子供の急な体調不良で休む以外は
欠勤することのなかった私がめずらしく風邪で熱をだして
仕事を休んだ。
鬼の霍乱とか言われるんだろうなぁ
迷惑かけちゃったなぁ
なんて思いながら職場復帰をしてみると
何だか嘘みたいに手厚くもてなされてお客様状態だった。
なんでこんなに皆んなやさしいの
あー よかった
先週は声が出てなかったけど
普段の声に戻ってきましたね
ｽﾐﾏｾﾝ 私は熱はでないけどいつも喉から
やられるんです。
毎年のことなんで慣れてますがね
みなみさん ちょっとかわるわ
これ途中だけど私の仕事。
続きを書いてくれる？
治りかけなんだから無理に声だしちゃだめよ
ひっ 先輩
大丈夫ですってば
これまでだって、どうにかこなしてこれたし・・
なんか・・
みんな親切・・
いったい、どうしちゃったんだよ・・
（インフルでもない ただの風邪だぞ）
人のやさしさがこんなにも心に染みる
ひょっとして今ワタシ、
みんなから思い切り
大事にされたりなんかしてる？
ありがたいなぁ
と感動しながら視線をA氏に送ってみれば
彼はいつも通りの平常運転だった。
この人は本当にブレないのね
思わず苦笑いするものの、今日は彼の秘蔵っ娘C子嬢が
一日不在なので黙々と仕事をしている。
二人のイチャつきぶりを目にすることもなさそうだ。
結構、結構
おや、今日はB子夫人もいるのか。
そうか、ご実家の事情でしばらく休職されてたけど
ようやく本格的に復帰することになったんだっけ
今までA氏とC子嬢のイチャつきぶりが目立って
そちらに注意がむいていたけど・・
うーむ こうしてC子嬢を抜きにして
まじまじとこの夫婦を眺めていると
何なのかしら
胸に感じてしまうこの違和感。
でね これはみなみさんが
風邪でお休みしている時にあった話なのだけどー
多少の風邪だろうがなんだろうが、
聞きたい、話したい、ウワサしたい話があるときは
女という生き物は、地を這ってでもお茶を飲みに出かける。
早く帰宅して家で寝てればいいのに好奇心にかられて
寄り道をした。
外部研修でA氏と一緒になった○○の部署にいる人がね
私に言ったわけ
”いったい A氏ってどういう人なのって”
外部の研修で社内の人間だからと挨拶したら
小ばかにしたような態度とられたって
そんなのｱﾉ人にとっては前からよねー
で、前から気になってたけど って言いながら、
A氏とC子嬢とのことをさぐられた
あははは
やっぱり他から見てても気になるのかな
なんだか勇気をもってみんなを代表して質問しちゃいました
って会話だね
そうなのっ！
だから私達の部署ではA氏はゲス、B子夫人は本妻
C子さんは愛人と呼ばれてるって教えてあげちゃった
だってその人A氏がB子さんと結婚していることも
知らなかったのよ
もういいんだ、私異動願い書いたし
理由を聞かれたら今の状況はっきり上司に伝えるから
職場で話せない話は外で話す。
それでも私の体調を気遣って
早めにきりあげようとしていたのだが・・
あー いたいた
やっぱりここにいると思ったよ
やってきたのは同じ部署で一緒に働く男性社員だった。
寒い中を走ってきたのか、話したいことがあるのか
顔が少し赤かった。
気のせいか目も少し潤んでいるような
病み上がりのみなみさんを、
どうして早く帰らせないんだと
上から怒られたけど、きっとここでお茶を飲むために
時間調整してるんじゃないかと思ってねー
当たりだー
彼は呼吸を整えるとこう切り出した。
帰ろうとしたら、上司につかまってさ
”どうしてボクが声を
かけたかわかるよね”
って囁かれて別室につれていかれたんだ
（ぶはっ
）←ｂｙ みなみ
）←ｂｙ みなみでさ ボクは 無抵抗でさ
『わかりました』
って言ってあの人の後についていったのだけど・・
何よその腐女子なおねえ様方が
泣いて喜びそうなBL的な展開。
思わずツッコミをいれそうになったのだが
私は品行方正な「真面目で優しいみなみさん」
自分の表キャラをかえてはいけないと
ごく普通の質問をすることにした。
異動調査に書いた文面についての聞かれたのね
で、面談する上司の○○さんは何て？
申し訳ないけれど異動の希望は認められない。
あと一年は今の部署にいてもらうからって
そこからは業務の話を絡めた内輪の話が続いた。
私達はあーでもない、こーでもないと言いながら
ではあの上司は
ABCの三人をどういう形で着地するつもりでいるのだろうかと考えた。
B子夫人退職するのかしら
あの夫婦破綻してるわよね
みなみさんも見たでしょ
本妻と愛人。
ゲスがそれぞれに話してるときのテンションが全然違う
今日は夫婦でそそくさと帰ったけど
どうみても奥さんへの点数稼ぎにしか
みえないわよねー
ボクと△△さんと男同士で子供の話をしてると
A氏も「子供はかわいいね」って言ったりするけど
あー あれはあの男のリップサービスよー
そう 違うんですよ
△△さんのところは、隠れてラインしてるものの
悪阻の奥さんを心配してのやりとりなんだよ。
うちもそう。
仕事も大事だけど、やっぱり嫁さんと子供が大事。
彼は嫁さんの実家が心配といいながら
全然心配するそぶりがないんだ。
B子さんの実家の事情があるので、
僕と業務をかえてくれとかわってみれば
ズルズルと残ってC子嬢とイチャついている
そしてこんど退職する人の仕事、あれ全部
僕のところに丸投げされそうなんだよ
それが嫌で異動願いだしたのに
妻子との時間を十分に持ちたいからという理由で
出された異動願いと、ちょっと別紙に添付されたちょっと
後ろ向きな現状報告
人のいい彼のことだ。
上司に上手い具合にのせられて
引き止められるだろうなという予想は大当たり。
異動がなくなったという事実よりも
自分の気持ちを相手に伝えることができなかったという
悔しさの方が今の彼には大きいようだった。
そんなことを感じた月曜日。
RADWIMPS 『週刊少年ジャンプ』
（コチラ限定公開のMVだそうです）
何気なくラジオをかけると音楽が流れてきた。
週刊少年ｼﾞｬﾝﾌﾟ的な未来を
夢見ていたよキミのピンチも僕のチャンスと待ち構えていたよ
少年ジャンプだなんて、思い切り
固有名詞を出しちゃうのねー
なんてことを考えながら黙って歌詞をきいていると
共に働く仕事仲間たちの顔が浮かんできた。
休み明けに見せてくれた人の善意というものに
特別じぃぃんとなってしまったからなのか
自分を気遣ってくれる仲間達にはそれぞれ守るべき
家族があって、
そういえばあの人には遠くで暮らす娘さんが
いたんだっけ
この人は親元から離れて一人でがんばっているんだっけ
それからあの人は通院しながら仕事と勉強を続けている
ものすごい頑張り屋さん。
職場の付き合いなのでお互い細部にはふれないけれど
もっと自分に力があれば
これは誰もが感じていることなんじゃないかと思う。
漫画のヒーローに憧れた少年達も今はお父さん
情けなく思えても、家族支えなくくちゃと頑張る姿は
私には十分勇者だし、ヒーローにみえるけどね
血まみれからの方がさ 勝つ時にはかっこいいだろう
だから今はボロボロの心を隠さないで 泣けばいい
青くさくていいじゃない
格好悪く、じたばたもがいているのは
女のワタシもおなじだもん
上手に立ち回ることだけが全てじゃない
で、少年ジャンプ
自分的には綺麗にまとめたつもりなのですが
ここまで書いて気づいてしまったのでした
ここまで書いて気づいてしまったのでした
私、少年ジャンプって
テレビやなにかで時々目にすることはあっても
ちゃんと真面目に読んだことってなかったかも
少年ジャンプ的な未来ってー
ｴｰﾄｫまぁ いいじゃありませんか
(〃∇〃)
（ふぃーりんぐよ ふぃーりんぐ！）
【追記】
前回のABC事件簿リブログしてみました
