映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』感想 | 大海の一滴、ミルキーのささやき

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舞台・映画・小説の感想を自分勝手に書き綴る、きまぐれブログ。

スタッフ

監督・脚本:ライアン・ジョンソン

キャスト

レイ:デイジー・リドリー
ルーク・スカイウォーカー:マーク・ハミル  
カイロ・レン:アダム・ドライバー
レイア・オーガナ:キャリー・フィッシャー 
フィン:ジョン・ボイエガ 
ポー・ダメロン:オスカー・アイザック 
ハックス将軍:ドーナル・グリーソン
キャプテン・ファズマ:グウェンドリン・クリスティ
C-3PO:アンソニー・ダニエル
ローズ・ティコ:ケリー・マリー・トラン
ホルド提督:ローラ・ダン 
スノーク最高指導者:アンディ・サーキス 
DJ:ベニチオ・デル・トロ

※上演中なので、観ていない人は読まないで下さい。

あれだけ文句を言っていたのに、観に行きましたよ。
諸事情で、また、“初日”に。
念には念を入れて伝えますが、私はスターウォーズフリークではありません。
どちらかといえば「え」と思っている派です。
濃厚な感想ではありませんので、悪しからず。

スターウォーズ「フォースの覚醒」感想はコチラ

いやあ、良かったですよ。
手に汗を握るシーンあり、感動シーンあり、ワクワクするシーンあり。
正直、スターウォーズシリーズの中で、一番楽しめました。
 

個人的に優れていると感じた部分は3点。
1点目は何と言っても映像美です。
映像美といっても今日日どの映画を観ても技術の進化により、
美しいっちゃ美しいのですが、テクノロジーではなくアートとして美しかったですね。
戦闘場面で真っ赤な血の跡が砂地に残るのですが、実は、これ岩塩なんです。
岩塩であることはちょっとした台詞でわかるようになっていて、その端的な表現も粋でした。
美しさだけでなく、パワーもありましたよ。
帝国軍の軍艦がジャンプ(ワープのことです。ま、宇宙におけるFAXみたいなモンです。大ウソです)するのですが、ワープゾーンへの突入より、ゾーンから出てくるシーンが多いのです。
なにもなかった空間に軍艦が何隻も現れる様はド迫力。
編集や効果音の妙といいますか、2時間35分という長さを感じさせないテンポの良さがありました。
 

2点目は、キャラクター。
既存の登場人物に加え、新キャラクターも登場し、人数だけで言えば大渋滞を起こしているはずなのに、性格付けがしっかりしているせいか、理解しやすかったです。
脇役が丁寧に描かれていて、愛の深さを感じました。
レジスタンスのポー(オスカー・アイザック )は、前回とは打って変わって、若かりしき頃のハン・ソロ(ハリソン・フォード)を彷彿とさせるやんちゃぶり。
フィン(ジョン・ボイエガ )も魅力を増していましたし、東洋系のローズ・ティコ(ケリー・マリー・トラン)の活躍は嬉しかったですね。
私はアダム・ドライバーさんの目の演技が好みなので、カイロ・レンが早々に仮面を取り外したことは、ガッツポーズでした。
 

3点目はストーリーでしょうか。
「最後のジェダイ」監督のライアン・ジョンソン氏が、大層なスターウォーズファンなのかな、と思わせる内容でした。
過去のことを疎かにせず、踏まえた上での展開に感心しましたよ。
また、ヨーダやレイア(キャリー・フィッシャー )など、1作目からいる人物への尊敬の念を感じます。
年老いたルーク(マーク・ハミル)に、ヨーダが「ヤングスカイウォーカー」と話かけるシーンなどは、グッときますよ。

しかし、しかしなんですよ。
「スターウォーズ」全編を通して考えると、話毎にコロコロ設定が変わるのが、理屈っぽい私にはどうも、合わないんですよね。
時代や監督の移行により、根本そのものが変化し、スターウォーズという名を使っているだけの、まるで違う作品です。
1作品1作品である程度完結しているなら割り切れるのですが、いつも、「前回は・・・」「つづく」みたくの作りなので、一貫性を求めてしまうのです。
「スターウォーズ」名のブランド力に頼るだけでなく、せめてシリーズの3部作くらいは同監督にし、統一感を持たせて欲しいですね。

“正義(ジェダイ)”と“悪(ダークサイド)”の戦い。
この、実に、単純で明快な本質に対し、最近は複雑風を装っている気がしています。
深くないのに、意味深にする必要はありません。
チープなものにはチープなものの、B級映画にはB級映画の良さがあるってなもんですよ。はい。

Fin