黒猫:こんばんは、お久しぶりです、活字ラジオの時間がやってまいりました。黒猫シリーズの探偵役、美学教授の黒猫です。

作者:お、なんか自己紹介が丁寧…。

黒猫:だって、ほかの著作で君を知った人は僕のことを知らないかも知れないからね。なんで黒猫が言葉しゃべってるんだとか疑問に思うかもしれない。

作者:なるほどがはははそ、そ、それはあははははおかしいあははは。

黒猫:そこまでおかしくはない。

作者:そうだな。ちょっと浮かれただけ。

黒猫:僕はこれ二か月ぶりなんだよ。12月は君が一人語りにしてしまったからね。

作者:そういえばそうだった。

黒猫:で、1月は君がものの見事にすっぽかした。

作者:スッポカスってかっこいい日本語だよね。

黒猫:誤魔化すな。

作者:いや、何かね、最近記憶が持続しないんですよ。夕方の6時くらいまで覚えてるんだけど、晩御飯食べ終えてから書こうと思っていると、もう忘れている。

黒猫:ヤバいな、それは。

作者:うん。けっこう余裕で忘れるよ。たとえ夜9時に「今夜は活字ラジオだよ」と言っても実際に書き出すのは夜10時だから、その一時間の間に忘れる可能性はけっこう高い。

黒猫:ううむ、油断できないわけだ。その間なにやってんの?

作者:んん、執筆…かな。

黒猫:ほう。忙しいアピールをする気か。

作者:ちがうちがう、ただマジな話で小説書いていると一瞬で時間が過ぎるんだよ。で、気が付くと夜の12時とか。

黒猫:ああ…。

作者:あ! 活字ラジオ!ってなる。

黒猫:それはよくないな。30分ごとにタイマーが鳴るようにするほうがよい。

作者:そうだな。検討しよう。

黒猫:さて、それで。まずつい二日ほどまえに君の新作が出たね? これだ。

作者:そうそう。『さよなら、わるい夢たち』。装画は石居麻耶さん、装丁はbookwallさん。

黒猫:焦れ焦れ恋愛要素は?

作者:ない。ただし、イケメンは出てくる。失踪人、薄井麻衣亜を追跡する長月菜摘の恋人でジャーナリストの丘咲飛澄という男。これはなかなか現実にいそうなラインのイケメンだと思う。

黒猫:顔が? 態度が?

作者:態度かな。顔って読者が勝手にいい顔に想像するものだからね。そこはそんなに描写してない。君の顔だってそんな具体的な描写があるわけじゃないんだよ。読者が勝手にかっこいいと思っている。

黒猫:それはたぶん丹地先生の装画のおかげもありそうだ。

作者:それは絶対あるね。君はだいぶトクしているわけだ。まあ僕は具現化された付き人が見れただけで、もうこの先何も書かなくてもいいんじゃないかってくらい幸福だけどね。

黒猫:君は付き人のことが好きすぎるな……。

作者:あんたほどじゃない……。

黒猫:……それはさておき、じゃあその丘咲と菜摘の恋模様を追っていけばいいって話ではないんだね?

作者:たしかに失踪人がなぜ消えたのかを追うという意味では、二人は探偵と助手のような関係に見えるし、見ようによっては黒猫と付き人のリアルバージョンに見えなくもない。そこを導入部分にしてもらえたら、従来の読者にも読んでもらえそうだ、という狙いもある。

黒猫:あるんだ。

作者:そりゃあね。でも、やっぱりこの小説の根本の部分というのは、いままさに変わりつつある日本の社会そのものを描いている部分にあるんじゃないかと思う。

黒猫:ほう。日本の社会ね、変わりつつあるの?

作者:これは日本だけじゃなく世界全体の動きとしてもそうだけれど、女性と社会の関わり方だね。これまでは何となくよしとされていたこと一つ一つがセクハラではなかったかどうか精査しながらモラルを再構築しなければならない時期に来ていると思う。

黒猫:#METOO という運動なんかもそういう流れで出て来たね。

作者:うん。行き過ぎだという人もいるけれど、ではこれまでの社会が正しかったのかと尋ねて素直にうなずける人なんていないと思うんだよ。

黒猫:まあそうだろうな。

作者:たとえば今年は不倫報道が多かったわけだけれど、男女のどちらが有名人かによって報じられ方はだいぶ違うし、そもそもなぜ謝罪させる必要があるのかも謎で、我々にはたしかに「知る権利」があるかも知れないけど他人のプライバシーを侵害してまで知る権利はないわけでね。マスコミが本来はそういうモラルのリーダーになっていくべきなんだけど、そういうふうには機能していない。彼らは視聴率や雑誌の売り上げやらがの目標があるからね。そうすると大衆におもねってごまをすらざるを得ない。結果としてみんなが謝罪を要求しているかに見える社会ができあがっている。ジョージ・オーウェルが描いた「二分間憎悪」みたいなもんだね。本当に不満を持っている先には恐ろしくて非難ができないからみんなで非難しても大丈夫なターゲットを作っている。

黒猫:たしかにそういうところはあるね。一つのスキャンダルをとっても、そこに至るまでにさまざまな社会の病理の蓄積がある。

作者:そうそう。

黒猫:この物語では、失踪した薄井麻衣亜が「おやゆび姫」に擬せられているね。名前が「まいあ」なのも「おやゆび姫」からだろ?

作者:そうなんだ。でも本当は、プロットのいちばん最初の段階では「現代版『ボヴァリー夫人』がやりたい」っていうのがあって、でも書いていったらだんだん違ってきて、最後は本文中にも『ボヴァリー夫人』の文字はなくなった。

黒猫:それがなぜ「おやゆび姫」になったのか……。

作者:まあそのへんは現在一部書店さんの店頭で僕のロングインタビューが載った特典ペーパーが配布されているからそれを読んでほしい。

黒猫:ってそれどこの書店さん?

作者:浜松のブックアマノ アクト店さんみたいにTwitterで情報出してくれてるところに関しては僕のほうから言えるんだけど、そうじゃないところはまだ店頭準備中かもしれないから告知OKにならないと言えないんだよね。

黒猫:なるほど。それはゲットしたいところだが、ただ、まあどのみち行けない地域の方というのは出るよな。

作者:もちろん。そこで、恒例のあの企画!

黒猫:電子特典?

作者:の、お知らせの前に、書店様。

 

こちらまだまだ募集していますのでどうぞよろしくお願い致します。

黒猫:はいはい、で、電子のほうは?

作者:じゃあそっちも告知いきますか。

【電子版特典ペーパー&スペシャル断篇プレゼント企画】

※飼い主におなりいただいた方限定の特典とさせていただきます。

【内容】

単行本『さよなら、わるい夢たち』の全体が映っている写真+140字以内の感想をアップされた方にもれなく

森晶麿ロングインタビューの載った電子版特典ペーパーとスペシャル断篇1編のPDFデータをプレゼントします。

※購入後ラミネート加工をされる方はその前に撮影をお済ませください。ラミネート処理済みの画像は実際にお飼いいただいたか判断しかね、ほかの飼い主様にとってもフェアではありませんのでご了承ください。

【申込】

そのURLまたは垢名を添えてDM又はkuroneko.since2011@hotmail.comにお名前連絡先(ツイ垢可)添えてご応募下さい。

【期間】2月25日(日)~3月30日(金)(返信は3月から到着順となります)

黒猫:ほほう。だが、感想ツイートは意外と恥ずかしくてハードルが高いという方も。

作者:うーん、たしかに。もしくは、書影を写真掲載いただいた際に、帯を自分で作って「面白い!」とか、そういうオリジナル帯を作ってくれたものでも結構です。

黒猫:ああ、そのほうがシンプルと考える人もいるかもしれない。

作者:今回はふだんが甘いパフェを売りものにしているとしたら、まったく甘くないパフェを売っているようなものなので、「パフェ屋が作った本気ブラックパフェ」ですので、コケたら悲しいだけだし、できればこの作品を伝説にしてやってほしいなと思います。

黒猫:ブラックなパフェか……付き人好きかも……。

作者:おまえすでに心ここにあらずか!

黒猫:いやいや、まあまあ。いつもながら盛沢山の活字ラジオになったな。おっと、そろそろ僕は先約があるので。

作者:ちょっと待て! 四月の話をさせろ! 四月にはあのシリーズが! あの続編が!

黒猫:今夜はこのへんで失礼します。

作者:……ああ行っちゃったなぁ、アイツ先約とか嘘だろう……絶対いまパフェの話題したからパフェ食べたくなっただけだし、付き人のこと思い出しただけだし。ああ、そうだあの二人のこともそろそろしっかり考えなくてはね。ではでは、今夜はこのへんで。