キングコブラ青春こじらせ物語 ②アタイがTバックになったワケ | 流血ブリザード ミリー・バイソンの気合いだ!バッチコーイ!

キングコブラ青春こじらせ物語 ②アタイがTバックになったワケ

2008年の初め、流血ブリザードに入ることになったアタイ。


アトランティスから、衣装でバンダナとフェイクファーとビキニパンツを着るよう提案されて、さっそく探してみた。

バンダナは私物のものがあったし、ファーも簡単に手に入ったんだが、ビキニパンツだけがなかなか見つからなかった。…ま、正確に言えばワ○ールやト○ンプで売ってるような、黒いシンプルなビキニはあるっちゃあるんだが、そーゆーのは求めてねぇんだ!
もっと、スタッズが付いてたり、パイソン(蛇ね。バイソンじゃねーよ)柄だったり、攻めてるデザインのビキニが欲しかった。
だって、求められてるイメージが"TOSHI" "娼婦" "女戦士"だからな!攻め攻め!

アメ村のFARPLANEや堀江のVFTQといったコスチュームショップ、アダルトショップにも行ったけどピンとくるビキニは見つけられなかった。
代わりに店員さん達は「Tバックだったらこんなデザインもありますけど…」と言ってたくさんの黒いTバックを持ってきてくれた。
それは、素材がレザー風だったり、ベルトが付いてたりしてどれもカッコよかった。

Tバックとビキニを見比べてるうちに、あることに気がついた。そもそも、ビキニは尻を守る形になっている。その形状自体が、守りに入ってるんだ。
それに比べて、Tバックは必要最低限しか守らない形だ。別にレザー風じゃなくてもベルトが付いてなくても、形状自体が攻めている。

…なんて潔い!!!

それで、独断でベルトの付いたフェイクレザーのTバックを買って帰った。

職場の従業員販売で安く買えるせいもあって、Tバックは結構持ってたし、普段からよく履いてた。
ただ、衣装として履いて、不特定多数のお客さんに晒すのは、勇気のいることではあった。
でも、これくらいはせなあかん!って思ってた。
キ○ガイパフォーマンスバンド「流血ブリザード」に入るからには。

別の理由もあった。アタイならでは、という表現を確立したかったんだ。神戸のガールズバンドで活動してた頃、自分を取り巻くシーンの雰囲気にうんざりしてきてたんだ。みんな似たようなファッション、似たような音楽性、「○○っぽい」のがセンスいいと言われる風潮に。

しかも、アタイよりも若くて才能のあるミュージシャンがうようよいた。初めて女王蜂を観た時なんて、自分がバンドやる意味なんてないな~辞めた方がいいかな、って思ったくらい。

さらに、イベントのオーガナイザーに「集客したかったら客にパンツくらい見せてやれ!」なんてアドバイスをされたり…間違ってはねーがな 笑

アタイならではっていう話とそれるけど、衣装のTバックを買って帰った道中、頭の中に浮かんでたのはスペルマのボーカル/コンチネンタル・キッズの今は亡き女性ベーシスト、ランコさんだった。


MINKSのdemoを出した時、ある人のレビューでアタイのボーカルが「コンチネンタル・キッズの蘭子を彷彿とさせる」と評されてるのを読んだ。
どんな人か調べたら、Tバック履いてオッパイ出してたけど…いやそれも含めてめっちゃカッコいい女性だった。
誰かに似てるって言われて嬉しいことはあんまりないんだけど、自分の中に、この人に通じる要素があるとしたら光栄だなって思った。
ビキニじゃなくてTバックを選んだ時、自分はきっとランコさんみたいになりたかったんだろう。

そして迎えた、ユダとアトランティスとの衣装合わせの日。
島之内のシェアハウスの一室に、各自衣装に着替えて集まった。アタイは、アトランティスの絵をほぼ体現してみせた。


ビキニが、Tバックになってること以外は。


ユダとアトランティスは、アタイのTバックを見て一瞬沈黙した。


その後、みんな爆笑!!

アトランティス「ミリー、そこまでやらんでええで~」
ユダ「オモロいやん!やろや!」

あぁやるよ!客にパンツくらい見せてやれって言われたことだしな、ついでにケツも見せてやるさ!

-つづく-