映画「人間失格」&筋子納豆【追記あり】 | 自転車から今日は♪

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小さなおうちでの生活をのんびり綴ってみたいと思います♪

鮭缶が丼の中にあけられた。

太宰はその上に無闇と味の素を振りかけている。

「僕がね、絶対、確信を持てるのは味の素だけなんだ」

 

檀一雄 『小説 太宰治』より

 

 

ネット読書会 太宰治「斜陽」

 

そもそも太宰治をとりあげるきっかけになったのは

檀一雄の「火宅の人」に太宰治が登場して、

 

9月に彼に関連した映画があるぞ~ 

だったら映画と小説コラボみましょうか

 

というこんな流れでスタートしました。

 

早速ご覧になった、ジェーンさんの感想は

 

”笑止” の一言 笑

 

横丁の住人たちはその先が

気になって仕方がありません

 


 

ネット読書会で、太宰治を取り上げるのなら

私は小説に登場する料理か、太宰先生の好物の紹介記事を

書きたいなと思いました。

 

ですから、映画を観る時は

食事のシーンには太宰センセの好物が

登場しているかなという点に注目してたところ、

太宰治の最後の女二階堂ふみさん演じる富栄が

奮発して毛ガニを買うシーンが登場します。

 

太宰治が好きな食べ物というのはいくつかあるのですが

実は毛ガニもそのひとつです。

 

あははー 毛ガニできたかー

 

と私は苦笑い。

毛ガニは高いんだよなぁ

でも、ちゃんと太宰治の好物を調べて

映画を作っているんだなぁと思いました。

 

これを買ったら来月生活できないわねと

寂しそうに笑いながら、未来を暗示させるかような伏線として

登場していた毛ガニちゃん

 

 

富栄は虎の子の貯金二十万円を切り崩して、

男ゴコロは胃袋で掴め作戦に挑みますが

太宰は毎月200万くらいを使ってしまうような

お金に無頓着の男でした。

 

1年に1万円あれば十分に暮らせたこの時代

斜陽の印税で2000万円くらいはあった筈なのに

所得金額の申請は怠ってとんでもない課税をふっかけられて

いろんなフラグがたちまくりです。

 

 

 

太宰治の好物は他にもあのよねぇ~

 

私は自分のブログ用に、太宰治にまつわる食べ物の箇所を

調べていましたので、いつの間にやら小姑

 

そしたら、富栄ちゃんてば私の心の呟きを

聞いたかのように、映画の中で

こんなこと言い出すんですよ

 

あなたの好きなものは知ってるわ

鰻でしょう… 

 

とかなんとか言いながら太宰の好物の品々を

次々に口にするんです。

 

うわー この発言はイタいわー

この人、やってることがまるで私じゃないと思いながらも、

ニヤニヤはとまりません。

 

そうなんだよ、富栄ちゃん 

よく知ってるじゃないの

太宰クンは鰻も好きなんだよね。ついでにドジョウも

檀一雄先生も「檀流クッキング」の中でもそれは言ってるし

ネマガリタケがね~ 入手困難なんだよね~

 

と心の中でつぶやく私

反応するところ、そこじゃないですよね

スミマセン^^

 

貴方の好物、私がみんな食べさせてあげるわ~

 

と恋に溺れた女ができあがりってことにしとかないと

話が展開しないと先が続かないので本編に戻りますが

 

富栄ちゃんがこうまでもヤンデレってしまっているのは

愛人その2の「斜陽」のモデルの太田静子が、太宰の子供を

出産しちゃったことにあるようです。

 

静子が自分の娘に本妻の子供にも使わないでいた

太宰治の「治」の字もらってることが気に入らないのね

 

 

静子の日記を元に「斜陽」が誕生したのは有名な話ですが

調べてみたら、青空文庫では富栄ちゃんの日記をまとめた

「雨の玉川心中 太宰治の愛と死のノート」

が読めまして、これがなかなか

 

静子の方も日記を書いてますし

映画のセリフはこの日記の言葉を使って

いたのだなぁと思いました。

 

読書会のメモとして、晩年の太宰先生のクズっぷりを

時系列にまとめてみました。

 

 

 

【1947年1月】 

太宰の昔のオンナ、静子の日記をロックオン。

1万円で打診するが却下される。

 

【2月】

太宰は日記をみせてほしいと、6日間伊豆の「雄山荘」に滞在。

静子、太宰の子種をゲットして祝☆着床
 

【3月】 

静子 私、妊娠しました宣言

本妻 美知子 次女里子を出産。

太宰、富栄と知り合う

 

【4月】 

太宰とトンズラして連絡とれず

悪阻で苦しむ静子さん

 

【5月】 

太宰、富栄とねんごろに。

静子、弟の通を伴い太宰と出産の相談。

 

【6月】 

「斜陽」を完成。

 

【8月】 

「ヴィヨンの妻」完成

 

【11月】 

静子、後に作家となる治子さんを出産。


 

【1948年3月】 

「人間失格」執筆開始

 

【5月】 

「人間失格」完成

 

【6月】 

太宰、富栄と玉川上水に入水自殺する。

 

 

 

こうして纏めると、映画はほぼ史実にそって作られているんですよね。

 

 

注目するところは1947年5月です。

太宰、静子、弟の通は、出産の話をするため

太宰の馴染みの店で会うことになるのですが

例によって太宰の編集者が乱入して酒宴になってしまいます。

 

面倒くさい問題をうやむやにしたかった太宰はこれ幸いと

その状況を利用するのですが、それを見兼ねた現愛人の富栄が

静子のために食べ物を注文するんですよ。

 

どうして富栄が店にきたかというと、太宰が頼んでいたウイスキーを

私が持っていくわと編集者のかわりに届けにきちゃったからなんですね。

 

富栄は静子が「斜陽」のモデルであることは知っていても

太宰の子供を宿していることはこのとき知りません。

 

一人の男をめぐり、愛人二人が顔合わせを

相手の顔を知ってしまった二人の女性

 

太宰さん、貴方の罪はとても大きいですよ

 

静子はお腹の子を認知してもらうものの、この日を最後に

太宰と合うことはなく、

(太宰は高額な養育費と称した手切れ金で

関係を終わりにしようとしました)

 

富栄は富栄で、献身的に太宰を支えて大切な貯金は

彼に貢いでたったの8ヶ月で底をつきます。

後に残るのは彼に恋する情念のみ

 

お金がなくなったら、自分は捨てられるのか

店で会った斜陽の人は小説と太宰の子供がある。

そりゃ不安にもなって独占したくもなるよなぁ

 

 

なんというか、お二人とも太宰なんて男と知り合ったばかりに

と思いますけど、やはり私も本妻の

美知子目線でみてしてしまうのですが…

 

本妻編は、これから映画をご覧になる

tomoyanさんの感想記事が読みたいところですね

 

 

 

さて、ジェーンさんからは

 

”笑止”

 

と書かれてしまった今作

 

 

私は有り難い事に、こんなの太宰じゃないっ!

というブロ友さんの感想記事を読んで心の準備(?)が

できていましたので、これは太宰治とは別物と割り切り

結構楽しんで拝見しました。

 

というのも、今の太宰センセの小説の表紙って

こんな感じなんですよ

 

集英社さま

デスノートの作者さまのイラスト仕様で発行部数をのばしたとか

 

 

こちらは角川さま 

 

「文豪ストレイドッグス」というアニメ(原作は漫画ななのかな)の

キャラクターがご登場

この作品私もタイトルは聞いたことありますが面白いのかな

 

今の太宰治って若い人の間ではサブカルチャー的な

アイコンになっていたのね

 

 

 

若い人についていけない、おばちゃんみなみは

 

これはこれで、いーんじゃなーい

みんな好きにやりやがれー

 

結構なげやりで

(だって太宰治のファンでもないし^^)

 

 

 

 

 

でも決してやさしくないので

 

見てくれの良さで本を手にとって

原作の救いようのない話にうちのめされるがいいと

 

クロいこと考えている私がおります。

 

名作ってこういう形で語り継がれていくんですね♡

(↑すごいテキトー)

 

 

テキトーついでに、最後は太宰センセの好物を食べてみる

味の素入り筋子納豆の紹介とまいりましょう。

一貫性のないブログで本当に申し訳ありません。

 

 

 

太宰治の文豪食べはこんな感じになってます。

 

私は、筋子に味の素の雪きらきら降らせ、

納豆に、青のり、と、からし、添えて在れば、他には何も不足なかった

 

太宰治 「HUMANLOST」より

 

 

 

 

筋子、皆さんはお好きですか?

私は嫌いではないのですが、口の中に筋がのこるのが嫌なので

いくらを食べることの方が多いです。

 

今回秋の味覚、生筋子が手に入りましたので

いくらの醤油漬けをつくるついでに、筋子の醤油漬けもつくりました。

 

自分で醤油漬をつくるとこのように、たんまりと

いくら丼を楽しめますので、私はこの時期いろいろな方に

布教活動をしているのですが、おっと、今日は太宰治でしたね

 


 

文豪食べは、納豆と筋子を混ぜず、

筋子と納豆を一緒に食べるのが太宰先生流なようです。

 

しかし、私はKAZUO飯再現のときにも書きましたが

私は納豆が大の苦手

これより先は、私の息子こみなみ氏に

レポートいただきます。

 

まずは 筋子 with 味の素

 

 

 

うん、こういうのもアリかな

でも、好みでいったら、いくらの方がいいな

味の素かけるの、いいね

 

 

どうやら、息子は私が苦手な、

いくらの筋も抵抗なさそうです.

 

初日は太宰先生のように味の素をふりふりしながら

海鮮丼をいただきました。

 

私の感想は

味の素がなくても十分おいしいぞ。

いれたら、味がくどくならない?です。

 

 

二日目 筋子納豆

 

 

 

筋子は試食用つくったのでいくらで作りました。

あぁ、貴重ないくらちゃんがと思いますが

私の好奇心はとまりません。

 

 

まずくはない。食べられる。

出されれば普通に食べるけど

自分からは率先して食べようとは思わない。

 

納豆にいれるのは別にいくらでなくても

おいしい組み合わせが他にもあるんじゃない?

 

 

とのことでした。

 

反応がイマイチなの、市販の

味付けされた筋子を使わなかったことが敗因か

 

いくらは、普通に食べるのがおいしいよ

 

そっか ありとね。感想。

 

 

 

 

山崎富栄が、太宰治に作った(かもしれない)

味の素入り筋子納豆

 

何分私は納豆が苦手なのでなんとも言えませんが

どうぞ、皆様さまはおいしく作って

デカダンな世界に酔いしれてくださいませ

 

以上みなみ家厨房よりお届けいたしました

 

 

【追記】

 

 

筋子納豆の普及に努める日本筋子納豆協会さまによる

『すじこ納豆の歌』というものを発見しました。

筋子納豆の正しい食べ方が紹介されています。

 

青森のソウルフードだったのね

(いくらではいけないらしい)

 

 

 

それから生筋子からつくるいくらの醤油漬け

私の作り方もあわせてのせておきますね

 

↓↓↓

 

 

みなみ版いくらの醤油漬けの作り方