GPF直前インタ② “クリケット・ブラザーズと呼ばれている” | みみゆんの羽生結弦選手全力応援ブログ♡オタ活 羽生くんの素晴らしさを伝えたい⭐︎

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時々ハビエル・フェルナンデス元スペイン代表の情報も書いてましたww
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※記録として残します

EL PAIS 2014/12/7付

“El hielo no quema pero a veces corta”


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空気が変わり始めた秋頃、似合わない口ヒゲを生やしていた。

少年じみた顔つきだがひとたびラムジャムの音楽が始まるとその無邪気さは微塵も見せない。

フリープログラムのフィガロ像に近づいていた。ロシア・カップでは優勝を果たした。

そして、スペインに戻る前にヒゲを剃る事を決めていた。“何かを変えてみたかっただけ”、と彼は認めた。


控えめな人であゆ。そして笑顔は絶やさない。

ハビエル・フェルナンデスは2度のヨーロッパチャンピオンであり、毎日のトレーニングで3度リンクに立つ。現在はトロントに住んでおり、学びの機会を作りたがっている。


その才能の披露の場であるグランプリファイナルが、いよいよ12/11-14日の間バルセロナ・コンベンションセンターで始まる。


………


ショートはブラックベティ。今回のはロックシンガーのようだ。


そう。かなりアップビートな音楽で動きが沢山ある。これはとても気に入ってる。すごくいいのでみんなも楽しんでくれるだろう。これ以上のものはないという感じだ。



以前のプログラムではチャップリンを演じた。そして今度はフィガロだ。これらの人物で目指すものは何だろう。


僕らが実際に目指しているのは素晴らしいプログラムだ。音楽、振付、それのみに囚われるのではなく全ての要素を最大限に活かしたいと考える。その結果がチャップリンだったり、今回のフィガロだったり、他のキャラクターだったり。彼らはユーモラスで機知に富んだ登場人物だ。それらを試合で演じることで観客は色んなスケート・スタイルを楽しむことができるんだ。



フィガロを演じるために何か準備をしたのか。


オペラはそれほど、というか殆ど見なかった。もちろん『セビリアの理髪師』は見たが。歴史を少し知る事でその人物像を理解するのに役に立った。プログラムを演じる時の助けにもなっている。



観衆を味方につけるのが簡単になると。


選手はみな観客を味方につけたいと思っている。それとはまた別の問題だ。振付やプログラムの力である程度容易にはなるが、いつも上手くいくとは限らない。

スケートで何かを伝える力があるかどうか、という事だ。観客からは僕の演じるキャラクターは分かりやすい、スケートを通じて伝わるものがあるとよく言われる。表現するというのは簡単なことではない。だが何とかやれていると思う。とにかく自然でなければならない。



フリーでは引き続き3度の4回転を入れて、多くの評価を受けている。動きの中で跳ぶのはやはり難しいのか。


トレーニングでも、もちろん試合でも確実に出来なければならない。いまフリーで3度の4回転を入れている選手は他数名だけ。それだけで難しさが伝わるだろう。

まずどうやるのか、それを理解する必要がある。プログラムに1つ入れ、上手く跳べる。その次に2つ目を入れる。3つ目を加えるのは更に上の段階だ。もちろんこれは確実に本番の試合で実施できる状態であることを意味する。

3度の4回転をやるのがどれほど大変なことなのか?…それは分からない。サッカーの試合で言うハットトリックのようなものだろうか?説明するのが難しい。



日本のライバル選手達に勝つにはどの点を磨かねばならないのか。


とにかく練習して全ての面で改善しなければならない。スケーティング、スピン、ジャンプ…これらで改善できれば普通に点は伸ばせるだろう。ショート、フリー両方で勝てるプロが必要だったが、今年は間違いなく準備できている。だが今季はまだ完璧なフリーができていない。ロシア・カップは良かったが完璧ではなかった。細かい所で多くの点のとりこぼしがあった。だが今やってる練習を続けていけばいつかクリーンなプロが出来るだろうし、スコアも上がると思っている。



ソチオリンピック、世界選手権のプログラムで批判を受けた部分は活かされているのか。


僕らはいつも音楽と振付双方で最良の部分を見せたいと考えている。だが常に同じ結果になるとは限らない。それに皆が気に入るわけではない。振付やプログラムのポテンシャルは変わるものだ。今季のプログラムについては更に上がったと思っている。



それはどうやって分かるのか。


自分が言える事はいつもベストを尽くすこと、そして期待して待つこと。選手たちや試合にくる観客は分かっている、第一印象で決まっていることが。今シーズンのショートだが、ある有名な女性コーチが僕のところにきてこう言った。“このショートは私がこれまで見てきた中で最高のプロよ”と。

こういうコメントを聞くと自分のやっている事は良い方向へ向かっていると再確認できるんだ。



GPFでは何を期待しているか。


自分の目標は出場だった。なので全力で行く。もちろん表彰台に乗りたいという希望はある。だがシーズン前半で一番強い選手が来るので難しいと思ってる。難しいと思うがメダルは目指す。



ソチ以降は何が変わったか。


何も変わってない。始まる前も後も自分は同じ人間。ソチは非常に重要な試合だが結局は一つの試合でしかない。過去は過去、自分は未来を見ている。もちろん経験したことは忘れない。だがもう次のことを考えている。



五輪のインターバルは長いか?まだ漠然としててそこまでやれるか分からないと言ってるが。


また4年間同じ練習と思うと難しいと考えることはある。1年1年考えれば良いと思ってる。自分の目標は五輪王者になることではなく目の前の試合を勝つこと。

今季の目標はこんな感じ。まずはGPFファイナル進出。そしてまた欧州タイトルをとりたい。3連覇がかかるのでより重要になってくる。あとはもう一度世界選手権の表彰台に立つこと。



引き続きオーサー師事という事だが、あなたはソチ金メダルの日本の羽生とも一緒にトレーニングしてる。一番のライバルと練習するのは奇妙ではないか?


彼と練習してる時は、彼は家族の1人、パートナーであってライバルではない。僕らはクリケット・ブラザーズと呼ばれてるが、それは調子が良くない時はお互い助け合うってことだ。それに練習環境にすごく高レベルのライバルがいるといつもより多くの事が出来るようになる。



試合でもお互い見てるのか。


お互い見てるし喋りもする。別に何の問題もない。このスポーツの1番良い所のひとつはスケーターの95%がお互い仲が良い事。試合が終わればそこで一緒にコーラ飲んだりビール飲んだりする。とても良い雰囲気だ。



毎月3000ユーロかかると言っていた。振付、衣装、スケート、演技向上のためのアクターの指導もある。


そう、エキシであるアクターにサポートを依頼している。3000ユーロはそんな感じで出ていく。住居費の半分は連盟が払っているが、カナダはすごく物価が高いので。



何にかかってるのか。


食べ物もすごく高い。食費にかかっているのは確かだ。母にいつも食事が1番重要だと言われているのを思い出す。



あなたのケースは何故特殊なのか。スペインで上手くいかないのはやはり環境か。伝統がないからリンクがないのか?リンクがないから伝統がないのか?


ここでの一番の問題はリンクが9個か10個しかないこと。そしていつもいっぱいでフリーの時間がない。10程度のリンクではスケートは人気スポーツになりようがない。もっとスケートをやる時間があれば才能を見いだせる。



マドリッド時代のトレーニングは殆ど身が入ってなかった。若さ故か。それとも自律心がたりなかったせいか。


年齢のせいだろう。すごくだらけてた。正確な理由は思いだせないが。多分練習への熱意が足りなかった。スペインを去った時に、スケートの見方が変わり人生が違う方に変わり始めた。練習なしでは何も達成出来ない。17歳のときに北米に移住したのは何かやりたいと強く思ったから。そして多くの事が変わった。



プレッシャーは挫折に繋がると思うか。


必ずしもそうではない。人にもよるし状況にもよる。以前は上手くやるにはプレッシャーが必要と考えていた。だが今は練習が必要と考える。時が経てば運は消えていく。プレッシャーはもう僕を助けてくれない。だがかなり上手く付き合えている。