残業で疲れ切った火曜日

 

鏡で疲れた自分の顔を見てふと思った。

 

 

 

 

唇、ぷりっぷりにしたいなぁ

 

 

 

 

昔から石原さとみとかアンジェリーナジョリーとか

むっちりした顔に憧れていたのもあり、その日は仕事のストレスがかなり溜まっていたのもあり、

いつもはびびって二の足を踏むくせに、その日はなぜかサクッとプチ整形の一歩を踏み出してしまった。

 

 

 

 

 

これが後に禁断の一歩

 

となるわけだがその時は

ぜったい可愛くなれる!という謎の自信に満ち溢れており

 

 

 

嬉々として日本橋のとある美容クリニックへ向かった

 

 



カウンセリングで唇へのヒアルロン酸注入をオーダー

 

 

 

 

 

先生に、どんな感じがいいですか?

 

と聞かれて、自然にボリュームアップする感じでお願いします!

 

と伝えたところ、先生は「うーん、、なにか写真とかある?」と言ったので

 

自然にボリュームアップしてるっぽい写真を見せたところ、

 

ああー、こんな感じね。ちょっとアヒル口な感じね。

 

 

とつぶやいていた。

 

 

 

今思えばここですかさず、

 

アヒル口になりたいわけではない!!!


ということを

強く伝えればよかったと思う。

 

でもその時はなんか

 

 

大丈夫っしょ!自然な感じでって言ったし。

 

 

 

って、



先生に託してしまったんですよね

 

 

 

 

 

で、わくわくしながら麻酔して施術を受けて、

 

鏡を見たら

 

 

 

 

 

驚愕。

 

 

そこには

 

 

 

 

見慣れないアヒル口モンスターの姿が。

 

 

 

 

 

 

こ、これが私・・・・?

 

 

 

 

そこには、THE 整形顔のモンスターが映っていた。

 

 

まじでよく見かけるあの顔。整形の、あの顔。

 

 

鏡を見ながら愕然とする私に先生は

 

「まだ少しヒアルロン酸余ってるけど、どこに入れたい?」

 

 

 

 

いやいやいやいやこれ以上どこに!?

 

どこに入れるとこあるの???

 

 

と心のなかで突っ込み、

 

 

も、、、、もう大丈夫です。

 

 

 

とかろうじて答えた。

 

 

 

 

やばいやばいやばいやばい。

 

 

 

 

焦る私。

 

 

どうしよう。

 

これから家に帰って何も知らない旦那とどんな顔で会えばいいんだ。

 

 

 

こんなモンスターが誕生するとは思っていなかったので

今日、プチ整形してくるね!なんて旦那にはもちろん言ってなかった。

 

 

 

先生は、「今は腫れてるけどこれからなじんでくるから大丈夫」

 

と言っていた。

 

 

 

とりあえず先生のその言葉を信じるしかないので

 

泣きそうになりながら帰りの電車に乗った

 

 

 

1時間ほど電車に揺られていると

腫れが少し落ち着いたのか、目が慣れてきたのか、

 

ちょっとはマシな見た目になった。

 

 

 

でも、この顔ははたして可愛いと言えるんだろうか・・・?

 

 

 

そもそも私の顔は女性らしい顔つきというよりかは、塩顔の男顔だ。

 


学生時代はよく似ている芸能人として冨永愛さんの名前があがっていた。

 

 

 

 

想像してみてほしい。

 

 

 

 

冨永愛さんの顔にぷりっぷりのアヒル口を付けたらどうなるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

違和感でしかないのだ。

 

 

 

 

これからどうしよう。

 

 

というか、まず、今日、旦那になんて言えばいいんだ。

 

 

 

 

きっと、旦那は私の顔を見るなり驚いて心配するだろう。

安易に整形に手を出した私を責めるかもしれない。

もしくはあきれるかもしれない。

 

 

 

 

暗い顔で玄関を開ける。

 

 

旦那がいた。

 

 

私の顔を見た旦那は笑顔で言った。

 

 

 

「おかえり!今日遅かったね!ごはんどうする?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっ・・

 

 

 

 

気づかない。

 

 

だとおおおおおおおおおおポーン

 

 

 

 

予想外の反応に衝撃をくらいながらも、

気づかないならそれはそれでありがたいので

 

 



今日は何がいいかなぁ。パスタかなぁ。

 

 

 

 

と冷静を装って接した。

 

 

 

そしていつも通りテーブルで向かい合ってごはんを食べ、超至近距離で会話をして

 

おやすみのキスをして寝床についた。

 

 

 

 

 

彼はいったい私の顔をどう認識しているんだろうか。

いつか私の顔が別人になってても気づかないんじゃないだろうかと思いながらも

 

 

いや、もしかしたら自分が思ってるほど変ではないのか・・?

 

 

 

よくわからなくなり、鏡で何度も自分の顔を凝視する。

 

 

 

 

そして自分の唇を鏡でまじまじと見ていると、

 

 

 

まぁ、これはこれでアリなのか?

いや、やっぱり変だな。

いや、でもやっぱアリか?

いや、やっぱり変だな。

 

 

の無限ループに陥り、頭が痛くなってきたので

とりあえず眠ることにして整形1日目は終了した。

 

 

 

 

本当の地獄は二日目からだった。