば

もう一度庭に植えてあげてもいいけれど

 

ってかなり上から目線で言ってこられ

その時は、大して興味もなかったので

 

管理するのも大変だし、植えなくていいよ

 

と言ったんですね

 

けれど自宅に戻ってその時の話を

自分のブログで書き始めた時

改めて母の想いを考えた時

その蜜柑がどれほど大切なものだったかを

その時気づいたんです。

 

 

近況報告の電話のやりとりの中で

 

お庭の蜜柑、食べたいわ

管理は大変かもしれないけれど植えてほしいわ

 

と私が言いますと、母はすぐに

蜜柑の苗木を用意して植えたのだそうで

 

いい?この木は、アナタが私に蜜柑を植えろ

っていうから植えたんですからね。

 

私はもう長くないんだから、管理はどこまで

できるかわからないけれど何かあったら

この蜜柑の木はあなたにまかせます。

 

と厳かに宣言されたのでした。

 

ああ、やっぱり母にとって蜜柑というのは

特別なものだったんだなぁ

 

本当は庭に植えたいけれど、植えた後が心配で

だから私に背中を押してもらいたかったんだ

 

ここは私も、母の物語にのっかって

庭の蜜柑がまた食べたいとせがんだ

我儘でちゃっかり者な長女の役を

演じきろうじゃないか

 

 

そう思いましたよ。

 

私が小さな蜜柑の木の前に立つと

ひとつだけビニール袋にくるまった実があって

これは苗木に初めからついていたものだけど

貴女にとってほしいと思ってこうしておいた。

 

と母から話された。

 

母は、尾田栄一郎氏の『ワンピース』の物語を

知らないはずなのに、母と娘の蜜柑STORYを

作りたがるのねぇ

 

などと私は心の中で思う。

 

尤も私は成人した息子を持つオバチャンなので

ヒロインのナミさんとは立ち位置は違うのだが

 

 

この蜜柑の木

母に変わって今度は私が守らなくちゃな

 

 

そんなことを思った2024年のお正月でした。