フェルマータ
退職の日までいよいよ1ヵ月を切りました。
#正確には10月5日の取締役会での決議事項で、
そこまでが私の任期となり、本当に1ヵ月ありません!
それなのに、私ったら、気持ち的にサバサバしていて、感傷的なものを感じなくて、何だか罪悪感のようなものすらあります
そんなところ、先日、久しぶりにわが社の社長・専務とお昼をご一緒しました。
社長「ミルミルも、残りもう少しだな。」
専務「そうそう、いわゆるスピンアウトっていう事になるのか。」
と、至って明るく、冗談めいた仰り方。
私「スピンアウト?まさか(笑)」
専務「じゃ、ドロップアウト(笑)」
私「私としてはそのどちらでもありませんよ(笑)
ただ単に、『辞める』、ストップアウト?でしょうか?」
本当に私の中では、退職するということは・・・スピンアウトでもなくドロップアウトでもありません。
ドロップ はみだして落ちるのですよね?落ちるなんて何か
縁起悪いじゃないですか(笑)
スピン クルクル勢い良く回って、こちらもはみ出しちゃう
訳ですよね?クルクル回っている状態なんて
尋常じゃないですよ(笑)
私の中では・・・
⇒ Stop(立ち止まる)
⇒ Look around(周りを見る)、
Look over(周囲も自分の事も見返してみる)
⇒ Confirm(地固め・確認)
⇒ Select and Turn(選択と舵きり直し)
そんな感じの英単語が浮かびます。
そうしてもう一つ、英語ではないのですが、
音楽記号「フェルマータ」という言葉が・・・。
フェルマータ記号の時には、それまで忙しく動いていたオーケストラの指揮者のタクトも、ふっと止まります。
そしてその後、何事も無かったかのように、次の演奏へと繋がるのですが、そこにフェルマータの「停止」の瞬間があるからこそ、その続きの演奏が際立つのです。
そんな事を考えながら、ボソッと言ってみました。
私「えぇっと・・・もう少し良い言葉がありました。
私の場合は・・・『フェルマータ』だと思います。」
社長「わはは、実にミルミルらしい(笑)」
専務も社長も、これが私らしい発言だと仰って、何故か大喜び
あんまり笑われたので、ちょっと悔しくなって生意気を言ってみました。
私「けれど・・・ 生意気な事を申しますが・・・
私にとってはフェルマータ、世の中ではドロップ、
スピン・・・いろいろな呼び方・考え方があると思いますが・・・。
会社に残って前へ前へ進まれる方にとっては、
私のように途中でコースを外れる者は、
必ず『ドロップアウト』でなければなりません。」
専務「あはっは、本当、そうだな。
これから辞める奴にしてはいい事を言う(笑)」
こんな会話を交わしながら、和やかなお昼を過ごしたわけですが・・・
その後、少しだけ自分の中に、初めて「辞める」事に関して感傷的な気持ちが沸いたのに気付いたのでした。