本日、静岡民医連の浜松佐藤町診療所がNHKで全国放送されました。

 

テーマは、健康保険料が払えず保険証を持っていなかったり、保険証はあるけれど大きな出費ができずがまんしてしまっている人が、本当に困っているときにどうしたらいいのか、という問いかけでした。

 

普通の方なら病院に来るはずだったのに

なぜここまで悪くしてしまったのか

よくぞここにたどり着いてくれたな

 

↑↑↑ このような、医療の現場にいる私たちの実感を伝えてくれました

 

私たち民医連としては、「無料・低額診療」という、昭和26年から存在する事業によって、セーフティネットの役割を果たしています。今回は、じっさいにギリギリまで我慢して、かろうじて受診することができた実際の患者さんも取材に応じてもらえ、よりリアルに実態をお伝えすることができたと思います。

 

水谷医師への取材は、当日急に言われたそうで、用意してなかったそうです。顔と名前が知れわたってしまいましたね☆ 2014年まで学生センターの学生担当だった小黒事務次長もばっちり映っていましたよ。

 

スタジオの、いのっちやパックンのコメントがまた鋭く掘り下げているものでした。

▼年収300万円世帯の人でも、4割が受診を手控えたことがあるということ(9年前の調査)

▼介護離職や、シングルマザーなど、経済的理由により一気に健康が悪化するリスク

▼親が保険料を払えなくなり、その子どもが医療にかかれないという問題があり、少しずつ是正されていること(←それでも、保険証が留め置かれているケースがあるという実態を、知っていてのコメントか?)

▼受診控えにより症状が悪化すると、結果的に医療費(国のコスト)が増大する

▼アメリカでは救急車呼ぶにもお金がかかり、年間ウン千人ウン万人が手遅れになっている

▼無料低額診療にも限界があり、活用できる期間の制限や、実施している医療機関の数が限られている(とっても少ない。静岡県では8カ所しかなく、県西部の病院はゼロ)

▼社会保険の運用をしやすくすること、などや、全体的に考え直さなきゃ、という問題提起が発信された

 

 

ほんとうに 深~い内容を 短時間で凝縮した番組でした。さすがNHK

 

 

このテーマを、もっと知りたいという 医大生のみなさんに、グッドニュースです。

 

6月3日(土曜日) 半田山にある静岡民医連学生センターで、「社会的医療・入門」と題して勉強会を行います。2つの症例から、じっくり考えます。医学生、看護学生のみなさん 一緒に学びませんか?

 





※さらに オマケ です。 長~いですけど、番組の文字起こしを付け加えます。

興味のある方は、ぜひお読みくださいね。

 

 

5月25日 木曜日

9時台の企画 医療を受けられない人をどう支えるか

経済的な理由から、病気になっても医療を受けない「受診控え」が問題になっています。VTRでは、重症の気管支ぜんそくでありながら、経済的な困窮を理由に2年間病院へ行けなかった女性の例をご紹介しました。女性は、所得が低い場合に無料または低額で診療を受けられる「無料低額診療事業」によって一時的に治療を受けることができ回復しました。この「無料低額診療」とは、どんな人が利用できるのか?「受診控え」を防ぐには何が必要なのかをお伝えしました。

専門家ゲスト:結城康博さん(淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授)

ゲスト:パックンさん(タレント)、黒沢かずこさん(タレント)

リポーター:雨宮萌果アナウンサー

 

 

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(文字起こし)第2特集9時12分から 知っていますか無料低額診療

 

雨宮アナ:いま 日々の生活のやりくりが大変で 病院に行くのは厳しい 控えている方 今日知っていただきたいことがあるんです

 

ナレーション:気管支喘息で診療所に通うまきさん 48歳です。

 

水谷医師:こんにちは~ どうぞおかけください

 

ナレーション:2年前に呼吸困難に陥ったまきさん(仮名) 診療所に駆け込み深刻な症状を訴えました

 

まきさん(仮名):吐けないのか 吸えないのか分からないけど とにかく息が本当に入っていかない 出ていかない状態で 息ができなかったです

 

ナレーション:診察に当たった医師は まきさんの症状の進み具合について ある違和感を覚えました

 

水谷医師:少し発熱がありまして 呼吸苦 咳が続いていて かなり息苦しい状態ですかね 本来ならばもうちょっと早い段階で 普通の方なら病院に来るはずだったのに なぜここまで悪くしてしまったのか

 

ナレーション:実はまきさん これまでも喘息の発作に苦しんできましたが 病院にかかるお金がなく受診控えをしてきたのです 診療所はまきさんに 低所得者のための制度を紹介しました それは無料低額診療制度です 昭和26年 まだ保険制度が確立されていなかった頃にできたこの仕組み 収入の少ない人が無料 または低額で 必要な医療を受けることができます

 

まきさん:こんにちは~

村松相談員(友の会会長):どうぞ~

 

ナレーション:申し込み手続きのため 診療所の相談員から これまでの暮らしぶりについて聞き取りが行われました

 

村松相談員:これが相談表で どんな具合ですか ということでお話を聞いた ということです

 

ナレーション:飲食業で働いていたまきさんの一月の収入は 10万円前後 保険料を滞納し 健康保険証は失効していました 医療費の支払いができないからと我慢を続けた結果 喘息は重症化してしまったのです

 

まきさん:働けないから収入が減って 病院行けなくて 病気がひどくなって また働けなくなって どんどんどんどん追い込まれていくといいますか 悪循環ですね 悪い方に悪い方に転がっていっちゃう 生活も 悪い方に悪い方にいっちゃいますよね 病気もどんどんひどくなっていくし 死んじゃおうかと思いました

 

村松相談員:一番最初に思ったのは よくぞここにたどり着いてくれたなって言う 無料低額診療を知らなくってね たどり着けないでいる人達は いくらでもいると思うんですけど

 

ナレーション:吸入薬による治療がはじまり 症状が落ち着いたまきさん 少しずつ日常生活を取り戻しつつあります

 

まきさん:ありがたくて ほっとして 泣きましたね 本当にありがたいと思っています 見つけることができないで苦しんでいる人 いっぱいいる なんか そんな人がいなくなればいいなって

 

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スタジオ:う~~~ん

 

雨宮アナ:まきさんは相談の結果 生活保護が受けられることが分かって 無料で治療することができ いま社会復帰を目指しています このように まきさん幸いにも医療を受けることができたんですが お金がなくて診察を受けずに そのまま死に至るというケースも あるんですね

 

いのっち:無料っていうこともあるけども ああやって よく来たねって言ってくれる先生が いたっていうところも 大きいと思うんですよね

 

柳沢解説委員:今の時代でも こういうケースっていうか お金がなくて病院に行くことができない人っていうのは 実態は把握されているんですか

 

雨宮アナ:どれくらいそういう人がいるのか ちゃんとした把握できていないんですけど

 

有働アナ:できていない・・・

 

雨宮アナ:ただ 全日本民主医療機関連合会の調べでは 経済的な理由で手遅れになって 死亡をしたケースというのが 去年 58件ありました 深刻な問題ではあるということなんですね こうした問題に詳しい専門家をおよびしました 社会福祉の専門家です 淑徳大学の結城先生です よろしくお願いします こうした受診を控えている問題というのは どのくらい深刻なんでしょうか

 

結城教授(淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科):正確なデータはないんですけども 例えば保険料を滞納して 窓口でですね 自己負担10割一回払ってですね 一時的とはいえ10割を払ってしまう人 これ20万世帯ぐらい あります 9年前の民間のシンクタンクであったところでは 300万円年収の方で 約4割ぐらいの人がですね 受診を お金がちょっと厳しいので 受診を控えている というデータも出ています 

ただしあの 医療機関も保険料滞納して 医療費が払えないからといってですね 診療受けませんよということは これはやってはいけないことになっているんですが ただ 請求をされてしまうと 患者さんの側でですね やっぱりちょっと二の足を踏んでしまうということで 受診を手控えている現状が かなりあると思うんですね

 

雨宮アナ:そうなんです あの いつ仕事がなくなって いつ病気なるかなんていうのは わからないじゃないですか 本当に他人事ではないですよね

 

柳沢解説委員:最近介護離職っていって 仕事を辞めて 介護をするようになってしまったら 収入が途絶えてしまって っていうケースだってある シングルマザーのケースだってあるし

 

いのっち:あのー お子さんの場合はどうなんですか 区によっては 15歳まで無料 とかってありますけど 保険料払ってない・・・

 

結城教授:その場合はですね 例えば親が保険料滞納して なかなか医療保険が使いづらいからってですね これは数年前に法律が変わりまして お子さんの場合は安心して使えますので あの保険料滞納してても それは問題ないと

 

いのっち:滞納してるから うちは駄目だって お子さんを連れて行かないっていう 知らないでね・・・

 

結城教授:そうですね いらっしゃるかもしれないですよね それは大丈夫です

 

雨宮アナ:パックンさんいかがですか

 

パックン:これは 何十件と聞いて あっちゃいけないから わーっと思いましたけど アメリカだと 何万件 の話ですよね 年間医療受けられなくて亡くなられる方も ウン千人 ウン万人も いるわけですよね

 

いのっち:救急車呼んだだけで 無料じゃないんですもんね

 

パックン:そうなんですよ 救急車一回呼んだだけで 4、5万円請求されます それに比べてまだまだ日本の方が健全なんですけど でも 例えば受診をしなかった 病気が悪化した 仕事ができなくなった 税収も入らなくなった でその後の医療も国が持つことになりますと 最初から全部タダで受診させた方が 最終的に国のために安く上がるんですよね 国の負担は 軽減されることになるわけですよね 僕らもその辺は ちょっと意識を持って よりこの無料低額診療を 拡大させた方がいいかな と 思います

 

雨宮アナ:そうなんです まさにこうした受診控えをしている人の 助ける手段となっているのは 無料低額診療事業なんです 昨年度でいいますと 述べ 777万人が利用しています これじつは10年前と比べると 130万人増えているんですね でこうした 無料低額診療事業 とにかく困っている方は 相談して欲しいと思います 医療機関にはたいてい 医療ソーシャルワーカーという  この 患者さんの社会復帰を目指すために 仕事をおこなっている方が いらっしゃいます その人に相談して 一定の条件を満たせば 無料または低額の 医療を受けることができます

 

柳沢解説委員:その条件ってのは 気になるんだけど どういう条件があるんですか

 

結城教授:例えば 月収ですね 月15~16万円上限で それ以下の人が使えるという まあ医療機関によって ちょっと違うんですけども そういう目安がありますね

 

いのっち:でもなんかその無料低額診療を 前より利用する人が増えたっていうのは それは知られたってことにもなるんですけど それと同時に 困っている人もそれだけ増えた ということになるわけでしょ

 

雨宮アナ:そういうわけです

 

いのっち:もっとそれ利用する人が増えなければ なかなかその問題っていうのは 解決にならないわけですかね

 

雨宮アナ:そうですねで さらにいうと その 医療ソーシャルワーカーさんと 聞き取り調査を行うんですね で そこで いろいろ聞いた結果 生活保護を受けられる なと判定すれば 生活保護の申請の手続きをします そうすると医療費は無料になりますよね 生活保護受けられないとなった場合でも こうした医療機関で まずは 体調を回復させて 治してから 生計を立て直すことを 一緒に考えて そして 保険制度の医療を 受けられるようにする 仕組みになっているんですけども

 

(橋渡ししているっていう格好なんですね)

 

雨宮アナ:そうですね つなぎの役割なんですよね

 

結城教授:まあ ただ この事業はですね ある意味一時的な制度ですので 例えば薬代は 自費になるケースがほとんどであります それから 期間も限定的ですので 受診を手控えている方が この制度を使っていただいて 例えば生活保護につないでいくとか じつは医療保険は使えるんだけども すごいお金がもったいないので 無理して受診していない方が 無料で1回受診していただいて 少し医療保険を使って ちゃんと治していくとかですね ある意味この制度がずっと使えるということはあまり認識しないほうがいいと思います

 

柳沢解説委員:つまり限界が あるっていうことですよね

 

結城教授:そうですね

 

いのっち:新しい制度じゃないと 例えば あーそうか じゃあ私行きましょうってなっても エー薬はお金かかるんですかって それは知りませんでした お金払えません っていう人も出てくるだろうし じゃあだからといっていろいろやって 生活保護者が増えればいい っていう問題でもないような気がするんですけどもね 制度自体の見直しした方がいいんじゃないかな

 

柳沢解説委員:とりあえず 何か セーフティネットのような気がしますけども でもこれやってくと 当然 財政的な負担社会保障費って どんどん膨らんでるなかで こればっかりやっていくわけにもいかないだろうっていう 国民的な感情もあるだろうし その この辺はどういう風に 将来的に考えればいいんですかね

 

結城教授:あの基本的には 国民誰もが公的医療保険 入ってますから 皆保険なってますから ただこれ保険料を払ってないと 先ほどいった 一旦 窓口自己負担とか ありますので ただやっぱりいま 低所得者の人が多くなりましたから ある程度 医療保険をすごく使いやすくしてですね 場合によっては 保険料滞納していても 使いやすく 無料でもやれるとか そういうことをすることによって 先ほどおっしゃっていたように かえって重病の人が増えてしまう 社会的コストが出てしまうので 社会保険の運用を もっとしやすくすることが まず大事なのかなと 思いますけどね

 

雨宮アナ:こうした無料低額診療事業を行っているところは 全国で647施設あるんですね これ

 

(施設も限られてるってことなんですか 全部が全部じゃないと)

 

雨宮アナ:決して多い数ではないんですね

 

有働アナ:でもこれを利用してみようという方は まず今日 何をすれば

 

いのっち:何をすればいいか

 

雨宮アナ: まずはこの施設があるかどうか で言えば 全国にある自治体の 福祉窓口で 相談受けてください

 

有働アナ:とにかく福祉窓口に行って相談をしてみるっていうのが

 

いのっち:おじいちゃんおばあちゃんとかだとね インターネットも使えません 電話もないって なったときに 相談に行って いやここにはないんですよ ちょっと遠いとこですって いったとき そうしたらどうすればいいのって 思うんですよね 

 

パックン:しかも 生活保護者だと 例えば 車を持ってはいけないっていう基準も定められているから

 

いのっち:車がないと 生活できないっていう場所も ねえ

 

パックン:ありますよね しかもちょっと遠いとこにある この診療所も行けないかも しれないですよね もう本当に 困っている方いっぱいいらっしゃるんじゃないかな

 

いのっち:なんかその 全体的に考え直さなきゃいけないときに来ているのかなと いうふうに今日

 

柳沢解説委員:まわりにいる人もね そういう人がいるかどうかっていうことを 気にかけて もしいたら 誰かに伝えるっていうふうなことですね

 

(今日はありがとうございました)